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「タイゾー化する子供たち」(光文社)の著者である元外交官・原田武夫がお送りする、教育をマネーの観点から投資として考えるお父さん・お母さんのためのメルマガ。知られざる教育を巡る「価格比較」や、中高生からの海外留学情報などが満載です。

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2008/12/18

自発的な労働は可能か――「情熱の整流器」としての教育 【原田武夫の教育投資通信】12月18日・第43号

■■■■■■■■◎元外交官・原田武夫の教育投資通信◎■■■■■■■■■
〜大切なお子さんのために「投資としての教育」を考えるメールマガジン〜

――――――――――(2008年12月18日・リニューアル第43号)――――――――
(目次)
☆【第3回「IISIAプレップ・スクール」上級コース開催】
☆【自発的な労働は可能か――「情熱の整流器」としての教育】

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(本文1)
【第3回「IISIAプレップ・スクール」上級コース開催】
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金融メルトダウンの中、混乱する報道。
動揺するマーケット、そして企業。
飛び交うマネーと溢れる情報の中、
先行きの見えない状況が続いています。

だからこそ、自分自身で情報の海を漕ぎわたっていく力、
即ち「情報リテラシー」が切実に求められています。

日本人の「情報リテラシー」を底上げしたい。
この強い想いから、IISIAはその教育の場を設立しました。

これからの日本を背負うすべての人々のための
“無償”「情報リテラシー教育」の場。
それが、

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■「IISIAスキルアップ・スクール」(社会人対象)
⇒ http://www.haradatakeo.com/social/skillupschool.html

です。

今回は、2008年4月より第1期「IISIAプレップ・スクール」を
受講した学生を対象に、この秋から開講されている、、
「IISIAプレップ・スクール・上級コース」の授業の様子をご報告します。


去る12月11日、IISIAの社会貢献活動の一つ、
「IISIAプレップ・スクール」の“上級コース”第3回授業が行われました。

はじめに、IISIA CEO・原田武夫がインターネットと
インテリジェンス機関の構造について説明。

現在、インターネットの世界はオープンソース化が進み、
それらについて分析をするインテリジェンス機関ができています。
それらの機関は、国という枠組みを超え、
いくつかでまとまり「協会」を作り出しています。

このことから引き出せるのは、「インテリジェンス」の枠としての
国民国家という概念が、崩壊を始めているということです。

今回彼らに課されたのは、今や変化の中にある
国民国家単位の「インテリジェンス」に関する
教科書的な英語文献を読み、要旨を説明することでした。

 1.インテリジェンスの基本とは何か
 2.インテリジェンスの発展について(これまでの歴史から)
 3.インテリジェンス機関の組織について
 4.インテリジェンス・プロセスについて
 5.情報収集の手法による「強み」と「弱み」について
 6.いかに付加価値をつけるか
 7.カウンター・インテリジェンス(情報防衛)について

これらについて、学生たちはそれぞれの意見や重要なポイントを発表。
それを受け、CEO・原田武夫が最近の具体的なケースである
「ムンバイの事件」、「ギリシャの暴動」について質問をしました。
これらの事件の背景で何が起こっているのか、
そしてその意味とは、何なのか?
インテリジェンス機関の存在を踏まえ、議論が展開されます。

その結果導き出されるのが、「Homeland Security」という考え方。
日本語で「国土安全保障」です。
日本ではまだ発展していない考え方ですが、
米欧諸国では、テロリズム、中でも“バイオテロ”について
様々なレポートが出されており、世界的な課題の一つとして、
“バイオテロ”が言及されていることが説明されました。

このようにベースとなる教科書型の「インテリジェンス」英語文献を
踏まえた上で、多くの具体的事例が検討されていきました。
こうした議論は、次回にも続きます。

そして後半では、もう一つの課題、
「現代日本が抱えている課題を1つ挙げ、自分なりの処方箋を考えよ。
多角的な視点より検討し、実現可能なプランであること」
について、学生から発表がありました。

今回学生が取り上げたテーマは、
「東アジアにおける日本の安全保障上の課題と、『東アジア共同体』構築について」

担当学生は、現状日本が置かれている脅威とは何か、
特に「中国脅威論」が語られる中、中国の台頭にいかに対処するか、
という点について考えを述べました。
さらにその対処法として、「東アジア共同体」を構築し、経済と安全保障を
パッケージしつつ、オブザーバーとして米露を関与させることが提案されました。

発表に対し、IISIA CEO・原田武夫からは、
現在の外務省が推し進めている考え方をしっかり勉強していること、
ただし、この考え方には欠けている点があることなどを、
歴史的な観点も含めて説明しました。

そもそも、東アジアに台頭していた列強はどこだったのか?
満州、清朝、そして明朝。
このように歴史を遡って見ていくと、実は意外にも日中関係が親密であったこと、
そして、満州鉄道建設の際に外債を発行したのは英国であったことなどが
分かります。
である以上、東アジアを議論する際、英国は欠かせない存在である・・・。
今回の学生発表に欠けていたのは、まさにこの部分でした。

発表担当者も含め、学生たちは驚きとともに、新たな課題を前にした
知的興奮でいっぱいのようでした。

月に2回、通常コースよりさらに難しい課題をこなす学生たち。
この「上級プレップ」で得た知識たスキルをもとに、
今後彼らが一体どんなことを目指していくのか、
彼らの将来の姿に大いに期待させられるほど、
充実した授業が繰り広げられたのでした。


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(本文2)
★☆★ 自発的な労働は可能か――「情熱の整流器」としての教育 ★☆★
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先週から不定期で始まった書評の第2弾をお送りします。
今回は、前回の書評で取り上げた「幻想の未来」における
フロイトの人間観を別の視点から見てみます。

書評第1回は精神分析の創始者であるジークムント・フロイト(1856-1939)の
「幻想の未来」を扱いました。
(下記リンク先でご覧いただけます。)
http://archive.mag2.com/0000217151/20081211200000000.html

その際は、フロイト独特の「文化」論から
いかにして宗教批判が必要とされてくるのかという点に
絞って内容を紹介させていただいたのですが、
それ以外にも「幻想の未来」には非常に興味深い洞察が
詰まっています。

全篇を通じて印象に残るのは、フロイトの極めて醒めた人間観です。
それはほとんどペシミスティックといっていいほどです。
「幻想の未来」においては、最後の最後に人間の理性と科学に期待を
かけていますが、これとても「私たちは地質学者のまなざしを
手本とすべきなのだ」と遥けき未来における成長を祈るのみのように
思えます。

さて、皆様は次の文章に表れているようなフロイトの人間観について
どのようなご感想を持たれるでしょうか。

  要するに、文化的な機構を維持するには、ある程度の強制を
  維持しなければならない。それは人間に広くみられる二つの特性のためなのだ。
  すなわち、人間は自発的に労働することを望まないし、説得することでは
  人間の情熱を抑えることはできないからなのだ。

人間は自発的に労働することを望まないのでしょうか。

何らかの外的強制によって、「せざるを得ない」から労働するのではなく、
自ら欲して何らかの生産を行うことはあり得ないのでしょうか。

換言すれば、安定的に生活していけるだけの境遇にあって
(労働に対する物理的要請の非存在)、働いても誰も褒めてくれず、
また働かなくても誰も非難しない状態で(労働に対する心理的要請の非存在)
果たして私たちはなお労働し、何かを生産することができるのでしょうか?

いや、ここでの言葉遣いにはより慎重になるべきかもしれません。
即ち、「労働」の一語で人間の活動を括ってしまうと、
「自発的」という要素を予め締め出してしまう恐れがあるからです。

言い換えれば、仕事が単なる賃金労働(labour)ではなく、
「ライフ・ワーク」という言葉の中に現れる「ワーク」の
意味で捉えられたとき、自発的なものとなるのではないかということです。

当のフロイト自身も、臨床医として日中働いた後、
頼まれもしないのに膨大な精神分析に関する論文を綴っていました。
当時の精神医学会にとって精神分析は傍流で(今も、ですが)、
彼が多少努力をしたところで一部の支持者以外からは認められず
(その支持者とも次々喧嘩別れをしてしまいます)、アカデミズムの
中枢に進むという希望は初めから断たれていました(他の要因も
あったようですが)。

また、晩年には口蓋と顎の癌手術を33回も受け、16年間にわたる闘病生活
の傍ら論文執筆や講演、患者の治療を続けたといいます。
これではとても安楽な老後を過ごしたとはいえません。

まさに(誰からも、というわけではないでしょうが、彼が望んだほどには)
賞賛されず、また闘病生活を考えれば誰も非難しないにも拘わらず、
「ワーク」し続けたわけです。
これこそ「自発的な労働」いや「ワーク」というものでしょう。
そこにはオブセッション(こだわり、執念、偏執、強迫観念)さえ感じられます。

フロイトに限らず、偉人とされる人々(政治家、経営者、芸術家)の伝記を
読んでいると、「なぜこんなことをしたのだろう? なぜここまでするのだろう?」
と思うことがあります。
傍から見ると、受け取るべき社会的な対価というものがほとんど算定不能な
労働をしているわけです。

しかし、実はこれは偉人に限った話ではありません。
偉人のエピソードは彼らのオブセッションが極度に強く、また結果が
幸運にも何らかの形で後世から評価されたがゆえに目立ちますが、
私たちもまた何かにこだわって(何らかのオブセッションをもって)
生きてはいないでしょうか。

日常生活の中で、結果として大した利益が望めないにも拘わらず
われわれは様々なことに対し、過度にのめり込んでいます。

非常に片付いた部屋の持主Aは、まあまあ片付いた部屋の持主Bに比べて
どれほどの利益を享受しているのでしょうか?
Bより余計に費やした時間や労力のコストは、誰が見てもわかる一層の
快適さという形で報われているのでしょうか?

趣味の釣り人Cが長時間かかって釣り上げた魚はどれほどの
市場価値を持つのでしょうか? 
まして釣りの仲間さえ評価してくれないようなありふれた獲物だったとしたら?

おそらく、それでもAもCも一向に構わないのです。
というより、快適さの増分や釣果の対外的価値などを考える以前に、
そうせざるを得なかったからそうしたのです。

私たちはどうも、「誰が何といおうと、こればかりは最後まで
やり通さなければ気が済まない」といえるものに囚われることがあるようです。
そのとき私たちは、経済合理的にはしなくてもいいことを
異常な情熱をこめてやっているのです。

問題は、こうした情熱を一定程度方向づけるための装置が
必要だということでしょう。
情熱をもってなされた「ワーク」が反社会的な方向に向かったときの
悲惨は、歴史と日々の三面記事が証言している通りです。

本人がごく自然な気持ちで熱意を持って「ワーク」し、
結果として共同体に貢献する。
これを可能にするための「情熱の整流器」のようなものが
必要なのだと思います。
フロイトはそれを「文化」と呼びました。

私たちはそれを広い意味での「教育」と呼ぶこともできます。
義務教育から高等教育まで、いわゆる「学校」でなされる教育が
数多くの問題を指摘されている中、IISIAはこうした観点からも
ますます「真の教育」に力を入れていくべきだと考えます。 


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(株)原田武夫国際戦略情報研究所(http://www.haradatakeo.com )
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