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大学で国史学を学び、なぜかSEになり、さらに独立してIT系PJのマネジメントコンサルで食べているという「変」な男が歴史上の人物の事跡からすぐに役立つプロジェクトマネジメントの教訓をお伝えします。「賢者は歴史から学ぶが、愚者は経験から学ぶ」です!

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2008/07/06

[歴史上の人物に学ぶPM]最終回 歴史上と現在にメンターを

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「歴史は何も教えない。ただ、学ばない者を罰するだけだ」
               ワシーリー・クリュチェフスキー

歴史から学ぼうというメルマガは数多かれど、取り上げる人物のマ
ニアック度では、まぐまぐ一(たぶん)!

[歴史上の人物に学ぶプロジェクトマネジメント]

               最終回 歴史上と現在にメンターを
――――――――――――――――――――――――――――――
■今回のテーマ

プロジェクトマネージャー、リーダーにとって最も大事なこととは
なんでしょうか?
――――――――――――――――――――――――――――――

前回、号外とはいえセミナーの宣伝に費やしたからでしょうか、今
までにない大量の解除がありました。それが主な理由ではないので
すが、自分にとってこのメルマガはすでに役割を終えたという思い
が日に日に強くなってきました。

もちろん読者あってのメルマガであり、自分の思いだけでやめるの
はどうかとも思います。ただ熱意がなくなってきたのは、明らかで
あり、それが大量解除につながったのではないかと思えております。


まあ、迷ったのですが、それならたまたまキリのいい回数だったら
やめようと数えてみました。そうしたら、今回がちょうど50本目!


ということで、今回を最終回とさせていただきます。


長い間ありがとうございました。

最終回ということで、気合いをこめて、今最も大事だと思うことを
書きます。多少見直していただけた方は、こちらのメルマガへ移行
をお願いいたします。

→ http://archive.mag2.com/0000260566/index.html


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Q:プロジェクトマネージャー、リーダーにとって最も大事なこと
とはなんでしょうか?
A:孤立しないことです。そのためには・・・
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-- プロジェクトリーダーにもっとも大事なこと --------------


プロジェクトリーダーだけではなく、どんな仕事であろうと、人間
が折れるときは、孤立してしまった、孤独になってしまったという
ことに尽きると思うのです。

孤高の人というのもいますが、実際には孤独でも大丈夫という人は
いません。みな周りに支えられて生きています。

話をプロジェクトリーダーに限って言うと、孤立してしまう原因の
ほとんどが正しく効果的な管理のやり方をしていないことにありま
す。

いくら立派な心構えを持っていても、いくら本当は人格者であろう
とも、管理のための管理を押し付けたり、実際に問題が起こったと
きの対処のしかたを知らなければ、部下から見捨てられ、上司から
は見放され、顧客からは排斥されます。

プロジェクトリーダーの職責とはそれほどシビアなのです。なりた
がらない人が多いのもうなづけます。


では、正しく効果的な管理とは、それほど難しいものなのでしょう
か?


ぼくはそうは思いません。プロジェクトマネジメントの押さえてお
くべきスキルは大してありません。WBSの作り方、EVMSによる進捗・
コスト管理、品質特性(ISO9126)と品質保証(ISO9001)。ざっと
思いつくところで、この程度です。

これらは現場ではかなりおざなりにされ、あからさまにバカにする
人もいますが、それは逆にみなさん難しく考えすぎなんです。

逆に大事なのは、これらのスキルをリーダー個人が使うのではなく、
プロジェクトチーム全体で使うということです。これが分かってい
るリーダーは少ない。

巻き込む力がリーダーには必要です。巻き込むのにカリスマ性が必
要なのではありません。みんなが納得するのはどういうやり方か、
それを一生懸命考えるだけのことなのです。


-- 人間力とは? ------------------------------------------


スキルに関しては以上で十分なんです。上にあげたようなことを正
しく理解する。それだけ。スキルの習得は集中してするべきです。

集中して勉強し、現場で使ってみる。ひきだしを増やす方法はそれ
しかありません。経験だけがひきだしを増やしてくれます。読書量
ではない。

さきほどスキルがないとダメと書きました。同様に人間力も必要で
す。

人間力のないスキルはむなしい。しかしスキル(問題解決という意
味で)がない人間力も同様です。これらは両輪です。


それでは、人間力とは?


これもみなさん難しく考え過ぎです。


ぼくは、この1年ぐらい、人間力のある人とはどんな人だろうと、
観察し、考察してきました。


人間力のある人は、ものすごくシンプルな原則で動いていることが
ようやく分かりました。


あきらめない。


それだけなんです!びっくりです。


  仕事をあきらめない。

  周囲の人をあきらめない。

  自分をあきらめない。

  社会をあきらめない。


もう、これだけ。


成功するまでやる。これだけ。


笑ってしまうぐらい単純です。


人間力のある人は、思い込みが激しいというのは、みなさんもうす
うす感じていると思うのですが、その裏には、こういう原則があっ
たのです。


ここで、最初の話につながります。


あきらめないためには孤立してはダメなんです。周りの応援がない
と無理。人間そんなに強くないんです。


あきらめないために孤立もしない。そのことだけを突き詰めて考え
ていけば、プロジェクトにおけるトラブルで解決しないものはあり
ません。


世の中単純なんです。難しく考え始めると、どんどん気分が落ち込
みます。それは難しく考えることが解決につながらないからです。

シンプルな行動原則を持ちましょう。


-- 福島正伸先生と吉田松陰先生 ----------------------------


福島正伸先生を知らない方は、こちらをご覧ください。

http://www.entre.co.jp/jiritsu/index.html


福島先生が歴史に名前を刻むのは、明らかだと思います。

なぜ、そんな断定ができるのか?


それは、過去に吉田松陰先生(福島先生に先生をつけるなら、吉田
松陰と呼び捨てにはできません)という方がいたからです。


松陰先生は、1859年に29歳で亡くなりました。来年が没後150年にな
ります。

びっくりするのは享年です。29歳!。ものすごく立派な言葉を残し
ています。昔の29歳は、今よりもっと成熟していたとはいえ、早熟
もいいところです。なにしろ10歳のときに藩主に山鹿流兵学を講義
したというのですから。


弱冠29歳で亡くなった人が、いまだに日本史上最高の教育者の一人
であり、現在でも60歳を超えるような人たちが、先生として崇めて
いる − その理由は何でしょうか?


それは、明治維新の立役者である長州藩士たちに大いなる薫陶を与
えからです。

松陰先生自体が素晴らしい人であるのは間違いないのですが、明治
維新がなければ、歴史に埋もれていたと思うのです。

松陰先生には、学問上の大きな業績があるわけではないからです。

この点、当時の教育者として並び称される緒方洪庵先生には、日本
最初の病理学書『病学通論』という業績があります。洪庵先生は、
明治維新がなくても、それだけで歴史に残ったことでしょう。


松陰先生は偉大な教育者です。教育者が歴史に名を残すのは、その
弟子たちが歴史上の業績を残したときです。


福島先生をメンターと思っている人は数限りなくおり、その中には
歴史に名前が残りそうな人が何人もいます。


福島先生の名前が歴史に残るのは確実とぼくが断定する理由は、こ
こにあります。


さて、福島先生と松陰先生。この二人の発言は非常に似通っていま
す。人が集まってくる人の発言と言うのは、こういうものなんだな
ということがよく分かります。

列挙します。味わってください。(松)が松陰先生、(福)が福島
先生です。


(松)鞠躬(きっきゅう)力を尽し、死して後已(や)む
 鞠躬とは身を屈めてかしこまる様子で、謙虚にというぐらいの意
 味です。やめるのは死んだあとだけだというは、逆を返せば、で
 きるまではやめないという意味です。
(福)あきらめない限り人生に失敗はない

(松)能はざるに非ざるなり、為さざるなり
 できないのではない、やらないのである
(福)できるかできないかではなく、やるかやらないか

(松)一朝の苦を顧(おも)うて、遂に千載の図を空しうするなか
 れ。
 一時的に苦しいからと言って、雄大な計画を途中で投げ出しては
 いけない
(福)万策尽きた時、あきらめないという名案がある

(松)心は小ならんことを欲し、肝は大ならんことを欲す
  心は細心であり、肝っ玉が太いことを望む
(福)慎重に、慎重に、頭から突っ込む

(松)機来り事開きて成す能はず、座して之れを失ふものは人の罪
 なり
 チャンスが来て事業を始めたのに、何もせずにこのチャンスを失
 うのは罪である
(福)偶然は努力の結果

(松)人一日此の世にあれば(中略)何ぞ一日の学問、一日の事業
 を励まざるべけんや
(福)一時間の使い方がその人の生き方である

(松)挫するなかれ、折くるなかれ。神州必ず亡びざるなり
(福)ここでの会話が日本を変える

松陰先生の言う「志」と福島先生の言う「夢」が、重なり合うよう
に自分には思えます。

あきらめない原動力が、松陰先生は「志」であり、福島先生は「夢」。
それだけの違いだと思うのです。


あきらめない原動力があることが大切です。それは現世的な欲望で
はどうもないようです。

人間、ある程度のお金は必要ですが、自分が必要な分に達すると、
なかなかお金では動かなくなるものです。

会社を辞めたいと思うときに、給料を倍にするからという引き留め
方では、やっぱり辞めますよね?


-- メンターを持ちましょう --------------------------------


孤独に陥らない、孤立しない ― これこそがリーダーにとって、
一番大事なことと書きました。

こうならないように一生懸命考えて行動すれば、プロジェクトにお
けるトラブルはすべて解決すると言いました。

本当にこれだけなんです。単純です。

こういうことが分かるようになったのは、ぼくがメンターを持つよ
うになったからだと思います。


メンターというと、絶対服従の師匠と思う人がいるようです。ぼく
は昨日、そのような考えがあることを初めて知りました。世の中に
メンターという言葉に抵抗感がある人が多いのは、このような考え
方があるからでしょうか?


ここで言うメンターの意味はかなり違います。

メンターの定義は、福島先生によります。

  相手をやる気にさせ、相手の持つ可能性を最大限に発揮させる
  ことができる人

言い方を変えると、

  依存型の人に見本を見せ、信頼を得て、支援し、自立型の人材
  に育成することができる人

です。

さらに言うと、

  自分が成長することで、人を成長させることができる人

です。


こういう人を持つのが、孤独に陥らなくなるもっとも簡単な方法だ
と思うのです。


できれば、歴史上の人物と現在生きている人の両方をメンターとし
て持ちましょう。時代が違う二人の人物を比較することで、メンタ
ーが一人のときより、ずっと得ること、気付くことが多いからです。


ぼくは福島先生と松陰先生を比較して、共通なところが多いことに
安心もしましたし、またあきらめないためのよすがは夢でも志でも
何でも構わないが、現世的な欲望ではないことを知りました。

福島先生の言うことがよくわからないときには、松陰先生が答えを
だしてくれますし、またその逆もありました。


歴史上の人物にプロジェクトマネジメントを学ぼうという主旨のメ
ルマガでしたが、結局今日の話で言い尽くすことができたと思いま
す。


リーダーたらん人は、メンターを持ち、自らもメンターになろう。


これが最後のメッセージになります。


長い間、ご愛読ありがとうございました。


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■編集後記


プロジェクトマネージャ、リーダーとしての心構えは、本当に今日
書いたことだけだと思うのです。

このことをもっと事例紹介等で深めていくという方向性もあると思
うのですが、実は別のメルマガで毎日それをやっています。

今回の話に賛同してくださる方は、ぜひ、下のメルマガに移行して
くださればと思います。

→ http://archive.mag2.com/0000260566/index.html


本メルマガは終わりますが、今後ともご縁が続けば、ありがたいこ
とだと思います。

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■ 株式会社ITブレークスルー
代表取締役: 森川滋之

URL :http://itbt.biz

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