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2007/09/30

不動産取引について考える(第2回) 権利金・農地等

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メルマガ、ご愛読ありがとうございます。
私は、現役の税理士・行政書士・AFPです。
しかしながら、本文中の意見にわたる部分は、筆者の私見で
ありますので、お断りしておきます。

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第47回 【不動産取引について考える(第2回) 権利金・農地・不動産の
評価】(税務その他・不動産・その2)
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《はじめに》
いよいよ10月です。朝・晩かなり冷えますので、ご注意願います。
いろいろありまして、SEO対策が採られておりますが、実は、そっとメルマ
ガを流したい気持ちが強いです。私の書いているものは、既に他の人が書いて
いるものが殆んどですので、せいぜい、知識の確認程度かなと、思っています
。読者の方は、自動的に著者の肩書きを見られるでしょうが、そのため、著者
は自由に発言できないでいる面も多々あります。ちょっと、窮屈です。
さて、本日は、「CFP受験レベル 不動産取引に関する問題」を中心に、そ
の周辺の面白そうな問題を取り上げております。(第2回目)

1.
(1)権利金の授受 所得税上(不動産所得金額となるもの、譲渡所得金額
となるもの(イ)土地の譲渡があったとされるもの(ロ)上下空間に制限あり
((イ)のうち)と法人税上の相違
(2)演習問題3題
2.農地の取り扱い
「自己所有としたい、賃借して農作業がしたい」のですが・・・
3.気分転換
4.不動産評価の問題
(1)CFP問題として
(2)相続税上の問題として
5.税法上の変更点で気にかかるものの確認(中小企業庁)

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1.
(1)権利金の授受 所得税上(不動産所得金額となるもの、譲渡所得金額
となるもの(イ)土地の譲渡があったとされるもの(ロ)上下空間の制限(地
下鉄の敷設のため)の設定)ある場合と、法人税上の取り扱い
 これに関しましては、皆様もご存知のことですので、簡単に述べます。権利
金を借地権の設定の対価の額として、受け取ったものとします。「所得税」に
おいては、この権利金の額は、不動産所得の金額の計算上、原則として収入金
額に算入されます。この場合において、土地等を貸付し、契約3年以上、権利
金の額が使用料年額の2年分以上のときは、この権利金にかかる所得の金額は
、臨時所得となり、一定の場合には平均課税の方法で、課税総所得金額に係る
所得税額を算出することとなります。なお、反復継続の借地権の設定等一定の
場合には、不動産所得ではなく、事業所得または,雑所得の金額となります。
しかしながら、その権利金の額等(その貸付に伴い無償等により金銭の貸付を
受けることによる経済的利益の額)が、次の区分の各々に掲げる金額の50%
超の場合には、その権利金にかかる所得金額は、譲渡所得金額となります。そ
の際の、譲渡所得金額は、
譲渡所得金額=収入金額―取得費等となります。
(イ)収入金額  権利金の額等
(ロ)取得費等   その土地の取得費×{権利金の額/(権利金の額+底地価
額(不明の場合には使用料年額の20倍相当額))}
※区分;●建物等の全部の所有を目的とする場合・・・その土地の価格(上下
空間を制限する場合には50%)●建物等の一部の所有を目的とする場合・・
・その土地の価額×{その区分所有する床面積/建物等の床面積}
 上記のことは、「法人税」においては、「借地権→借地権または、地役権」
、「不動産所得金額等→内国法人のその事業年度の所得の金額」、「収入金額
→益金の額、取得費等→損金の額」、「50%超→50%以上」となります。ま
た、通常収受すべき権利金を収受しない場合には、通常収受すべき金額を益金
の額に算入し、それと、その対価の額との差額は給与等または寄付金として扱わ
れます。ちなみに、無償で、借地権を設定した場合には、「個人所得税は、対
価課税」原則ゆえ課税関係を生じませんが、「法人税では、無償の資産の譲渡
または役務の提供は益金の額」に算入するため課税されます。

(2)演習問題3題
(権利金その1・通常)
(仮定)個人Aが個人Bと、借地権契約を結びました。土地;取得費600万円
、権利金1,200万円、保証金500万円(30年間無利息、30年複利現
価率0.232)、仲介手数料40万円、契約時の更地価額3,000万円、
底地価額1,500万円とする。(基準年利率、考慮外とする)
→(判定)経済的利益の額500−500×0.232=384万円。経済的利
益の額384+権利金の額1,200=1,584万円>3,000万円×5
0%、∴譲渡があったものとみなす。(分離短期または、長期譲渡所得金額。
これは、その年の1月1日で所有期間が5年超か否かによる。)
∴(収入金額) 1,584万円
(取得費等)600×{1,584/(1,584+1500)}+40≒3
,481,712円(譲渡所得金額=)15,840,000−3481712
=12,358,288円。
上記において、「保証金」がなければ、1,200万円≦3,000万円×5
0%となり、不動産所得金額となり、収入金額に1,200万円を計上する、
ことになります。

(権利金その2・上下空間に制限あり)
(仮定)地下鉄の敷設のため、E公団との間で、借地権を設定した。土地;取得
費1,600万円、権利金760万円、契約時の更地価額2,500万円、底
地価額1,800万円
→(判定)権利金の額760万円 > (2,500万円×50%)×50%=
625万円(「上下空間に制限あり」のケース)、∴譲渡があったものとみな
す。
∴(収入金額) 760万円
(取得費等)1,600×{760/(760+1,800)}=475万円
(譲渡所得金額=)760−475=285万円

(権利金その3・通常・法人税)
(仮定)法人Aが法人Bと、Bの建物所有目的で、事業年度当初に、借地権契約
を結びました。借地権設定前;土地;取得費600万円、土地の通常の価額4
,500万円、相続税評価額3,150万円。借地権権利金3,000万円、
地代年額63万円。借地権設定後;土地の価額1,500万円。
→(判定){(4,500−1,500)/4,500}≧50%、∴著しい下落あ
り。
また、(相当の地代) 権利金の改訂 3,000×(3,150/4,500
)=2,100万円、(3,150−2,100)×6%×(12/12)=
63≦受取63万円。∴正常な取引であり、権利金の認定課税なし。
(土地等の簿価一部損金算入)600×{(4,500−1,500)/4,5
00}=400万円(減、留)→すなわち、「借地権の設定」により、この分
減額になったということです。上記の「所得税」と比較した場合、「取得費等
」に比較して、P/Lで既に権利金の額3,000万円は計上になっているた
め、別表四で「取得費等の額に相当する部分の金額」を調節するということで
す。

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2.農地の取り扱い「農地の権利移動・転用の制限」
「自己所有としたい、賃借して農作業がしたい」のですが・・・
→「下記の制約・手続き」をご覧下さい。

(1)基本;農地の転用について・・・農地を農地以外のものにする場合に
は、農地法により、都道府県知事の許可が要ります。なお、4haを超える場合
には、農林大臣の許可が必要となります。
(2)応用;許可申請が不要の場合・・・(イ)国または都道府県が転用する
場合(ロ)土地収用法により収用または使用した農地を、その収用または使用に
係る目的に供する場合(ハ)自己所有の農地(2a未満)を農業用施設に供する
場合
(3)●「市街化区域内」の農地を転用する場合は、農業委員会に届け出れ
ばよい。
(4)ただし、農地・採草放牧地の耕作目的での権利の移動は、市街化区域
でも農地法3条の許可(農業委員会の許可、一定の場合には都道府県知事の許
可)を要する。許可を得ないでした行為は、その効力を生ぜず、罰則規定(懲
役または、罰金)があります。
(5)農地法3条、5条で、許可を要する権利は、所有権、地上権、永小作
権、質権、使用貸借権、賃借権の6種類です。抵当権の設定に許可は不要です
が、競売するにしても、買受人に制限がでることになります。

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3.気分転換

相異なる実数 a、b、cがある。aa-k=b、bb-k=c、cc-k=aとすると、(a+b)(b+c)
(c+a)=1であることを証明せよ。
→(証明)「循環形」であることに留意する。
∴aa-bb=(a+b)(a-b)=b-c、同様に、bb-cc=(b+c)(b-c)=c-a、cc-aa=a-b、辺々
乗じて、(a+b) (b+c) (c+a) (a-b) (b-c) (c-a)=(b-c) (c-a) (a-b)、a≠b≠c
だから、両辺を(a-b) (b-c) (c-a)で割り算して、結論に至る。

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4.不動産評価の問題 (H19年第1回問5を参照してください)
(1)CFP問題として
 (仮定)対象不動産は、土地、建物です。(評価時点6月1日)
土地は、「旗のような形」をしており、前面道路の公示価格300千円、総面
積145平方m、前面道路に3m接していて、対象地の路地状部分は15平方m(
3m×5m)、有効宅地部分130平方mとから、成り立っています。
●対象地の評価時点における「土地」公示価格水準での価格
対象地「土地」の価格=公示価格×(時点修正)×(地域要因比較)×(個別
的要因比較)
=公示価格×((100+X)/100)×(100/(100+Y))×((100
+Z)/100)=277千円/平方m

(ア)公示価格 300千円
(イ)(時点修正X)・・・公示時点(その年の1月1日)から、評価時点(6月1
日)までの月数 5×月率0.2%=1.0%。時点修正を行う。
(ウ)(地域要因比較Y)・・・街路条件(道路幅員)▲2+交通接近条件(最
寄の駅への接近性)2+環境条件(住環境)▲5+行政的条件(用途地域等)±0
=▲5(%)
(エ)(個別的要因比較Z)
 (路地上部分の面積15平方m×路地上部分の減価率40% + 有効宅地
部分の面積130平方m×有効宅地部分の減価率10%) / 対象地の敷地
面積145平方m ≒13%(▲)
 以上より、
対象地「土地」の価格=300×((100+1)/100)×(100/(10
0−5))×((100−13)/100)=277千円/平方m

●        〃       「建物」  〃
築後9年経過した建物(総床面積140平方m)。対象建物の構造・材質等を
検証した結果の再調達原価を200千円/平方mとする。
(算定式)
各部分の減価修正額=再調達原価(総額)×構成割合×(経過年数/耐用年数)
             主体部分         付帯部分
新築時の構成割合      80%         20%
耐用年数          25年         15年
新築時の再調達価額=200×140=28,000千円
各部分の減価修正額=28,000×80%×(9/25)+28,000×
20%×(9/15)=11,424千円
∴28,000−11,424=16,576千円

(2)相続税上の問題(土地、「財産評価問題」)として
計算上の奥行距離を基として評価する方法と、近似整形地を用いて評価する方
法の2つの方法のうち、有利選択をする。機会があれば、「例題」として取り
上げますが、読者各自、有名な問題ですので、検討してみてください。インタ
ーネットでも検索できると思います。

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5.税法上の変更点で気にかかるものの確認(応用;中小企業庁「中小企業税制
p.48」)
「小規模宅地等と自社株式の評価の特例」を併用活用の事例
(「自社株式(取引相場のない株式)に対する相続税の課税価格の10%軽減特
例」)
(仮定)自社株式10億円(発行済株式総額18億円)、特定事業用宅地240
平方m
(相続税評価額1億円)を相続する場合
他の要件は、充足しているものとする。

(1st)特定事業用宅地等の適用・・・400平方mのうち、240平方m
の適用→もともと面積では400平方まで適用可能→∴240平方mすべて可

減価される額;もともと80%減価だから、1億円×80%=0.8億円。
なお、この場合、1−{(400−240)/400}=2/5だけ余裕があり
ます。
(2nd) max発行済株式等18億円×(2/3)=12億円>max10億円 ∴1
0億円
10億円×(2/5)=4億円、10%軽減なため、4億円×10%=0.4
億円。
(3rd) 以上より、0.8+0.4=1.2億円(評価減)となります。「事業
承継」には、朗報です。

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≪おわりに≫
今日の内容は、いかがでしたか。
この分野は、あと1回は取り上げたいと考えています。
お疲れ様でした。

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日常生活の中での法務と税務
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000221584.html
野村和雄
税理士 行政書士 FP      
   :(事務所)〒986-0847 宮城県石巻市中浦2−1−106
   :TEL   0225-98-7768、FAX:0225-98-7769、
携帯電話 080-1853-5493
   :URL  http://homepage2.nifty.com/NOMURA-keieikonsaru/ 
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今後とも、よろしくお願いいたします。

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