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2007/02/02

ザ・グレート・カブキ

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プロレス大好き - Wrestling As I Like It
(略称:プロダイ)2007/2/2(FRI) 発行部数167
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タ・カ・チ・ホ・ハ・ル・カ リメイク版 Joe Hooker Sr.

●「転」 80年代

・ペイントレスラー、ザ・グレート・カブキ

・・ザ・グレート・カブキの誕生

全日で中堅格から抜け出せない高千穂は80年、再びアメリカに出た。81
年2月改名、次なるリングネームは「ザ・グレート・カブキ」。これがテキ
サスダラス地区で大受け。日本でも放送された82年の「鉄の爪引退試合」
では、「3大スペシャルマッチ」の一画に登場する位のブレイクぶりであっ
た。

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1982 06−06 テキサス州アーヴィン、テキサススタジアム
(NWA世界ヘビー級挑戦者決定戦)
○ケリー・フォン・エリック対ハーリー・レイス●
(アメリカン・ヘビー級選手権 鉄の爪引退試合)
○フリッツ・フォン・エリック対キングコング・バンディ●
(ワールドクラス版アジアタッグ選手権)
○ザ・グレート・カブキ、マジック・ドラゴン対
ケビン・フォン・エリック、デビッド・フォン・エリック●
○ザ・スポイラー対フランク・デューセック●
○ビル・アーウィン対ケン・マンテル●
○ローラ・ゴンザレス対イルマ・ゴンザレス●
(ボディスラム・バトルロイヤル決勝)
○アンドレ・ザ・ジャイアント対バグジー・マグロー●
○アンドレ・ザ・ジャイアント(反則)バグジー・マグロー●
(ワールドクラス版NWA世界ライトヘビー級選手権)
○エル・ソリタリオ対レネ・グアハルド●
++++++++++

 鉄の爪一家に悲劇が襲う前のことである。

この日カブキとタッグを組んだマジック・ドラゴンというのは、覆面レスラ
ーで本名,薗田一治。淵、大仁田と並んで70年代の全日若手3羽ガラスの
ひとり。87年、全日が天龍革命とブロディ復帰で盛りあがる中、タイガー
・ジェット・シンの招きで南アフリカに遠征が決定。しかし、彼を乗せた飛
行機はインド洋に墜落、31年の短い人生を終えた。

・・カブキは二代目

70年頃、「ザ・カブキ」なる歌舞伎の隈取をしたペイントレスラーがデト
ロイト周辺にいた。米良(高千穂)以前の初代カブキである。本名はレイ・
ウルバノ。フィリピン系である。オーストラリアで本名で闘った後、
タロー・サクロとして米本土に上陸。テキサスではトーキョー・トムの名で
闘った。

ほぼ同じ時期に「ムラサキ」なる顔面ペイントレスラーがいた、という話を
聞いたような気もするが、現段階では確認できていない。ともあれ、私が知
った最初の顔面ペイントレスラーは初代「ザ・カブキ」であった。

・・ケンドー・ナガサキも二代目} 

ちなみに、カブキと並んで日本が誇るペイントレスラー、ケンドー・ナガサ
キ(桜田)も二代目である。こちらのほうの初代は60年代末期のイギリス
の覆面レスラーで、ビル・ロビンソンあたりとバリバリやっていた。剣道の
面を模したデザインであったが、今思い出すとほとんど「湯たんぽ仮面」で
ある。68年秋、国際プロレスのダイナマイト・シリーズに来日。このとき
のリングネームは「ミスター・ギロチン」であった。剣道の国日本で、イギ
リス人に「ケンドー」を名乗らせるのはどんなものか、というのが当時の良
心だったのかもしれない。

・・ペイントレスラーの系譜

さて、話を元に戻そう。カブキ(=高千穂)の出現でペイントレスラーはポ
ピュラーなものとなった。この流れの中から84年、ロード・ウォリアーズ
が出現する(85年初来日=全日)。が、この頃ペイントレスラーにまだ市
民権はなかった。というのは、名前は失念したが、84年秋、新日にあるペ
イントレスラーが来日した。しかし、日本では素顔で闘わさせられた。「ペ
イントは邪道だ。」という声が新日関係者からあったと思う。

ペイントレスラーに完全に市民権が与えられたのは、ロード・ウォリアーズ
がインター・タッグ王者となった80年代後期あたりから、なのかもしれな
い。

覆面レスラーだってかつては邪道とされた。59年、来日したミスター・ア
トミックをさして力道山は「覆面じたいが反則じゃないか。」とクレームを
つけたという話がある。覆面レスラーの起こりは、1867年のパリ、アメ
リカでは1915年のマスクド・マーベルである。日本、アメリカで覆面レ
スラーが市民権を獲得したのは、ザ・デストロイヤーがWWA世界ヘビー級
王座を獲得した63年以降のことであろう。覆面王国メキシコではちょっと
早くて1940年頃からだ。

・・技術革新とプロレス

覆面レスラーに比べてペイントレスラーの出現が遅れた理由、これだけでも
きちんと書いていけば1冊の本になるであろう。今回は私の仮説を一つ提出
するにとどめる。それは、「顔料の技術革新」ということだ。つまり、激し
いファイトを行い、汗がダクダク出てきても溶けたり剥がれたりしない顔料
の出現があってペイント・レスラーが登場したということだ。

技術革新とプロレスとの関係はもっと意識されるべきである。テレビ放映は
ロープワークと団体乱立を、カラー放送は覆面のカラフル化をもたらした。
家庭にビデオデッキが定着しなければプロレス中継は今だゴールデンタイム
にあったかもしれない。WWFの勢力増強も、航空運賃の低下なくしては難
しかったであろう。CATV、CS等のニューメディアがプロレスにどのよ
うな影響をもたらしたかもっと注目されてよいことだ。邪道は正道化され、
使い古しのギミックは淘汰される。と同時にルネッサンス、となればいいの
だが、えてして生ずるタイムラグが問題。現在の日本のように。
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