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2007/12/31

[介護現場の歩き方 第14号]

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       介護現場の歩き方 第14号


----------------------------------------------------2007/12/31--------


   「介護福祉士改正法案の問題点」


 皆さん、こんにちわ。
 大変ご無沙汰しております。

 今年は、介護の現場を揺るがすような
 ニュースの多い一年でした。浦安の介護施設虐待事件、
 コムスンの不正問題、特養ホーム「くすのきの郷」の
 職員偽装問題など。

 また、社会福祉士・介護福祉士改正法案も成立しました。
 ご存知かもしれませんが、この法律にはいくつかの
 問題があります。

 私は、大きく2つの問題があると考えています。
 1つは、「准介護福祉士」の創設。もう一つは、
 実務経験ルートに600時間の養成課程を導入することです。

 日本政府がフィリピンとの経済連携協定を結び、
 介護士受入れを決めました。介護福祉士法では、
 この条約との齟齬を来たさないために、「准介護福祉士」が
 新たな資格として創設されます。

 まず、介護福祉士資格を取得するには、
 これまで専門学校などの養成施設を卒業すれば、
 国家試験は免除されていました。

 しかし、法施行後はすべての者が国家試験を合格しないと
 介護福祉士にはなれません。

 ただし、その試験に落ちたとしても、フィリピン人介護士や
 養成施設の卒業生には「准介護福祉士」の資格が与えられます。

 つまり、准看護師のように、そのためのカリキュラムを
 勉強し、准看護師試験に合格するというものではなく、
 介護福祉士になるための試験に落ちたから、資格を与えます
 という、何とも情けない資格なのです。

 こんな資格をもらってうれしいものでしょうか?

 次に、実務経験ルートに関する問題について。

 養成施設から介護福祉士になるルートよりも、
 介護福祉士資格を取得する人が圧倒的に多いのが、
 実務経験ルートです。

 これまで3年の実務経験を経て、
 国家試験に合格すれば、資格を取得することができました。
 しかし、今後は600時間の養成課程を受講しなければ、
 国家試験すら受験できなくなります。

 これまでも国家試験を合格するために、
 介護職員それぞれが独自にテキストなどを購入して、
 勉強してきたわけです。国家試験でそれを担保するのですから、
 新たに600時間の受講を義務づける厚労省の意図が
 よくわかりません。

 教育関係者からも
 「600時間も一体何を教えるの?」という声も聞かれます。

 また、最も深刻なのが、
 600時間受講するための費用負担の問題です。

 受講するために30万円から50万円が必要と言われています。
 「これだけ負担しなければスキルアップできないのであれば、
  スーパーのレジ打ちでもやっていたほうがまし」
 と介護職員になるのをやめる、あるいは転職する方が
 出てきてもおかしくありません。

 官製ワーキングプアと言われるくらい、職員の待遇が悪い
 業界ですから、受講できるのは、ボランティアで介護に
 取り組んでいるような、家庭環境の恵まれた人しか
 受講できないのではないかとも言われています。

 実は、この法律は介護福祉士養成施設を救済する法律とも
 言われています。定員割れや閉鎖する養成校が出ている状況を
 なんとか救済するために出てきた法律なのです。

 介護職員がこれだけ足りないと言われる中で、
 さらに現場を苦境に陥れるような制度を打ち出す
 厚労省のアホさには本当にうんざりします。

 とにかく、崩壊しかかっている介護の現場を
 これ以上悪化させないでほしいと願うばかりです。

 来年は少しでも明るいニュースが流れるよう期待して、
 メルマガを終わります。皆さん、よいお年を!

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