2009/03/13
探検!地方自治体へ 第82号 09/03/13 川崎市議会基本条例・中間報告~検討課題での確認事項~
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 探検!地方自治体へ〜川崎市政を中心に〜 第82号 09/03/13 ★川崎市議会基本条例・中間報告〜検討課題での確認事項〜★ 1.要約 〜中間報告の基本的な問題点〜 2.中間報告の前文 3.検討課題―大項目 4.検討課題― 中項目 5.検討課題― 小項目―細目 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 1.要約 〜中間報告の基本的な問題点〜 1項目が列挙されているが、 …全体をまとめる“理念”と“具体論の方向性”がない 2各項目(約50)に『確認事項』がついているが、9割程度は …「具体的な規定方法は、条例骨格案や素案を作る段階で協議する」 3大項目が三点掲げられているが、 …議会・議員の役割と位置づけを決めれば、後は環境・体制を整備するだけ 4中項目、小項目、細目と階層化されているが、 …項目の個別議論が少しあるが、具体論なく、相互の関連性もない 5小項目「1-2本市の活動ルール」が中心と受け取れるが、 …小項目の配列がバラバラで、何を意図しているのか掴めない 結論的に言って、 理念を議論したと言っているが議論した形跡がない。また、具体的な論議が乏しく、 項目相互の関連性もない。バラバラに言いたいことを言っているだけとも受け取れる 内容である。現状で論評できる段階ではない。今後、一から再度議論を行う必要があ る。 また、これを公開しても、あきれて議会にそっぽを向く市民が増えるのではないか、 市民の間に「混乱が起きる恐れがある」との議会の心配をよそに、市民の間に「さざ なみ」も立たないことのほうが心配である。 参考資料 川崎市議会HP 平成21年2月12日記者発表資料 ・議会基本条例制定に向けた検討状況について ・議会のあり方検討プロジェクト中間報告 ・検討課題(例)での確認事項 ・検討まとめ(その1) ・検討まとめ(その2) ・検討まとめ(その3) 2.中間報告の前文 記者会見の「議会基本条例制定に向けた検討状況について」において、市議会議長 は「…市政における議会権限の充実・強化を図るため、分権時代にふさわしい議会の あり方や議会の基本理念を検討し、…」と述べている。「分権時代にふさわしい議会 のあり方や議会の基本理念」を「議会権限の充実・強化を図るため」に検討すると言 っているが、これはまったくおかしいではないか。 “基本理念”があって、そのもとで「議会権限の充実・強化」の必要性を検討する のではないか。 あるいは事務局がつくった資料を棒読みしているのかもしれない。それにしても事 務局議事課長、次長、局長はチェックをしていないのか? 少なくとも記者会見の当事者、議長は原稿があろうがなかろうが、メッセージを自 分自身で考えなければならない。だが、この議長さんは頭の中で議会改革を本当に理 解できているのか疑わしい。 記者クラブの記者たちも気が付かないのか、ため息がでてくる〜。 しかし、次の「議会のあり方検討プロジェクト中間報告」においても同じ轍を踏ん でいるようだ。いや、こっちが先ずあるのだ。 「他都市で制定された議会基本条例を調査するなどし、「議会基本条例制定に向け た検討課題(例)」を作成し、議会基本条例制定を目指して議会のあり方や基本理念 について協議を進めてまいりました。」と述べている。 実際の議論が後先になることはいくらでもあることだ。検討課題を並べて議論して いるうちに、“あり方”や“基本理念”に到達しないとは限らない、と言えば言えな いこともないのである。 しかし、実際に“あり方”や“基本理念”が議論され、ここに報告され、検討課題 と整合が取れていれば、の話である。そんなことは報告書のなかに微塵もみられない のである。 プロジェクトメンバー議員の中で本気で考えた人はいるのだろうか? 3.検討課題―大項目 中間報告は“基本理念”が示されず、検討課題だけが列挙されている。首なしで胴 体、手足があるようなもので、バラバラ事件になっている。しかたがないので、先ず は検分しておく以外にない。 中間報告の項目として大項目―中項目―小項目―細目とツリー状に分かれる。 なお、[ ]は筆者がつけた。[ ]内は必要ないとの意味である(後出も同じ)。 「大項目」は以下の三点に分けられている。 この三つを単純に並べると、「議会・議員の役割と位置づけを決めれば、後は環境・ 体制を整備するだけ」と読みとれる。 そうであろうか?議会・議員の役割と位置づけはどの議会基本条例にも記載されて いるであろうが、極めて概括的、手続的なものと筆者は理解している。 それにしても「役割、位置づけ」と「環境・体制の整備」が同じ位置づけとは奇異 である。「役割、位置づけ」からでてくる具体論の一つとして「環境・体制」がある はずだと思うが。 1.議会の役割[の明確化] 2.議会と議員の位置付け[の明確化] 3.環境・体制の整備[の実施] 4.検討課題― 中項目 中項目は「1-1[本市の]基本方針[の決定]」のレベルである。しかし、中項目にな っても全体として何を考えているのか明確にならない。 先ず、「1議会の役割」からみていこう。ここに小項目1-1-1を付記したのは、 「1-1基本方針」が「1-1-1議決権限」だけであることが理解できないからである。 断っておくが、筆者は議決権限の拡大に賛成する。 しかし、基本方針が「議決権限」だけで済むとは考えられない。議会批判の本質は、 「議事無し」「追随議決だけ」に対して向けられているはずである。ここをどう理解 しているのか。この状態にメスを入れないで、地方自治法96条第2項を有効化する という発想だけでは問題を乗り越えることにはならない。なお、高い山を一つ増やし て途方にくれるだけである。 また、ここでもレベルの統一性に疑問がある。「3調査権」を「1基本方針」及び 「2活動ルール」と同一に並べる問題であろうか。 1議会の役割[の明確化] 1[本市の]基本方針[の決定] 1議決権限[の拡大] 2[本市の]活動ルール[の決定] 3調査権[の明確化と実効性] 次に、「2議会と議員の位置付け」では、「2-1本会議の会期」が問題であろうか。 確かに議会の招集権は首長にある。これはどう考えてもおかしい。しかし、本会議の 会期は何をするかによって必然的に決まることであり、その何かが議論の対象である はずだ。議会改革によって議員活動をどのようにするのか、具体的議論を行うことが 重要である。後の「2-2、2-3」は規定すれば良いだけである。 2議会と議員の位置付け[明確化] 1[議員活動の実態に即した]本会議の会期[の設定] 2選挙により選任された職[であることの明確化] 3[活動実態にあった]待遇制度[へ] 最後に「3環境・体制」である。「2附属機関の設置、専門的知見の活用」について は必要性に疑問がついて団長会議へ投げ返したそうである。おそらく、その位置づけ であろう。どこまで尊重するべきか、自らを縛ることにならないか、そんな類の心配 であろう。 しかし、議決権限を打ち出しているのであるから、それに対応した責任を果たすに は何が必要なのか、という議論はないのであろうか。議会事務局の体制も同じである。 何と何が関係して具体的にどうする、という議論がない。いや、問題意識すらないと いうお寒い状況が否応なしに想定されてしまう。 「3議会活動の透明性」は「環境・体制」だけの問題ではない。今回の非公開に表わ れるように、先ずは議員の認識の問題である。すなわち、議会の役割から生じてくる 具体的施策があり、その中で特に「環境・体制」を整える必要があれば議論すべきで あろう。 3[必要な]環境・体制[の整備] 1議会事務局の体制[整備] (2附属機関の設置、専門的知見の活用) 3議会活動の[より一層の]透明性[の確保] 5.検討課題― 小項目―細目 小項目は「1-2-1議会機能・活動」のレベルである。ここで奇妙なのは中項目「1-2 本市の活動ルール」に14項の小項目があるのに対して、他の中項目はすべて1,2 の小項目だけである。極めてバランスが悪い。何かすべてここに押し込んだというこ とか。おそらく、大項目、中項目の設定がおかしいと思われる。 更に並べる順序も混乱している。例えば、 「9議員活動」は「1 議会機能・活動」と関連する。 「2市民参加の原則・取組」は市民と議会との関係を規定しているし、「情報開示」 と密接な関係にある。ここでは何だか浮いている。 「6 委員会機能・活動」は「3 議会審議」とどう繋がるのか。 「12会派の位置付け」は「1 議会機能・活動」、「9 議員活動」と一連の関係にあ るのではないか。 「11議員定数」は議会の役割であろうか。 小項目になると、具体的な議論がされても良い。これでは論評の限りではないとし か言いようがない。 1議会の役割[の明確化] 2本市の活動ルール[の決定] 1 議会機能・活動 2 市民参加の原則・取組 3 議会審議 4 議員間討議[の拡大] 5 議会改革の推進 6 委員会機能・活動 7 文書質問制度の創設など(保留) 8 執行機関事務に対する監視・評価 9 議員活動 10議員能力向上のための議員研修[の充実強化] 11議員定数 12会派の位置付け 13行政視察の位置付け(規定せず) 14他議会との連携(保留) 以上に述べたことをまとめて言えば、理念、あり方について共通の意識を形成せず、 項目だけを並べて、具体論が議論せず、という方法が浮び上がってくる。これでは議 会基本条例に到達することにはならない。 神奈川新聞の2/23の社説に「川崎市議会には条例制定に向けた気概や自負がいま ひとつ感じられない。」とやる気を疑われてもしかたがないであろう。 しかし、挽回の秘策はある。 我々が提出した請願70号で述べた次の三点、 1)会議の公開、 2)住民への説明責任と住民との対話、 3)住民の提案あるいは要望を議論へ反映、 を含む 『住民に開かれた方法で「議会改革及び議会基本条例案」を策定すること』 を実行することである。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 編集発行人 吉井俊夫 ご意見・ご感想はメールでどうぞ t_yoshii@hotmail.com バックナンバー http://blog.mag2.com/m/log/0000219072/ (ここをクリックすると登録フォームがあります) 「本メルマガのまとめ」 http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/ine_mm.html 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000219072.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


