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2009/06/03

探検!地方自治体へ 第90号 09/6/3 議会基本条例素案の「改訂案」~川崎市議会改革チャレンジ案(4)~

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探検!地方自治体へ〜川崎市政を中心に〜 第90号 09/6/3

★議会基本条例素案の「改訂案」〜川崎市議会改革チャレンジ案(4)〜★
1.要約
2.川崎市議会基本条例素案の「改訂案」
 前文
 第1章 総則
 第2章 議会及び議員
 第3章 議会と市長等との関係
 第4章 議会運営
 第5章 市民と議会
 第6章 議会の体制整備
 第7章 他の条例との関係等
3.終りに
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1.要約

 川崎市議会「議会のあり方検討プロジェクト」が4/21『川崎市議会基本条
例素案』を発表した。中間報告から約2ヶ月、相変わらずの“非公開審議”
であった。4/23-5/22までがパブリックコメントの期間であり、筆者も提出
した。これまで「議会改革チャレンジ案」として説明してきた内容である。

 第87号 09/5/03 市議会の中に準区議会を創設
 第88号 09/5/13 「情報の編集」と「住民との対話」
 第89号 09/5/23 議事機関の“姿”を求めて
 本号はパブコメの最後に添付した「素案」に対する「改訂案」である。

 「素案」の基本的発想は「議会が首長に対する権限を強化することを主眼」
としており、本来は議会改革が目指すべき、「住民と議会との関係強化を主
眼」とする内容に始めから書き直さなければならない。
 しかし、非公開の中で出来上がった「素案」を今、見せつけられてはいか
んともしがたく、ここは基本的な骨組みを変えず、文言の変更だけにせざる
を得ない。これまでのパブコメで住民の意見が採り上げられたのは、市側に
追従するものを除いて皆無に近いと思われるからである。

 キーワードである
「自由かっ達な討論」「論点、争点の明確化」「合意形成」「住民自治」
「説明責任」「意見聴取」「住民参加」
をできるだけ取り入れ、不要、冗長な表現は削除を提案している。
 以下、順序に改訂の趣旨を述べながら内容を示す。やや見えにくくなるが、
素案になく、改訂により挿入した部分は「 」、
素案にあり、改訂により削除した部分は( )、
で示してある。

2.川崎市議会基本条例素案の「改訂案」

前文
筆者コメント
 「住民自治、市民参加、討論の場」は前文で必須の要件である。
 「行財政」は議会への直接的衝撃ではなく、「地方分権―自治運営―住民自
治―参加」が大きな流れである
 「議会の権限を強化」は一方的表現で前文として不適切。
 冗長な表現を削除、文章を整理、簡潔にしている。

 日本国憲法の規定に基づく地方自治制度<の二元代表制>の下、市議会は、
<選挙により選ばれた市民の代表者である議員の活動により運営される>議
事機関であり、本市の意思決定機関としての役割を担っている。

 <行政需要が増大する今日、>本市では、地方分権時代における自律的な
自治運営を支えるため、「住民自治」<行財政能力>を更に強化することに
加え、大都市が抱える諸課題に対して、より的確に対応することが必要とな
ってきており、市の「論点、争点を明らかにする討論の場としての」<議事
機関である>議会の役割がますます重要となっている。

 こうした中、議員は、市民の負託に応えるとともに、「市民参加を含めた
」開かれた場での議論によって透明性を確保しつつ、本市の諸課題を解決す
るため、積極的に活動することが求められている。

  また、議会そして議員が期待される役割を果たしていくためには、従来の
考えや活動にとどまることなく、自ら議会改革を進めていくとともに、地方
公共団体の議会の「持てる」権限を <更に強化> 「十分に発揮」していく
こと、<そして議会の構成員である>議員の役割と身分上の位置付けの明確
化を図ることが必要となっている。

 市議会では、これまでの議会改革を更に進め、より一層市民に開かれた議
会を目指すため、地方分権時代にふさわしい議会の在り方としての基本理念
を明らかにし、市民の福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを決意し、
この条例を制定するものである。

第1章 総則
筆者コメント
 「二元代表制」を本文の第一に入れ条例文の全体を覆う。
 「担う役割」は表現を明瞭にする。

目的
○ この条例は、「二元代表制の下、」議会及び議員の「担う役割等」<在り
方等>に関する基本的事項を定め、市民に開かれた議会の実現を図ることによ
り、市民の福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを目的とする。
条例の尊重等
○ 議会に関する他の条例、規則等を制定し、又は改廃するときは、この条例
の趣旨を十分に尊重しなければならない。
○ 議会及び議員は、この条例の趣旨を十分に尊重して議会を運営しなければ
ならない。

第2章 議会及び議員
筆者コメント
 「審議及び審査により意思決定する」わけではない。
 「論点、争点明確化―合意形成―意思決定」がプロセスである。
 条例等の代表例は、市議会の「意思決定」が判るようにするために入れる。
 説明責任は「広聴」も含むはずである。

議会の役割及び活動原則
○ 議会は、議事機関として、次に掲げる役割を担うものとする。
・ 議案等の審議及び審査により、「論点、争点を明らかにするとともに、合
意形成に努め、条例の制定及び予算の決定等、」市の意思決定を行うこと。
・ 市長、公営企業管理者、消防長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員
会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会(以下「市長等」と
いう。)の事務の執行について、監視及び評価を行うこと。
・ 市政等の調査研究を通じて、政策立案及び政策提言を行うこと。
・ 意見書、決議等により、国等に意見表明を行うこと。
○ 議会は、前項各号に掲げる役割を果たすため、次に掲げる原則に基づき
活動するものとする。
・ 議会活動の公正性及び透明性を高めること。
・ 市政の課題並びに議案等の審議及び審査の内容について、市民への説明
責任を果たす「とともに、説明に対する市民の意見を聴くこと」。
・ 議会の役割を不断に追求し、自らの改革に継続的に取り組むこと。

筆者コメント
 「審議、審査等」だけでは不十分、「合意形成」への努力が必要。
 部分をみるとともに、「全体」もみるのが議員の役目である。
 説明責任は「広聴」も含むはずである
 「会派活動の原則は議会活動に従属」を明瞭にする。
 これまでと重なる冗長な表現を削除する。

議員の役割及び活動原則
○ 議員は、<市民の代表として選挙により選ばれた公職にある者として、
及び議事機関の構成員として、>次に掲げる役割を担うものとする。
・ 市議会の会議、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員
会」という。)及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第12項の
規定による議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場
(以下「会議等」という。)において議案等の審議、審査等を(行うこと)
「自由かっ達な討論を通して行うとともに、合意形成に努めること」。
・市の政策形成に必要な調査研究を行うとともに、政策立案及び政策提言を
行うこと。
・各区の実情等「を含め、市全体の状況の」把握に努め「るとともに」、多
様な市民の意見を「的確に判断し、」市政に反映させること。
○ 議員は、前項各号に掲げる役割を果たすため、次に掲げる原則に基づき
活動するものとする。
・ 市民の代表として、誠実かつ公正な職務の遂行に努め、自らの議会活動
について市民への説明責任を果たす「とともに、説明に対する市民の意見を
聴くこと」。
・ 市政全体を見据えた広い視点及び長期的展望を持って、的確な判断を行
うこと。
・ 自らの資質の向上を図るため、不断の研さんに努めること。

会派
○ 議員は、議会活動を円滑に実施するために、会派を結成することができる。
○ 会派は、議員の活動を支援するとともに、政策立案、政策提言のために
調査研究を行い、必要に応じて、「議会活動の原則にもとづき、」会派間の
調整に努めるものとする。

第3章 議会と市長等との関係
筆者コメント
 これまでと重なる冗長な表現を削除する。
市長等との関係の基本原則
○ 議会は、<二元代表制の下、議事機関としての立場及び機能を生かし、>
市長等との緊張関係を構築しながら、議事機関としての役割を果たしていく
ものとする。

議会への説明等
○ 予算編成方針を定め、若しくは予算を調製したとき、又は市政に係る基本
計画等の重要な政策若しくは施策について、基本方針、素案その他これらに
類するものを作成し、若しくは変更したときは、市長等は、議会にそれらの
内容を説明するよう努めるものとする。
○ 市長は、予算を議会に提出し、又は決算を議会の認定に付するに当たって
は、施策別又は事業別の説明資料を作成するよう努めるものとする。
○ 市長等は、予算の調整又は市政に係る重要な施策の作成若しくは変更に
当たっては、関連する条例の制定目的又は関連する決議に含まれる市議会の
政策提言の趣旨を尊重するものとする。
議決事件
○ 地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件は、次の
とおりとする。
・ 地方自治法第2条第4項に規定する基本構想に基づく基本計画
・ 市政の各分野における政策及び施策の基本的な方向性を定める長期にわ
たる計画又は指針(行政内部の管理に係る計画又は指針を除く。)
・ 姉妹都市若しくは友好都市、又はこれらに類するものとの覚書等の締結

第4章 議会運営
筆者コメント 無し

会議等の運営
○ 議会は、議会活動の公正性及び透明性を確保するとともに、会議等の
設置目的を達成するため、議員相互間の活発な討議に努めるとともに、円滑
かつ効率的な運営を推進するものとする。
委員会の活動
○ 委員会は、議案等の審査及びその所管に属する事務の調査の充実を図り、
その機能を十分に発揮しなければならない。
○ 委員会は、市政の課題に適切かつ迅速に対応するため、調査研究を行うと
ともに、政策立案及び政策提言を行うものとする。
○ 議員は、市長等の提出した議案等及び市政の課題について会議等において
質疑又は質問することができる。この場合において、市長等は、誠実に答弁
するものとする。
○ 市長等は、議長又は委員長の許可を得て、会議等における議員の質疑又は
質問の趣旨を確認するため発言をすることができる。
○ 会議等における議員と市長等の質疑応答は、論点及び争点を明らかにして
行い、議員は、一問一答方式等の効果的な方法を選択することができる。
○ 委員会は、議案等の審査及びその所管に属する事務の調査に当たり、市長
等に資料の提出を請求することができる。この場合において、市長等は誠実
に対応するものとする。

第5章 市民と議会
筆者コメント
 すべてが必須事項であり、努力目標ではない。

市民との関係
○ 議会は、市民の多様な意見を把握し、議会活動に反映すること及び市民の
議会活動に参加する機会「を設置する」<の確保に努める>ものとする。
○ 議会は、市民の意見及び知見を審査等に反映させるため、参考人及び公聴
会の制度「を積極的に活用する」<に努める>ものとする。
広報の充実
○ 議会は、多様な広報手段を活用することにより、議会活動に関する情報の
積極的な公開及び発信に努め「、説明責任を果たす」とともに、議会の広報
の内容、在り方について不断に検証するものとする。
会議等の公開
○ 議会は、会議等を原則として公開し、会議等で使用した資料を積極的に
公開するとともに、市民が傍聴しやすい環境整備に努めるものとする。

第6章 議会の体制整備
筆者コメント
 監視及び評価が自己目的ではなく、意思決定が第一優先事項である。

議会の機能の強化
○ 議会は、「意思決定後の」市長等の事務の執行の監視及び評価並びに
「意思決定、」政策立案及び政策提言に関する議会の機能を強化するもの
とする。
○ 議会は、地方自治法第100条の2に規定する学識経験者等による専門
的事項に関する調査を積極的に活用するものとする。
調査機関の設置
○ 議会は、議会活動に関し、専門的事項に関する調査が必要であると認め
るときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置す
ることができる。
議会局
○ 議会は、議会の政策立案能力を向上させることにより、議会機能の充実
を図るため、議会活動を補佐する議会局の機能強化に努めるものとする。
議会図書室
○ 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実強化に努める
ものとする。

第7章 他の条例との関係等
筆者コメント
 議会内だけではなく幅広く意見を聴取すべき事項である。

他の条例との関係
○ 議員定数、定例会の回数、委員会、政務調査費、議員報酬及び費用弁償
並びに資産等の公開に関しては、別に条例で定めるものとする。
○ 前項の条例について、これを制定し、又は改廃するときは、この条例の
趣旨を踏まえ、議員又は委員会がこれを提出すると「ともに、制定し、又
は改廃する案の策定に当たっては、市民等の意見を聴取するため、公聴会
制度及び参考人制度を十分活用するものとする」。
条例の見直し
○ 議会は、社会情勢の変化、市民の意見等を踏まえ、必要に応じてこの
条例の見直しを行う。

3.終りに

 これまでのメルマガには書かなかったが、パブリックコメントの「基本
的な考え方」の最後に次のように書いた。

 『我々住民にとっての現時点での課題は、提案されている条例の「真贋」
を測るメルクマールをもち、「真」であれば良し、もし、「贋」であれば、
あるいは「贋」と疑われる部分を少しでも含むものであれば、それを「真」
へ変換するような“提案”をおこなう厳しい態度をとることである。』

 これまで示したことは、キーワードを入れることによって「贋」を「真」
へ変換するような“提案”である。しかし、「仏」に「魂」を入れるのは
これからである。それは具体的な議会改革を試みることである。その案を
パブリックコメントに入れてある。

 パブリックコメントは次のURLを参照して頂きたい。
http://www.k4.dion.ne.jp/~kmk-head/02_07_13public-comment.html

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編集発行人 吉井俊夫
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