プロレス大好き - Wrstling As I Like It  RSSを登録する

「プロレス大好き」は主にプロレス史の叙述を目的とした、メールマガジンです。NWA(Nazenara Watashiha Ahonanoyo)というグループに加盟した執筆者達が書いた原稿を、私、茅野三丸がまとめております。

現在休刊中です    
解除

規約に同意して

2007/03/14

国際プロレス・グラフティ リメイク版 79

==================================================================
プロレス大好き - Wrestling As I Like It
(略称:プロダイ)2007/3/14(WED) 発行部数190
==================================================================
国際プロレス・グラフティ リメイク版 Joe Hooker Sr.

●一九七九年
・積極路線へ

観客動員に苦しみ続ける国際プロレス、年が明けて今までの路線を転換する。

まず、全日との提携を一旦棚上げにし、新日と提携。さらに四月あたりから
新日系で新鮮な外人メンバーが参入。また、秋からはAWAと再提携。こう
した積極策は国際プロレスは一度は活性化した。

全日と縁を切った背景には、それまでの対抗戦でのマッチメークへの不満、
また、馬場を12チャンネルの電波に乗せたいとの思惑が叶わなかったこと
になるようだ。

では、この年に来た主な外人をあげよう。
一月     アレックス・スミルノフ、レオ・バーク
三月     ジョン・トロス、ザ・サモアンズ
四、五月   ジプシー・ジョー、キラー・ティム・ブルックス、
ビッグ・ダディ・リッター(ジャンクヤード・ドッグ)、ビリー・グラハム、
ミレ・ツルノ、ジョニー・ロンドス、上田馬之助、マサ・サイトウ
六、七月   アレックス・スミルノフ、オックス・ベーカー、
アンドレ・ザ・ジャイアント、ヘイスタック・カルホーン、
ダイナマイト・キッド
九、一〇月  ジョー・ルダック、ネルソン・ロイヤル、
ニック・ボックウィンクル、ルー・テーズ、大木、上田
一一、一二月 アレックス・スミルノフ、モンゴリアン・ストンパー、
ジプシー・ジョー、バーン・ガニア、ヤス・フジイ

以上レスラーのうち、ツルノ、ロンドス、上田、サイトウ、アンドレ、
カルホーンは新日のブッキングと思われる。

木村のIWA王座に挑戦したのは、トロス、上田、グラハム、ジョー、
ブルックス、アンドレ、スミルノフ(移動→奪回)、ルダック、ニック、
ガニア(移動→奪回)、ストンパー。

・新日と提携

提携第一弾として新日は星野勘太郎・山本小鉄のヤマハ・ブラザーズを送り
込んで来た。さっそく草津・浜口組のもつIWA世界タッグに挑戦。そして
見事に奪取する。国際側の敗因はヤマハの撹乱戦術に見事ひっかき回された
こと。草津が集中攻撃され浜口がフォロー。浜口もスタミナを失い、フォー
ル負け。新日では中堅にしか過ぎないヤマハにやられてしまった。国際勢、
またも力道山の教え子に実力をみせつけられる。

約一か月後、浜口はパートナーを井上に変えやっと奪回。井上・浜口組は
「和製ハイフライヤーズ」と呼ばれるようになる。ちなみに本家はAWAの
グレッグ・ガニア、ジム・ブランゼル組だ。

・阿修羅原、タイトル獲得

五月になって社会主義国ユーゴスラビアから出稼ぎのミレ・ツルノがWWU
世界ジュニアヘビー級王者を名乗って来日。WWUという団体はヘビー級チ
ャンピオンにローランド・ボックを認定しているドイツの団体と説明された
が、それはウソ。単なるでっちあげの団体であったことを後で知った。

ツルノの王座には原が挑戦、そして見事奪取。原の腰にベルトが巻かれる
が、そのベルトはかつてのIWAミッドヘビー級のチャンピオンベルトで、
寺西が防衛戦を行わないまま空位になっていたものであった。

原はその後ローラーボール・マーク・ロコ(後の初代ブラック・タイガー、
ライガーの師匠)らを相手に防衛を重ねる。

・ダイナマイト・キッドを発掘

七月に当時イギリスからカナダのカリガリーに転戦していたダイナマイト・
キッド(当時二〇歳)が初来日した。そのきびきびしたファイトは非常に好
感を呼び、国際プロレスの救世主になるかと思われた。かねてから国際プロ
レスとカルガリーマットは提携しており、そのルートに乗って来日した。し
かし皮肉にも彼の来日が最後の提携であった。

==========
一九七九年七月二〇日 大館 二六〇〇人

IWA世界ヘビー級選手権 六〇分一本
ラッシャー・木村(一〇分二五秒両者リングアウト)アンドレ・ザ・ジャイ
アント

WWU世界ジュニアヘビー級選手権 六〇分一本
阿修羅原(一八分三七秒両者リングアウト)ダイナマイト・キッド

三〇分一本
浜口、井上、グレート・草津(一三分三八秒体固め)カルホーン、スミルノ
フ、オックス・ベーカー
鶴見(九分四七秒反則)アウトロー
ザ・モンゴリアン一号&二号(一一分五八秒片エビ固め)寺西勇、奄美

二〇分一本
金光植(一〇分二三秒片エビ固め)エド・モレッティ
梁承揮(一〇分三九秒片エビ固め)ムラサキ

一五分一本
米村(一〇分三二秒背骨折り)高杉
==========

七月二一日原のWWU世界ジュニアヘビー級に挑戦、引き分けで奪取なら
ず。キッドは八月一八日カルガリーで藤波とも対戦。これまた引き分け。ち
なみにこの日、猪木、ヒト、桜田(当時の所属は全日)も同マットに上が
る。

・オールスター戦

八月二六日東京スポーツ新聞社二〇周年を記念して夢のオールスター戦が行
われた。エース木村は元エース小林と闘い六年前の雪辱を果たす。この日、
第一試合のバトルロイヤルを含めれば、草津を除くすべての現役レスラーが
参加した。草津が出なかったのは、一月のタッグチャンピオン陥落以来フロ
ント業に比重を移していたため。

浜口は長州と初タッグ、その長州の高校時代のライバルであったスネーク奄
美は第二試合で荒川真(新日)と闘った。二年後に脳腫瘍で亡くなる奄美
の、最初にして最後の晴れ舞台であった。

この日の試合をアリーナ後方でうらやましそうに見ていたのが、リング屋か
らやっと練習生の身分を許されるようになったばかりの冬木弘道であった。

==========
一九七九年八月二六日 東京・日本武道館(東京スポーツ新聞社) 
一六五〇〇人 プロレス夢のオールスター戦 
一/時間無制限 A.猪木、G.馬場(一三分〇三秒逆さ押さえ込み) 
A .ブッチャー、T.J.シン
六〇分一本 R.木村(一二分四秒リングアウト) S.小林
四五分一本 M.マスカラス、J.鶴田、藤波(一四分五六秒体固め) 
高千穂、 T.戸口、M.斎藤
坂口(六分三四秒片海老固め) R.羽田 
三〇分一本 長州、浜口(一一分八秒反則) 大熊、小鹿
原、佐藤昭雄、木村健吾(一六分二二秒海老固め) 永源、藤原、寺西
二〇分一本 星野M.井上(一二分三二秒海老固め) 石川、木戸
荒川(八分二六秒片海老固め) S.奄美
(一四人バトルロイヤル決勝) 
山本小鉄(一二分一四秒背骨折り) 大仁田 

オールスター戦参加選手および所属はは以下の通り

(国際)  R.木村、 浜口、 原、 寺西、 M.井上、 S.奄美
(新日本)  A.猪木、 S.小林、 藤波、 坂口、 長州、 
木村健吾、 永源、藤原、 星野、 木戸、 荒川
(全日本)  G.馬場、 J.鶴田、 高千穂、 T.戸口、 
R.羽田、 大熊、小鹿 、佐藤昭雄、 石川
(フリー)  M.斎藤

バトルロイヤル参加選手および所属はは以下の通り
(国際) 鶴見、高杉、D.ムラサキ、米村、若松 
(新日本) 高野(ジョージ) 、平田、斎藤(ヒロ)、前田、小林邦明、
魁(北沢) 、山本小鉄
(全日本) 園田、渕、大仁田、肥後、百田、伊藤、M.林
==========

・秋のビッグマッチ

この年の秋からテレビ番組改変にあわせて春と秋にビッグマッチが行われる
ことになった。第一回目は一〇月五日の後楽園ホール。豪華メンバーが集ま
った。

−−−−−−−−−−
AWA世界ヘビー級、IWA世界ヘビー級ダブルタイトルマッチ
ニック・ボックウィンクル(AWA)対ラッシャー・木村(IWA)

IWA世界タッグタイトルマッチ
マイティー・井上、アニマル・浜口組対大木金太郎、上田馬之助組

NWA世界ジュニアヘビー級タイトルマッチ
ネルソン・ロイヤル対阿修羅原
−−−−−−−−−−

ニック対木村戦のレフェリーは国際プロレスには一一年ぶり登場のルー・テ
ーズ。試合の方はニックの反則負けで双方の防衛。ちなみに数日後の沼津の
試合ではニック・テーズ組が実現。十代の頃のデビュー戦の相手と組めたニ
ック、選手として久々にマットに上がったテーズの楽しそうな試合ぶりが忘
れられない。

井上・浜口組は日プロ末期のインタータッグチャンピオン大木・上田組とい
う強豪を迎えた。試合の方は上田が突然大木をイスでめった打ちにし、わけ
がわからないうちに井上・浜口組の防衛。上田は「すまし顔で闘う大木の顔
を見るうちにむかついた。」と後に仲間割れの理由を語る。ちなみに当時大
木は全日のシリーズに参加中。国際プロレス参戦にあたって、大木とジョ
ー・ルダックが一日だけトレードされた。全日との提携は棚上げされた状態
ではあったが、決して険悪な状態ではなかったのだ。

ネルソン・ロイヤル対阿修羅原も引き分けに終わるが、この試合が本当にN
WA世界ジュニアヘビー級タイトルマッチ(注)だったのかに関して物議を
かもす。

・・新間、馬場のクレーム

この試合が行われる直前の九月末、新日の新間営業本部長が全日の馬場社長
と並んで記者会見を行った。新間曰く「国際さんがやろうとしているロイヤ
ル対原の試合はNWA世界ジュニアヘビー級タイトルマッチと称しているが
それはおかしい。同タイトルは空位のはずで、しかもNWA加盟団体の
新日・全日のおひざ元である日本で行うこと自体もおかしい。」

このクレームを受けて東京スポーツはこの試合を「特別試合」として報道し
た。

ちなみに、馬場はこの問題に関して本音としてはどうでもよく、新間に
「相談したいことがある。」と呼ばれ出向いたところ、そこで記者会見が設
定されていた、というのが真相だという。このような新間の行動を「遣り手
(やりて)」という。吉原とは対極のスタンスである。ここでも国際プロレ
ス=吉原は手際が悪かった。

・名手ガニア

一一月のシリーズに帝王ガニアが特別参加した。

当時ガニアはマッドドッグ・バションとのコンビでタッグ王座を握ってお
り、シングル王座欲しさに木村のベルトを狙って来襲(東京スポーツ風に書
くとこうなる)。一度はその王座を奪取するものの、木村はリターンマッチ
で奪還。この来日でガニアは「なるほど」と唸らせる職人芸を見せた。

それは阿修羅原とのシングル戦。原をロープに振り戻ってくるところをボデ
ィスラム。これがあまりにタイミング良くきまり、そのままピンフォール。
「ボディスラムで決まるなんて。」と思うなかれ。重要なのはその場面に説
得力があったということなのだ。

・・ヤス・フジイ

同じ一一月ヤス・フジイが帰国した。ヤス・フジイというのは元国際プロレ
スの選手で、海外武者修業中に勝手にフリー宣言をした選手。七四年三月猪
木・小林戦の頃一時帰国しており、マスコミのインタビューで「国際なんて
もうすぐパーよ!」と発言、顰蹙を買った。この帰国でも「日本のプロレス
はいつになっても馬場、猪木なんだな。」と感想を表明しており、まあ、基
本的に批判居士なんだろう。

一九〇センチの長身と体格には恵まれていたが、リング上での実績は大した
ことがない。かつて吉原を裏切った男はやはり国際の救世主にはならなかっ
た。確かストロングマシン三号か四号の中身になったんじゃなかったっけ?

(注)NWA世界ジュニアヘビー級タイトル

この混乱の背景には、NWA世界ジュニアヘビー級タイトルそのものの混乱
がある。

NWA世界ジュニアヘビー級タイトルはNWA認定のタイトルであるが、そ
の管理は戦中の世界ジュニアヘビー級チャンピオンで、オクラホマ地区のプ
ロモーター、レロイ・マクガークに一任されていた。

七八年の段階でロイヤルは正式なチャンピオン。全日のリング上でアル・マ
ドリルを相手に防衛戦を行っている。帰国後アメリカで同じカードが組ま
れ、マドリルが奪取。ところが、七九年七月マドリル病気のため返上。ロイ
ヤルがチャンピオンに認定される。というわけで七九年一〇月の段階でロイ
ヤルがベルトをもっていたのは理にかなっている。しかし当時はマドリルの
返上で空位という報道だったような気がする。

七九年秋の記者会見で、新間は「空位のベルト争奪戦を来春新日のリングで
行う。」と発表した。七九年七月にロイヤルがチャンピオンとして正式に認
定されていたのかが曖昧であったことも混乱に拍車をかけた。マスコミも事
実が把握できていなかったようだ。

翌新春、NWA世界ジュニアヘビー級チャンピオンを名乗るスティーブ・カ
ーンが藤波との防衛のため来日。しかし防衛に失敗しチャンピオンの座は藤
波に。ところが藤波がチャンピオンになった瞬間、タイトル名は「NWA世
界ジュニアヘビー級インターナショナル」に。曰く「NWA世界ジュニアヘ
ビー級タイトルの海外版である。」。

八〇年七月藤波は怪我のため王座返上。木村健吾対ブレット・ハートでNW
A世界ジュニアヘビー級インターナショナルの争奪戦が行われる。それに勝
利した健吾がチャンピオンとなるが、一一月チャボ・ゲレロに敗れ、ベルト
が海外流出。

さらにチャボが全日に転出、八二年大仁田がチャボを破りチャンピオンにな
る。同タイトルは全日系のものになり、名称もインターナショナルジュニア
ヘビー級に。これが今全日で中島がもつ世界ジュニアヘビー級タイトルの前
身である。一言でいうと、ベルトは新日から全日に移動したことになる。

七八年まで本舗のNWA世界ジュニアヘビー級タイトルは全日のリング上で
行われた。八〇年に入ってそのベルトはレス・ソントンの手元へ。ソントン
は八〇年全日、八一年新日に来日の際ロイヤルが巻いていたベルトを持参、
八二年佐山タイガーに同ベルトを奪われる。ここからこのタイトルは新日系
になり、八三年佐山離脱後タイトルはザ・コブラ(ジョージ・高野)に継承
されるが、NWAのクレームにより剥奪。

が、佐山が防衛を続けている頃からソントンはジョージア地区でチャンピオ
ンを名乗りアメリカで防衛戦を続ける。そして、ソントン引退後、NWA消
滅とともにこのタイトルは消えた。

==================================================================
【お知らせ】
プロレス史の勉強会!メンバー大募集

「スネークピットキャラバン(Snakepit Caravan)」

次回は、2006年4月14日(土曜日)
時間:13時30分〜
会場:スネークピット・ジャパン(高円寺) 
スペシャルゲスト:ザ・グレート・カブキ
「俺が見てきた日米昭和プロレス」

詳しくは、
http://www.uwf-snakepit.com/caravan.html
http://www.uwf-snakepit.com

==================================================================
茅野三丸のブログ「プロレス大好き」
このメルマガのご感想、ご質問もブログへ。
http://blogs.yahoo.co.jp/kangyan60/
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
提携メルマガ 「夕刊プロレス」
小泉悦次も記事を提供しております。
「夕刊プロレス」とは、毎日の試合結果、ニュースに、コラムニストたちの
コラムを添えて、お送りするフリーペーパー。投稿コラムも募集中です。あ
なたも、プロレスを語りませんか。夕プロは、誰でも上がれるリングです。
http://www.mag2.com/m/0000002840.html
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
提携ホームページ
「ショルダー2002」
http://homepage3.nifty.com/inoki~bom-ber_/index.html
「ミック博士の昭和プロレス研究室」
http://drmick.at.infoseek.co.jp/proresu/top.htm
「オールドファン 集まれ !」
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Kaigan/7217/old_fan.html
==================================================================
「プロレス大好き」は主にプロレス史の叙述を目的とした、メールマガ
ジンです。NWA(Nazenara Watashiha Ahonanoyo)というグループに加盟
した執筆者達が書いた原稿を、茅野三丸がまとめております。転載、引
用の際には、必ず、当メールマガジンが出典であることをお断り下さい。
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000217079.html 
現在休刊中です
解除

規約に同意して

最近の記事

上へ戻る