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「プロレス大好き」は主にプロレス史の叙述を目的とした、メールマガジンです。NWA(Nazenara Watashiha Ahonanoyo)というグループに加盟した執筆者達が書いた原稿を、私、茅野三丸がまとめております。

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2007/01/17

バロン・フォン・ラシク特集

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プロレス大好き - Wrestling As I Like It
(略称:プロダイ)2007/1/17(WED) 発行部数150
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国際プロレス・グラフティ ●1971年追加分 Joe Hooker Sr.

・バロン・フォン・ラシクの初来日

バロン・フォン・ラシクが初来日したのは71年10月25日でした。開
幕戦当日の熱戦譜を見てみましょう。

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1971年10月25日、埼玉県深谷市民体育館
試合開始:6時30分、観衆:2500人。

3/60 ストロング・小林、ラッシャー・木村(2−1)
ダニー・リンチ、バジル・リッキー
(1)日本組(15:22 反則)外人組
(2)リンチ(10:20 体固め)小林
(3)小林(4:25 体固め)リッキー

3/45 サンダー・杉山(2−1)ビクター・ロゼッターニ
(1)杉山(8:02 体固め)
(2)ロゼッターニ(4:10 体固め)
(3)杉山(7:35 体固め)

1/30 寺西勇(13:59 反則)ジェリー・ブラウン
バディ・ロバーツ(13:10 4の字固め)アニマル・浜口

1/20 ボブ・チャンバート(10:22 原爆固め)ミスター・珍

1/15 大剛鉄之助(17:43 体固め)稲妻二郎
黒潮太郎(12:35 体固め)紫鬼三
本郷清吉(9:05 片エビ固め)田中隆雄
++++++++++

あれ?ラシクがいません。思い出しました。この試合、テレビで見た記憶あ
ります。まだ見ぬ強豪バロン・フォン・ラシク初来日のシリーズの開幕戦。
ラシクが乗る飛行機の到着が遅れ、メインの試合終了とともに乱入。ストロ
ング・小林にブレーン・クローをかけて血だるまにしたんでした。

ラシクはなぜ遅刻したのでしょうか。直前のスケジュールを調べれば理由が
わかるかもしれません。出てきました。

++++++++++
1971年10月23日【デトロイト】
(WWA世界ヘビー級) 
○ディック・ザ・ブルーザー対バロン・フォン・ラシク●*王座移動
++++++++++

これって、有名なデトロイト興行戦争ですよ。1971年10月23日から
三年半続いた、ブルーザーのWWAとシークの壮絶なあのレスリング・ウォ
ーです。71年9月、日本プロレスに待望の初来日のはずだったザ・シーク
は突然来日をキャンセル。対馬場戦、対猪木戦が流れてしまいました。代わ
りにフリッツ・フォン・エリックの来日です。

シークの来日中止の理由は、「急病」とも「8月27日、ロサンゼルスでボ
ボ・ブラジルにやられて負傷。」ともいわれましたが、実はブルーザーWW
Aのデトロイト進攻が判明し、ロサンゼルスで乗りかけた日本行きの飛行機
をキャンセル、善後策協議のため、デトロイトに戻ったのでした。シークが
コボ・アリーナで興行を打つのは月2回。ところが、71年10月からは月
4回です。試合を見る限り、シークのオッサンは何を考えているかわかりま
せんが、実は色々と考えていたのです。

そして興行戦争の幕は切って落とされました。ラシクの初戦欠場はあらかじ
め知らされていなかったと思います。国際プロレスとラシクが10月25日
からの契約を結ぶ段階では興行戦争もラシクのデトロイト参戦も決まってい
なかったのかもしれません。

ところで、10月23日の試合終了後、デトロイトから当時の東京国際空港
(羽田)へ、更に羽田から優に2時間はかかる埼玉県深谷に10月25日の
夜八時半に着くのって、きついんじゃないでしょうか。

考えても見て下さい。デトロイトで試合が終わるのが夜11時。すぐに東京
行きの飛行機がありますか?24日の朝に飛行機に乗るとして当時東京への
直行便があったでしょうか。あったとしても東京に着くのは24日の深夜。
もしくは25日未明。ただしこれはアメリカ中西部時間です。日本時間なら
25日の夕方といってもいい時刻。で、深谷なんです。

まさしく、かけつけ一杯どころの話ではなく、会場に入るとともにリングサ
イドに急行し、ブレーンクローを一発。プロやなあ。

というわけで、デトロイト興行戦争のとばっちりはシーク来日キャンセルの
日本プロレスだけでなく、国際プロレスにも及んでいたのでした。

++++++++++
1971年10月23日【デトロイト】  
オリンピア・スタジアム(WWA)  4125人
(WWA世界ヘビー級) 
○ディック・ザ・ブルーザー対バロン・フォン・ラシク●*王座移動
(WWA世界タッグ) ▲ウイルバー・スナイダー、ポール・クリスティ対
ブラックジャック・ランザ、ブラックジャック・マリガン▲
(WWA世界女子) ○コーラ・コム対サラ・リー●
○ビル・ミラー対ムース・ショーラック●
○ザ・プロフェッショナル(ダグ・ギルバート) 対ジョニー・ケイス●
△アンジェロ・ポッフォ対ケニー・デリンジャー△
○ダン・ミラー、リッキー・コーテッツ対
フランク・アドニス、フレディ・ロジャーズ●
++++++++++
1971年10月23日【デトロイト】  
コボ・コンベンション・アリーナ(NWA) 8748人
(NWA世界ヘビー級) 
○ドリー・ファンク・ジュニア対アーニー・ラッド
(USヘビー級) ▲ボボ・ブラジル(反則)ブル・カリー
○ジョニー・バレンタイン対ロッキー・ジョンソン
○アル・コステロ、ドン・ケント、ディンゴ・ザ・サウンドナー、
クリス・トロス対
デュウィ・ロバートソン、マイティ・イゴール、ルー・クライン、
フレッド・カリー
▲ルーク・グラハム対ゴリラ・モンスーン
▲パット・オコーナー対サイクロン・ニグロ
○ミル・マスカラス対フレッド・ブラッシー
○エディ・グラハム対バディ・フラー
(ミゼット) ○ジョーイ・ラッセル、ピー・ウィー・アダムズ対
スカイ・ローロー、フレンチ・ラモント
○ジェス・オルテガ対ジェントル・ベン(熊)
○ハンス・シュミット対イワン・カルミコフ
++++++++++

ラシクの珍記録 小泉悦次

ここでラシクの珍しい記録を紹介します。

国際プロレス、新日本プロレス、全日本プロレスの三団体のリングに上がっ
たレスラーには、ビル・ロビンソン、ダスティ・ローデス、ラリー・ヘニン
グ、アンドレ・ザ・ジャイアント、リック・フレアーなど沢山いますが、そ
れをある一年の内に達成したのはいません。ところが、ラシクは77年、ア
メリカでNWA、AWA、WWWFの三団体に上がっているんですね。もち
ろん、NWAは団体が集まった団体ですから、日本と比較するのは何なんで
しょうけど。

こんな感じです。

1月7日、ラシクの77年はAWAシカゴで始まりました。マッドドッグ・
バションと組んで、ザ・クラッシャー、ビリー・フランシス組に敗れていま
す。そういえば、今東京・高円寺に住んでいるビル・ロビンソンは、ラシ
ク、バションに会いたがってます。アメリカで出会った中では数少ない素晴
らしいレスラーのうちの何人かだと語っています。

21日にはNWAセントルイスでディック・ザ・ブルーザーと引き分け。3
月6日のAWAセントポールでの対ペドロ・モラレス戦を終了すると、WW
WF入りし、9日にはバンガーという街でスタン・スタージャックと組んで
チーフ・ジェイ・ストロンボー、ビリー・ホワイト・ウルフに負けました。

19日にフィラデルフィアでイワン・プトスキーに反則すると翌日は南下
し、NWAノースカロライナ州グリーンズボロでジャイアント・馬場のもつ
PWF王座に挑戦しました。そしてすぐにニューヨークに戻り、28日には
MSGでブルーノ・サンマルチノのもつWWWF王座に挑戦。「一年で」ど
ころの話ではなく、3ヶ月で3団体制覇を達成しています。

4月30日にはボルチモアでトニー・ガレアと30分時間切れ引き分け。こ
の日、サンマルチノがビリー・グラハムに敗れ、王座から陥落しました。と
いうことは、ラシクはMSGでのサンマルチノの防衛戦最後の相手だったと
いうことになります。

翌月には全日本プロレスに来日。5月27日、東京・福生でマリオ・ミラノ
をパートナーに、鶴田、羽田組に反則負け。羽田の凱旋帰国試合でした。
30日には札幌で鶴田のもつUNに挑戦しています。このシリーズではかつ
てAWAでタッグを組んだ、ホースト・ホフマンと一緒でした。先日亡くな
った大木金太郎ともやってます。ブレーン・クローと石頭、見たかったです
ね。デストロイヤーとのグランドの攻防も興味をそそります。

日本から帰ると、再びWWWFへ。ザ・ロックの母方祖父にあたるピータ
ー・メイビアがAWAから追いかけてきて、抗争です。8月14日にオハイ
オ州スチューベンビルでのイワン・プトスキー、ピーター・メイビア組との
対戦(パートナーはケン・パテラ)を終えると、翌日からはNWAミッドア
トランティック地区に移ります。3月の参戦はこのときのための顔見世であ
り、また、テレビを通じての日本への顔見世でもあったということになりま
す。ここではワフー・マクダニエル、ボボ・ブラジル、リッキー・スティン
ボート(10月12日ローリーでミッドアトランティックテレビ王座を奪
取)、ミスター・レスリング(ティム・ウッド)らと闘い、そして時々セン
トルイスにも顔を見せて、慌しかった77年を終えることになります。
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【お知らせ】
たのしい!ためになる勉強会!メンバー大募集

「スネークピットキャラバン(Snakepit Caravan)」

次回は、2006年2月3日(土曜日)
時間:14時30分〜 
会場:スネークピット・ジャパン(高円寺) 
スペシャルゲスト:
かつてNWAミッドアトランティック地区のスター、キム・ドク

詳しくは、
http://www.uwf-snakepit.com/caravan.html
http://www.uwf-snakepit.com

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