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身近にぶつかった問題点を、行政改革の視点から川崎市政へ課題提起している経験を生かし、ひとりでも地方自治体行政に参加できる方法論を提示します。更に、これを基盤に広く自治体の探検を志し、課題を共有する方々との交流による進化を目指します。

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2009/07/06

探検!地方自治体へ 第93号 09/07/03 川崎市議会で誠実さ欠く阿部市長

まぐまぐのシステム変更により送付が遅れたことをお詫びします。
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探検!地方自治体へ~川崎市政を中心に~      第93号 09/07/03

★川崎市議会で誠実さ欠く阿部市長~“横ヤリ発言”“質問無視”~★

1.要約
2.猪股議員の質問「生活密着サービス」
3.雨笠議員の質問「地下鉄建設計画」
4.反問権?討論権!~討論によるガチンコ勝負~
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1.要約

 また、やった!阿部市長のルール無視の“横ヤリ発言”である。
 3月定例会の一般質問で猪股議員(無所属)が発言中にもかかわらず、市長
は議長の指名もなく勝手に猪股議員に言い返した。
 
 続いて6月定例会の一般質問、雨笠議員(民主党)が、質問に用いた市民ア
ンケート資料を市長へ提供していたにも係わらず、質問に対して答弁ができず、
更にその資料は「チョット見ただけ」とぶっきらぼうに答えた。“質問無視”
である。結局、雨笠議員は質問を途中で保留し、翌日に再質問という『異例の
姿』になった。
 
 自らの施策に自信を持つことは大切であるが、それが過信となり、批判者の
声を無視するばかりではなく、排除しようとするところまで気持が閉ざされて
しまったかのようである。
 共に“触れてもらいたくない部分”に質問が及んだとき、閉ざされた気持が
爆発してしまったのか…これが2期目の市長の赤裸々な心理と読むべきであろ
うか。
 
2.猪股議員の質問「生活密着サービス」

 議員の発言の最中に思わずそれを否定する発言を差し挟んだのはこれで二度
目である。始めは一昨年12月定例会の一般質問。清水議員の質問に対してであ
る。本メルマガでも少し報告している。

 第57号 08/07/03「川崎市長の心理と論理」
 http://archive.mag2.com/0000219072/20080703070000000.html

  議場にいる100名程度の高給取りの方は眠気を覚まされたかもしれない。
しかし、二度目のことに対して“またか”と思ったであろう。次に起これば
“しらける”ことは間違いない。
 
 市長は権力を行使する立場である。しかし、いつどこでも権力を行使できる
わけではない。権力者ほど場をわきまえて発言しなければならないことは、常
に気をつけるべきことである。普段は判りにくく、気が付きにくいことだが
「思わず、我を忘れてしまった」。こういう場面で本質がさらけ出されるもの
である。

 予算特別委員会でのこと。但し、常任委員会と違って本会議の一般質問形式
で行われている。猪股議員の質問内容は統計局の最新データをもとにして更新
した「政令指定市の生活密着サービス比較」である。更新とは1年ほど前に作
成し、これも議会で議論しているからである。

 15の政令都市と東京区部を合わせて比較する。
 先ず、人口密度は東京、大阪に次いで3番目に過密の都市。
 施設については人数/施設数でノルマライズしている。
 この場合、
 最下位    幼稚園、保育園、中学校、高等学校、郵便局
 下から2番目 放置自転車、病院
 下から3番目 小学校、公園、看護師

 武蔵小杉駅近傍に代表されるような超高層マンション或いは大規模マンショ
ンによる人口増加が目立ち、逆に簡単には増やせない学校、幼稚園、保育園は
しわ寄せを受けている。例えば、学校の対応はプレハブ校舎建設等であり、校
庭をつぶすことで凌ぐという対策になっていく。

 このデータをベースに保育園及び学校について質問している。これに対して
こども本部長の答弁は通常の通りであったが、教育長の答弁が質問と関係ない
部分にまで及び、時間稼ぎの“嫌がらせ”になっていた。川崎市議会の一般質
問は答弁も含めて30分以内になっているからである。このあたりから怪しげ
な雲行きになっている。そこでいよいよ市長への質問になる。

猪股美恵議員(無所属)
 ……今、言わなかったけれども、小杉のところの再開発に伴って、下沼部小
学校では13クラスが足らなくなってくるのを、学校をふやさないで場所を何と
かやって敷地の中でみたいな、高津でもそうなんです。久地小学校で8クラス
ぐらい足らなくなると言われていても、あんな狭いところでプレハブだ何だで
余分につくらずにやるよといって、結局はそれが子どもたちへのしわ寄せにな
るんじゃないかと思っていますけれども、……

阿部孝夫市長
 ……なお、猪股委員の市政についての評価の仕方は誤っておりますので指摘
をさせていただきます。まず、施設数を分母にして対象者数を分子にして計算
しているわけでございますけれども、分子、つまり人口が大幅に減少している
ような過疎地域が優位に立つような評価でありますので、これは間違っていま
すので、ぜひ訂正していただきたいと思います。……

猪股議員
 ……ただ、本当にこのまま行きますと人口はどんどんどんどんふえているの
に学校数はふやさないんですよ。そうすると、今最下位だと言っていても断ト
ツ最下位になるという見方だってあるわけですよ。だから私は、決してこれの
とらえ方というのは比較の問題として間違っていないと思って申し上げておき
たいと(市長「間違っている」と呼ぶ)間違っていません。
(市長「過疎地域でいいんですか」と呼ぶ)何がですか。
(市長「過疎地域でいいんですか」と呼ぶ)何がですか。

浅野委員長
 市長……。

猪股議員
 いいじゃないですか。何で悪いんですか。これだけ人口がふえていて学校数
をふやさなければ、どこに負担が行くんですか。プレハブをつくったり多目的
ホールをつぶしたり、そんなことになってくるわけでしょう。そのことの事実
がこの比較の中で出てくるんですよ。……
……

浅野委員長
 なお、発言は挙手をもって願いますように改めてお願いしたいと思います。

3.雨笠議員の質問「地下鉄建設計画」 

 これも異例である。民主・雨笠議員の質問に阿部市長が答えられず…翌日再
質問になった!なお、これは6月29日の質問であるため、ネット録画を通じて
得た情報である。会議録は2.5ヶ月後になる。

 地下鉄建設問題に対して、雨笠議員が「民意のとらえ方」として独自のアン
ケートをもとに質問した。これは以下に示す3月予算特別委員会での質問の続
きである。

 去る2月2日に民主党が実施した地下鉄建設の市民アンケート(1期工事約
4,300億円を前提)の結果を報告しつつ、議論している。

アンケート結果 「賛成」14.5%、「反対」26.6%、「着工延期」44.8%
但し、「着工延期」には両方の意見が含まれている
1)一たん中止をして、改めて判断
2)状況がよくなり次第、建設する
従って、建設推進の根拠にはならない。

 このアンケート結果を素直に読めば、巨額で、かつ、赤字も懸念され、子ど
もたちにツケを残す可能性もある地下鉄建設は、「賛成」14.5%で市民の合意
を取れたとはとても言えないと解釈するのが妥当と考える。

 さて、この続きである6月29日の議会。
 追加アンケートを実施して資料も市長に提出したと雨笠議員が述べている。
そのうえでの議論であるが、我々市民にとって資料を見ることができず、内容
がよくわからない。残念である!資料を直ちにPDFにしてHPに公開すれば
録画であっても議論の内容を理解することができるのであるが、この当り前に
できることに議会局(議会事務局から昇格している!)は気が付いていない。

 それもさることながら、この質問でも全くの驚きのシチュエーションが出現
した。
 阿部市長が質問に答えられず、更に雨笠議員が提出した資料を市長は「今日
の議会開会前にチョットみただけ」であると答弁している!
 これは質問者に対して極めて不誠実な答え方である。当然、雨笠議員は残り
8分の持ち時間を留保して、翌日の最後に再質問することにした。
 まったく異例のことである。しかし、予想できるように、その翌日の再質問
でも阿部市長は噛み合った答弁をせず、官僚が作った書類の棒読みであった。

4.反問権?討論権!~討論によるガチンコ勝負~

 すでに、川崎市議会基本条例に関するパブリックコメントで表題のように述
べている。議会の議論で必要なことは、首長に「討論権」を付与することであ
る。
http://www.k4.dion.ne.jp/~kmk-head/02_07_13public-comment.html
 『意見書(仮称)川崎市議会基本条例素案について 第8章』
 
 一方、先に成立した『川崎市議会基本条例』では、質疑応答等について次の
ように記載している。
(会議における質疑応答等)
第11条
 議員は、市長等の提出した議案等及び市政の課題について会議等において質
疑し、又は質問することができる。この場合において、市長等は、誠実に答弁
するものとする。
第11条 2
 市長等は、議長又は委員長の許可を得て、会議等における議員の質疑又は質
問の趣旨を確認するため発言することができる。

 “趣旨を確認する”だけでは討論にはならない。先の猪股発言に対する阿部
市長の“横ヤリ発言”は質問の趣旨を良く理解したことから起きている。また、
雨笠議員の指摘も自らが理解しようとしなかったことから起きている。
であるならば、阿部市長に必要なものは反問権、質問権、討論権よりも先ず自
身が謙虚に、冷静に質問を受けとめることであることは明確である。
 第11条第1項に示される『誠実に答弁する』である。
 
 こう考えると、具体論が何もなく、理念条例と呼ばれる『川崎市議会基本条
例』も、成立したはな(端)から役立つのである。これまた明瞭に示している
とは皮肉というべきであろうか。
                               以上
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