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この物語の舞台はスキューバダイバー憧れの南の楽園、パラオ諸島。グアム島への観光客もまだまだ珍しかった昭和40年代後半、更に800kmも南のパラオでリゾートホテル建設の命を受けた新人企業戦士の新鮮な驚きに満ちた日々を綴る奮闘記です。

  • 周期 週刊
  • 最新号 2008/08/20
  • 発行部数 597
  • マガジンID 0000220626
  • 個別ページ
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2008/07/02

パラオ物語 Vol.078 「大物復帰 ! −その1−」

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 パラオ物語  vol.078

    「 大物復帰 ! −その1−」

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 ☆この物語の舞台はスキューバダイバー憧れの南の楽園、パラオ諸島。
 ☆グアム島への観光客もまだまだ珍しかった昭和40年代後半、
 ☆更に800kmも南のパラオでリゾートホテル建設の命を受けた
 ☆新人企業戦士の新鮮な驚きに満ちた日々を綴る奮闘記です。
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[[[前回のあらすじ]]]

環境保全地域の破壊の被害が少なく、その復旧も簡単だという報告をする予定
で東京に戻った山田に、課長の村山から出た指示は始末書の提出だった。
監督不行き届きということで村山と二人で始末書を、専務の宮島に差し出し、
この件は落着した。


「パラオ物語」のブログ
http://blog.livedoor.jp/palaustory/


主な登場人物

三 島:東京の西南部に線路網を持つ西南急行電鉄グループの社長。
    山田の勤務する西南不動産の社長も兼務し、現在は会長。
    財界の若手リーダーの一人で太平洋各地での開発に情熱を注ぎ
    ニックネームは「ミスター・パシフィック」。
    
山 田:物語の主人公、西南不動産の若手の海外事業要員。
    パラオでのホテル開発を担当している。

 関 :山田の1年後にグアムに赴任してきて、
    パラオの仕事を山田から引き継いぎ、
     本社に復帰してからホテルの企画設計を作り上げた。
    
嶋 田:本社で関の部下としてパラオを担当し、
    山田の復帰後には山田の部下となった。

杉 尾:三島の信任が厚く三島の後任として西南不動産の社長となる。
    ライオンのあだ名で部下に恐れられている。

宮 島:取締役開発本部長で海外事業も所管している。
    杉尾の忠実な参謀役。

村 山:開発本部管理課長。海外事業も担当するが英語は苦手。

長 崎:グアム時代の山田の上司で、今はジャカルタ駐在。

矢 部:西南建設の海外事業部次長。

吉 山:設計コンから派遣された工事監理チームのチーフの建築士

岡 田:吉山のアシスタントの建築士

吉 岡:工事監理チームの設備技士

権 藤:西南建設の2代目のパラオ工事事務所所長

安 西:英語の話せない権藤のための通訳。

富 田:西南建設パラオ工事事務所の事務係長。

温 井:西南不動産の子会社、青山造園の社長。
    青山造園はホテルの造園用の花の栽培をオイスカに外注している。

オイスカ:
    九州に本部を置く団体で、発展途上国の農業支援事業を展開中。
    パラオのバベルダオブ島の奥で農園を開き、
    パラオ青年に農業を指導している。

クロ・エジソン:
    パラオ財界のドン。
    最初西南グループのホテル開発計画の反対派だったが、
    山田達が交渉してパートナーとなった。
    ホテル用地を買収する会社、パラオ・ディベロップメント社(PD社)
    の社長。

イナゴ・カツミ:
    クロ氏の幼友達。本業はウィスキー製造とポルノ映画館主。
    フェミニストでしかも右翼的。来日の際には必ず靖国神社に参拝。
    クロ氏の紹介でパートナーとなりPD社の副社長となる。

イチロー・ウォン:
    パラオ政府の公共事業大臣。
    昔サイパンの太平洋信託統治領政府に勤務していた時代に
    調査に訪れた山田に会ったことがある

キシダ・ノボル:
    コロールのヒロシマ・レストランのオーナーでダイブショップも経営。

ヒロミ:ノボルの妻でヒロシマ・レストランを切り盛りする日本女性。

PRD社:パラオ・リゾート・ディヴェロップメント社の略称で、
    パラオでホテルを建設・所有する会社

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「パラオ物語」のブログ
http://blog.livedoor.jp/palaustory/
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[[[ 大物復帰 ! −その1− ]]]


環境保全区域破壊事件も決着し、工事が順調に進むようになったある日、
山田は課長の村山から気になる情報を聞いた。

現在、管理課長の村山が兼務の海外事業課に専任の課長が来るらしいのだが、
それが誰だか村山は教えてくれない。
山田としては工事が佳境に入った今、何も知らない人に来て欲しくない。
一方、専任の課長を戴くことは、海外事業課が社内で一人前の組織として
認められるような気がして嬉しい気持ちもある。

一週間後、内示があり、村山が名前を明らかにした。
何と、山田のグアム時代の上司でインドネシアに駐在している長崎だという。
山田にとってはこれ以上望みようの無い人物だ。

長崎は6年間のグアム駐在に続き、インドネシアのバンドンに転勤し、
その後ジャカルタに移り、インドネシア駐在も6年になっていた。
西南不動産の海外事業のパイオニアで、第一人者でもある長崎の
海外事業課長就任は、考えてみれば当然のことだ。
山田は心の底から喜びが湧いてくるのを強く感じた。

それから1ヵ月後、長崎がジャカルタから戻ってきた。

「よう、山田君、又一緒になったな。
 パラオのことは、じっくり教えてくれよな。
 ところでクロさんやイナゴさんは元気か?」

「お待ちしておりました。
 ご一緒に働けることになって嬉しいです。
 クロさん達も長崎課長の復帰を大層喜んでおられます。
 早くお会いしたいと言っていました。」

「そうだな。挨拶回りが済んだらパラオに行きたいので、
 スケジュールを組んでくれ。
 10日もあれば、片付くだろうから、
 再来週以降なら何時でもいいよ。」

「判りました。直ぐスケジュールをたてます。」

「挨拶の合間にパラオのことをレクチャーしてくれよ。
 工事は順調なのか。」

「いろいろ事件はありましたが、今は順調に進んでいます。
 建物全棟の骨組みが立ち上がり、
 客室棟の一部では2階の屋根組みが始まりました。」

「そうか。俺は、現場がジャングルだった時代しか知らないから、
 想像もつかないな。早く見たいもんだ。
 それとグアムにも2−3日滞在したいんで、
 その積りで予定を組んでくれ。」

「そうですね。
 グアムでも昔からのお知り合いが課長の来島をお待ちですよ。」

山田は長崎の社外の挨拶回りに付いて行って驚いた。
グアム時代の長崎ではお付き合いの無かった大手銀行や商社・メーカー
などの役員と随分親しくなっていたのだ。
物怖じしない性格で、どんどん家族を含めたお付き合いの輪をジャカルタで
広げていたようで、どこの会社に行っても歓迎された。
西南不動産の本社が渋谷にある所為か、大手町や丸の内の企業とは
役員クラスでも余り付き合いが無いのだが、
課長クラスの長崎が、自分よりずっと格上の人達と同等の交際をしていること
を自分の目で見て、山田は自分のことのように嬉しくなった。

ある銀行役員への挨拶の帰り、少し時間が余ったので、
長崎と山田は喫茶店に入った。

「山田君、さっきの銀行の方だけど、あの顔に見覚えが無いかね。」

長崎の質問に、山田は見覚えが無いと答えた。

「有名なバンドのメンバーの一人が彼の息子さんだよ。
 君も知っている筈だけど、、。」

 と言って、長崎は超有名なバンド名を挙げた。

「えっ、あのバンドですか。勿論知っています。
 それが判っていたら、あの方に息子さんのサインを貰いたかったですね。
 長男が大好きなバンドなんです。」

「そうかね。じゃあ、今度お願いしてやるよ。
 ところでパラオのデザインだけど、どうして西南設計コンサルタント案を
 破棄してハワイの設計事務所に任せたんだ。」

「はい。設計コンの作ったエレベーター付5階建てのプランを見たとき、
 直感的に、私の知っているパラオに合わないと思ったんです。
 他にもいくつか理由はありますが、それが一番の理由です。
 但し、表立っての理由としては、三島会長の唱えられた
 『シャン・グリ・ラ計画』の中にある自然との共生や心の安らぎを
 表現できることを挙げました。」

「そうか。それは大正解だったな。
 パラオは、会長にとって思い入れのある島だし、
 シャン・グリ・ラ計画の構想を練ったときには、
 パラオことも頭の中にあったと聞いているよ。
 『椰子の木より低い建物』という考えをお持ちなんだよ。」

「はい、そのことはハワイの設計会社案が決まった後で聞きました。
 今では、『椰子の木より低い建物』という考えが前提だったと、
 いうことになっています。」

「僕はパラオのホテル・プロジェクトは西南不動産のプロジェクトだとは
 思っていないよ。これは三島会長のプロジェクトなんだ。
 あの土地をわが社が買収することになった経緯を君も覚えているだろう。
 組織的には杉尾社長の決済を受けるが、その後ろには会長がおられることを
 一時なりとも忘れちゃいけないよ。」

「確かに仰るとおりですね。
 今から思い返すと、グアムで初めてお会いした時の
 会長のお言葉に無意識に従っていたような気がします。
 南洋の島のスタイルがお気に入りでしたよね。」
 
「そうだよ。ジャカルタに来ても、マンゴスチンよりドリアンを食べて
 大喜びするような方なんだ。
 パラオにもぜひ足を運んでもらうようにしようじゃないか。」

長崎の言葉で、三島会長とパラオの関係がずっと近づいたような気がして、
山田は体に力が湧いてきた。


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[[[編集後記]]]

1ヶ月ほど前、ゴーヤの苗2株を買い、ベランダのプランターに植えました。
今ではベランダの花台上のプランターから上階のベランダ下まで蔓が伸び、
結構な日除けとなり、小さな実もつけています。
成長する姿を見ることは嬉しいので、今年は水遣りの回数が増えました。
成果も楽しみです。


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