探検!地方自治体へ~川崎市政を中心に~  RSSを登録する

身近にぶつかった問題点を、行政改革の視点から川崎市政へ課題提起している経験を生かし、ひとりでも地方自治体行政に参加できる方法論を提示します。更に、これを基盤に広く自治体の探検を志し、課題を共有する方々との交流による進化を目指します。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/05/13

探検!地方自治体へ 第88号 09/05/13

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
探検!地方自治体へ〜川崎市政を中心に〜 第88号 09/05/13

★「情報の編集」と「住民との対話」〜川崎市議会改革チャレンジ案(2)〜★
1.要約
2.「議会白書」の作成 〜編集の意味〜
3.「議会報告会」の開催 〜対話の意味〜
4.政策への反映
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.要約

  議会改革の流れの中で求められていることは「機関としての議会」である。単なる
議員個人の集合体ではない。そこで「情報開示」においても議会としての情報とは何
か?内容と方法を新たに工夫しなければならない。

 現在、川崎市議会の情報開示は様々におこなわれている。しかし、開示方法が
(1)時系列、(2)議員個人中心による、の二通りだけである。
 そこで、政策中心に編集した「議会白書」を各議会終了後に作成し、開示すること
を提案する。

 住民を対象とした「議会報告会」を各区、複数の場で、少なくとも年1回開催する。
その際、「議会白書」をベースに議員が報告し、その内容について市民と討論を行う。

「市民への報告」をモチーフにして情報を編集し、読まれ易くする。更に、討論の結
果も編集し、情報として循環する。議会から行政へも報告することによって執行の立
場から更に検討され、情報が編集される。そのやりとりを経て一つの新しい施策が誕
生する!

 以上に述べたプロセスを“情報の編集・循環による政策の形成”と捉えることがで
きる。

2.「議会白書」の作成 〜編集の意味〜

 会議録の内容を政策ごとに分類し、政策中心に編集した個別の「報告書」を体系化、
更に、議員の政策研究、行政計画、統計資料等を加えることにより、「議会白書」と
して充実させる。各議会終了後に作成し、開示する。

 「議会白書」の内容の例
 1)議案を政策項目ごとに整理し、各会派の賛否、その理由、審議過程での議員間
   討論、論点・意見・課題等とその処理 等
 2)質問を政策項目ごとに整理し、更に細かい内容ごとに論点と行政側の回答を整
   理、要望、提案等とその処理 等
 3)各定例会を中心にまとめ、最終的に年度ごとに編纂する。後述する議会報告会
   における資料とする等、活用する

 以下、「議会白書」が有効である理由を示す。

 これまでに施策により、情報開示は着実に進んでいる。例えば、筆者がH19/9に要望
書を提出した「委員会記録のHPでの公開」はH20/6から実施されている。ここまでく
れば、議会及び委員会において使用する資料は原則として傍聴者へ貸与し、かつ、会
議終了後、速やかにHPへ公開することを実施して頂きたい。議会事務局のやらない
ことに対する言い訳は、「資料には分厚いものもある」。なるほど、概要を作れば良
いのである。
 その他にも、議会HP、ネット中継、ネット録画、会議録、議会だより、会議傍聴、
議員報告会、議員パンフ、議員HP等の手段で公開されている。

 一方、視点を変えてこれまでに開示されている情報の開示方法を整理すると重要な
課題があることが判る。開示方法が(1)時系列による、あるいは(2)議員個人中心によ
る、の二通りだけである。

 政策中心に審議内容、質問―応答内容が編集されておらず、最大の関心事である各
政策についての進捗、課題、今後の方向についてまとめられていない。
 従って、行政の資料と合わせての検討にも非常に手間がかかることである。例えば、
議会HP、ネット中継、ネット録画、会議録、議会だより、会議傍聴は時系列による
情報開示である。僅かに、会議録において「キーワード検索」が可能でこれが政策ご
との開示に近い。しかし、「キーワード」だけでは政策をカバーできるわけではなく、
また、「キーワード検索」後は時系列表示になり、情報を編集していることにはなら
ない。

 議員による議員報告会、議員パンフ、議員HP等は議員個人の情報を主体としてお
り、政策情報全体をカバーできないし、住民がすべての議員から情報を得ることもで
きない。
 内容を政策ごとに分類し、政策中心に編集した個別の「報告書」を体系化、更に、
議員の政策研究、行政計画、統計資料等を加えることにより、「議会白書」を各議会
終了後に作成し、開示する。

 政策体系による情報の編集とその活用により、議会から住民への情報の循環が進み
、単なる情報開示だけでなく、政策情報の共有化が進み、その情報が活用され、住民
による政策提案等へ結びつくことが可能になる。もちろん、議員にとっても有用な
情報になることは論を待たない。

 議会白書を作成した例として北海道福島町議会があげられる。議員が自己評価を行
っていることでも知られている。人口約5千人、議員12名という小所帯であるが、や
ることはデッカイ!図体はデカイが、ウドの大木のような川崎市議会も見習って欲し
い!
   http://www.gikai-fukushima-hokkaido.jp/

3.「議会報告会」の開催 〜対話の意味〜

 住民を対象とした「議会報告会」を各区、複数の場で、少なくとも年1回開催する。
また、住民あるいはNPO等の市民団体を対象とした「政策検討会」を必要に応じて
随時開催する。上記「議会報告会」あるいは「政策検討会」は、各区委員会によって
主催することができる。

 以下、「議会報告会」が有効である理由を示す。
 北海道栗山町を嚆矢とした議会基本条例に流れる一貫した施策は自由討論である。
議員間の討論を中心とするが、それに止まらず、市長及び職員との討論にも発展する
。更に、住民への施策説明等においては住民からの討論も出てくることは当然である
。従って、大切なことは住民との直接的な対話によって互いの意思疎通を図ることで
ある。
 「議会報告会」及び「政策検討会」は、そのための方策であり、この対話を積み重
ねることによって相互の信頼性を高めると共に政策に関する討論をレベルの高いもの
とする。
 『栗山町においての試みで初めは行政に対する要望、陳情が多かった。それが、住
民自身が行政と議会との違いを知るようになり、4年目にして地域経営という考えで
発言するようになってきたという』
(「日経グローカルNo.122P.38-39 中尾修元栗山町議会事務局長(現東京財団))

 川崎市のような大都市で開催可能か?中尾修氏は以下のように発言している。
(『市民と議員の条例づくり交流会議2009プレ企画』でのシンポジウム)
 「議会報告会を開催するうえで、先ず必要なものは、議会が不特定多数の市民と対
話を行う決意を固めているか!更に、議員・会派を超えて議会として実行しようとす
る共通の意思を議員が持っているか!」
 要するに大小の問題ではないのだ!

 この決意のもと、討論によって得られた政策等を更に議会の中でブラッシュアップ
し、決議、意見書、議案等によって行政の施策へと展開する。これによって政策の循
環が生み出される。 先に述べた情報の循環と、この政策の循環によって、議会、住
民、行政がそれぞれの立場で政策決定に関与し、討論による合意によって展開される
政策を力強いものとし、市全体の活性化へ繋げていく。

 更に、住民参加として重要なことは、陳情・請願を住民提案と考え、委員会審議に
おいて提案者に発言の機会を与えることである。一般的には発案者が話すことが常識
であり、単にそれを議会で実施するだけである。この程度のことが進まないのが議会
の特徴とも言える。筆者は川崎市議会へ請願を出しているのだが、継続審議で棚に上
げられている。

 加えて、詳しくは別の機会に述べるが、多様な広聴制度として以下の施策を実行す
ることも必要である。

 1)アンケート調査制度
 2)議長への手紙制度
 3)パブリックコメント制度
 4)議会モニタ制度
 5)アドバイザリーボード制度
 6)傍聴人発言制度

4.政策への反映
 
 議会の情報が「議会白書」等により編集され、その情報の循環を進めながら議会報
告会等の討論の機会を活かしていけば、そこから政策要求が生まれてくる。議会がそ
の政策を大切にし、実現しようとすれば、先ず、自らブラッシュアップを試みなけれ
ばならない。

 更に、行政に対する要求を進める必要がある。これには議会としての活動が必須で
ある。単に担当者へ伝えるだけではない。意見書等で正式に申し入れする、決議をお
こなう、様々な方法があるだろう。

 そこで、機関としての議会がその意思を市長と住民に対して表明することが最も大
切なことになる。住民と直接対話する議員を媒介として住民全体の意思が形成されて
いくのである。その意味で議会の主体的働きが真の自治体の力を示す一つのメルクマ
ールになるであろう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
編集発行人 吉井俊夫
 ご意見・ご感想はメールでどうぞ t_yoshii@hotmail.com
 本メルマガのまとめ http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/ine_mm.html
 (ここをクリックすると登録フォームがあります)
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000219072.html 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る