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「プロレス大好き」は主にプロレス史の叙述を目的とした、メールマガジンです。NWA(Nazenara Watashiha Ahonanoyo)というグループに加盟した執筆者達が書いた原稿を、私、茅野三丸がまとめております。

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2007/03/02

タ・カ・チ・ホ・ハ・ル・カ リメイク版最終回

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プロレス大好き - Wrestling As I Like It
(略称:プロダイ)2007/3/2(FRI) 発行部数187
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タ・カ・チ・ホ・ハ・ル・カ リメイク版 Joe Hooker Sr.

●九〇年代 カブキと永源、最後に笑うのは...その2

・漂流から引退へ
・・新日解雇

九五年七月、WAR三周年記念試合が両国で行われた。メインは天龍・北尾
戦で、バックランド・マスカラス・スヌーカ組なんていう、涙ちょちょぎれ
のトリオも誕生した。

当時はWAR所属だった冬木と新日維震軍の越中がシングルで対決。冬木の
セコンドにいたのは、邪道・外道のコンビ。越中のセコンドにいたのはカブ
キ。この試合の登場人物のウチ、冬木、越中、カブキが全日OB、邪道・外
道が全日の準レギュラーをへて新日入り。時代は変わった。

というのは余談として、この日のカブキ、九一年に佐野について博多に乗り
込んだ時と違って存在感が薄かった。

秋になって突如東京プロレスに登場。その後レギュラーとなっていく。つま
り夏いっぱいで新日をリストラされたということだ。

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一九九五年七月七日 東京・両国国技館一万一千人(WAR三周年記念試合)
三分十ラウンド一本 天龍(四R二分〇二秒片エビ固め)北尾
六〇一本 越中(一八分五五秒コブラツイスト)冬木
四五一本 浜口、長州(八分五五秒片エビ固め)後藤達、小原
三〇一本 T・後藤、雁之助(二二分五七秒片エビ固め)外道、邪道
四五一本 マスカラス、バックランド、スヌーカ(一八分八秒片エビ固め)
クローンズ、サターン、ガルサ
(インターナショナル・ジュニアヘビー級)六〇一本 
ライオン・ハート(一九分五九秒片エビ固め)ウルティモ・ドラゴン
三〇一本 北原(一四分三二秒エビ固め)嵐
荒谷(一二分二八秒卍固め)平井
大刀光、安良岡、板倉(一五分三五秒片エビ固め)茂木、神風、覆面太郎

=====

・・東京プロレス時代

九五年秋、カブキ東京プロレスに登場。イレギュラーでIWA・JAPAN
にも出場した。九六年一〇月、大阪では佐山タイガーとも対戦。ちなみにこ
の日のメインは高田・ブッチャー戦であった。UWFインターが墜落寸前で
ダッチロールしていた時期のことだ。この時期、東京プロレスはU系レスラ
ーとの交流が盛んで、タッグながら藤原とも対戦している。

九六年暮れになってインディー統一を念頭に置いたFFF構想が世に出る。
石川、T・後藤、安生、折原、佐藤昭雄らが一列になって記者会見を行っ
た。カブキもFFFに行くと思われた。が、勇ましかったのはここまで。九
七年新春、FFFの流産が伝えられる。

・・死に場所はIWA・JAPAN

九七年になって、興業活動を休止していたIWA・JAPANが復活を宣
言。休止の理由はT・後藤の離脱で目玉がなくなってしまったことにあっ
た。復活の記者会見を行ったその足で、新社長山田圭介らは、カブキの自宅
を訪ね、土下座して参加を要請。カブキ受諾。普通、このあたりの話は水面
下で行われるものだが、この過程が雑誌に写真入りでレポートされるあたり
がプロレスらしくて良い。

こうしてIWA・JAPANにおけるザ・グレート・カブキが始まっていっ
た。そして一四年ぶりの世界挑戦(といっては語弊があるかもしれない
が)。

++++++++++

一九九七年九月一〇日 福井市体育館

(NWA世界ヘビー級選手権) 

ダン・スバーン(ワキ固め)ザ・グレート・カブキ

++++++++++

・・引退表明

九八年六月、カブキ引退表明。長州、石川、猪木、前田、井上、保永と、九
八年はなぜか引退ばやり。「まだやれる」という自覚はあるものの、「けじ
めをつけたい」。五〇歳の誕生日を翌日に控えた、九月七日に引退試合を行
うことが決定。引退を前に八月八日、久々に新日に出場。グレート・ムタと
の「親子タッグ」が大阪ドームで実現した。カブキ、「思い出に残る出来
事」と素直に喜ぶ。ムタをすごく買っているんだな、と思った。

・永源遥の「ツバ吐き繁盛記」
・・九〇年代の全日

SWS騒動で一時は危機的な状況であった全日も残った選手の活躍で持ち直
した。九〇年代に入り、雨後の竹の子のように乱立したマイナー団体。そん
な状況の中で全日は「メジャー」とよばれるようになった。

天龍がいなくなっても、鶴田は驚異的な強さを見せた。若手もいつの間にか
育っていた。リング上では天龍がいた時代のような激しいファイトが繰り広
げられた。「今の全日は俺と長州と輪島がつくったようなものだ。」天龍の
言は事実としても、それが負け惜しみに聞こえる位素晴らしい試合が続い
た。

九二年、鶴田が病に倒れた。が、残った四天王、三沢、川田、田上、小橋の
頑張りで全日は持ちこたえた。その後秋山の台頭や「開国」があったもの
の、全日の体制は九二年に固まった。

九〇年を境にしてその前後二年(ブロディの死から鶴田リタイアまで)で全
日は大きく変わった。しかし、永源こそは不変で、リング上から客席にツバ
を吐き続けた。

・・全日の番頭、その名は永源

九〇年代に入ってリング内の永源は、「ツバの人」でしかない。夢枕漠氏の
「プロレス川柳」に「医者に行き、運動不足といわれつつ、われはプロレス
二〇年目」のモデルとしか思えない彼も、リング外では今まで以上の実力者
ぶりを発揮している。

九五年の参議院石川県選挙区。当選したのは当時新日の馳浩。団体の垣根を
越え、票の取りまとめに尽力したのが、地元出身で、石川県経済界に絶大な
るコネをもつ永源である。そしてこれが翌年秋馳全日入団につながる。馬場
は永源についで、二人目の「リング外の実力者」を得たわけだ。

九六年の九月末のある日、私は両国国技館にいた。目的は日大出身の学生相
撲界元スター大翔山(現追手風親方)の引退相撲を見るためである。断髪式
が始まる。大詰めにさしかかって、場内放送は「全日本プロレス・永源遥
様」の名を呼んだ。大翔山と永源の共通点、それは「石川県出身・立浪部
屋」というところである。相撲を廃業して三〇年。永源の人脈作りの強さを
見た思いがした。このあたりを掘り下げればビジネス書の一冊も書けそう
だ。「ツバ吐き繁盛記」、「シューティングを越えたプロレス、ゴッツァン
を越えた永源」なんて副題でいかが?

・・エピローグ

さて、私の筆による駄文「タ・カ・チ・ホ・ハ・ル・カ」は、同時代を生き
た高千穂明久(ザ・グレート・カブキ)、永源遥の物語を同時進行させて書
いてきた。したがって、カブキが引退した九八年で終了とさせていただく。

以後も永源は全日本の前座を沸かせ、二〇〇〇年のNOAH旗揚げに参画。
以来、レスラー兼営業部長として手腕を奮ってきた。また、カブキは東京・
飯田橋に飲食店を経営。一方で、IWA・JAPANに乞われてレフェリー
に、また、旧友星野勘太郎の要請で、2002年秋、女子レスラージョアニー・
ローラーのパートナーを勤めた。が、このあたりを詳説するのは、主旨では
ないので、やめておく。

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