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身近にぶつかった問題点を、行政改革の視点から川崎市政へ課題提起している経験を生かし、ひとりでも地方自治体行政に参加できる方法論を提示します。更に、これを基盤に広く自治体の探検を志し、課題を共有する方々との交流による進化を目指します。

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2009/07/23

探検!地方自治体へ 第95号 09/7/23「スイミーモデル」再論~住民自治へ向けて~

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探検!地方自治体へ~川崎市政を中心に~   第95号 09/7/23

★「スイミーモデル」再論~住民自治へ向けて~★
1.要約
2.「スイミーモデル」
3.前提は「住民自治」
4.寸評「首長連合」
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1.要約

 以前に構想した「スイミーモデル ~地方主導権による政治改革~」を現状
の政治状況の中で改めて考えた。これは、改革の事例を地方から国への突きつ
け、逆に国家機構の改革を迫ることである。

 知事会も含めて「首長連合」は高級な圧力団体が少し政治団体化している。
しかし、以前の改革論議と比べて「住民自治」に対する理解が深まっていると
は言えない。

 「首長連合」の東国原宮崎県知事、中田横浜市長、橋下大阪府知事は共に
自らの権限を更に基礎自治体へ移譲するとの考え方はもっておらず権力主義
的側面をもつ。「住民自治」に対する見識も明らかでない。

2.「スイミーモデル」

 「スイミーモデル ~地方主導権による政治改革~」08/1/19
 http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/pfr_2_1.html
 昨年の1月に書いて1年半たった。
 『スイミー』はご存じの絵本、レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳(好学社)
、小さな魚たちが集まり、大きな魚に見せかけて、大きな魚を追い払う話で
ある。
 http://allabout.co.jp/children/ikujinow/closeup/CU20040511A/

 その少し前に地方自治体改革の全体像を考える意味で「川崎市行財政改革
を視る眼 第32号(07/10/23)」を書き、その中で『地域主導権』という言葉
を使った。なお、上記「視る眼」は以下参照。
 http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/pfr_1-1.html

 その趣旨は「今後の自治体の国に対する戦略として、アジャイルな活動に
より逆に国の改革を迫る『地域主導権』を確立する。」である。

 「そこで考えるべきことは地方分権というよりも『地方主導権』である。
 改革の事例を地方から国への突きつけ、逆に国家機構の改革を迫ることで
ある。国は一つであるが、地方自治体は無数にあり、小回りがきいてアジャ
イルな活動ができるからである。これが『地方主導権』となって国全体を動
かすことに繋げていけるのか。それが市民との連携からみた国への戦略であ
る。」
 「せんたく」の結成は“地方主導権”と一致した考え方であり、そこから
「新党・自治体」まであと一歩と考えた。更に“分権と統合”のジレンマに
立ち向かうことが必要である。

3.前提は住民自治

 「スイミーモデル」を読み返してみると、「住民自治」に関する考察が不
足していたと感じる。おそらく、そのとき憲法93条の「地方自治の本旨」
である団体自治と住民自治に対する分解能がそれほど大きくなかったと考え
られる。
 別な意味では、当時の改革派である北川前三重県知事や片山全鳥取県知事
は住民自治に関する理解は深く、改革派すなわち、住民自治推進派と考えて
いたことにもよる。

 筆者が考える地方自治体の改革派とは、比較的小さな自治体で住民自治に
まで至る改革を推進した首長、例えば、西寺前多治見市長、逢坂前ニセコ町
長(現衆院議員)、穂坂前志木市長、福島前我孫子市長、あるいは住民参加
の議会改革を行っている北海道栗山町の橋場議長である。
 
 では、今の首長連合はどうであろうか。これは筆者が考えていることと同
じであろうか。いや、大いに違うのである。
  あるいは似て非なるものかもしれない。

 「首長連合」という言葉が地方分権とどのように関係するのか必ずしも明
確ではないからである。「風が吹けば桶屋が儲かる」程度の理屈はあるだろ
うが、解散の流れに便乗した政治活動としか考えられないのである。いや、
政治活動である以上はその流れに敏感に反応しているというのかもしれない。
 
 しかし、それが自民対民主の国家政策対立のなかで、地方分権という政治
課題を取引材料にしているだけであるとしか映らない構造になっている。そ
の最大の要因は哲学がないことによる。哲学とは私見によれば“住民自治”
に対する哲学である。単に霞ヶ関と地方自治体役所の団体自治での権限争い
だけではなく、“住民自治”に対する洞察を必要としている。

 現状は知事会も含めて「首長連合」も高級な圧力団体が及び腰ながら少し
政治団体化し、言葉は少し強くなっているだけである。
 
4.寸評「首長連合」

 「首長連合」の中心は東国原宮崎県知事、中田横浜市長、橋下大阪府知事
であるらしい。それにしても三氏から“住民自治”という言葉は出てこない。
要するに国との権限争いというコップのなかの嵐に過ぎないようである。
 
 今時、自民党総裁になりたいという東国原氏は単なるオポティニストとい
う以外になんと言えば良いのだろうか。存外、簡単にこれまでの虚像から実
像を顕したというべきであろう。マスメディアに乗り、それを梃子に権力に
近づいていく図式である。いつでも知事を放り出して良いと考えているよう
であるから特に政策にこだわりはなく、上方の権力ばかりに目が向いている。
 「住民自治」どころではないのであろう。

 橋下大阪府知事は学力テスト問題の対応がその本質を明らかにしている。
 市町村別結果の公開問題において、「公開、非公開で財政支援に差をつけ
る」とあからさまな脅しをしている。これは地方分権に真っ向から反する行
為である。
 
 地方分権は国から都道府県に権限を委譲することが最終的目標ではない。
基礎自治体に権限を渡すことである。そこで、基礎自治体は住民自治を踏ま
えた政府として活動することである。現状でも国と都道府県が対等との主張
であれば、同じように、都道府県と市町村に対しても対等のはずである。
 国からの権限を基礎自治体に渡さず、独り占めをしようとする権力主義的
な思想が垣間見られる。
 「住民自治」どころではないのであろう。
 
  中田横浜市長に至っては「よい国」などと言い出している。中田氏、山
田杉並区長を中心とした「日本よい国構想研究会」が新党を結成するとの報
道がでてきた(7月17日22時17分配信 産経新聞)。

 恥ずかしげもなく付けたものだと苦笑せざるを得ない名前である。ここで
直ぐに思い浮かんだのは「美しい国」というすでにマスメディアでは忘れ去
られている言葉である。そう、安部元首相の言葉である。
 このような言葉が地方分権とどのように関係するのか皆目見当がつかない。
地方分権という政治課題に便乗した政治活動としか考えられない。「平成の
世直し運動」を進めるのであれば、正面から主張すべきことである。
 但し、「美しい国」「よい国」などの言葉を政治家が口にしたときは、マ
ユにツバを付けてみるという庶民的な英知を思い起こしながらである。
 
 中田氏は人口360万の横浜市に関し、そのまま更に権限を強化し大都市
州とする構想を発表している。このなかで、区を独立した基礎自治体にせず、
効率第一を目指すという。恐るべき野望というべきか。
 「住民自治」どころではないのであろう。

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編集発行人 吉井俊夫
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