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2007/01/12

公認会計士監査論 CPA-AUDIT.com Vol.010

公認会計士監査論 CPA-AUDIT.com Vol.010 2007/01/12

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■Q1.難易度:★☆☆(入門レベルですね♪)

次のうち,必要な監査手続が実施できなかった場合の監査報告
とならないものはどれか?

1 無限定適正意見
2 限定付適正意見
3 不適正意見

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▽ 受験に役立つ心理学 ▽
 分散学習 〜見直しの周期

 これまで数回にわたり,記憶の定着のためには見直しが重要
であることを説明してきましたが,今回は見直しの周期につい
て説明します。

 学習する内容を反復する方法には,間を置くことなく繰り返
して学ぶ「集中学習」と,連続して同じことを繰り返すのでは
なく,ある程度の時間を置きながら学ぶ「分散学習」の2つが
あります。

 一般に,同じ勉強量を前提とした場合,集中学習より分散学
習の方が記憶が定着しやすいと言われています。学内試験を一
夜漬けで何とか突破しても,その翌日にはすっかり内容を忘れ
てしまっている経験もあることでしょう。

 つまり,「a)企業法4時間→監査論4時間」よりも「b)企業
法2時間→監査論2時間→財務会計論2時間→監査論2時間」
の方が効率的なのです。

 このような現象が生じる理由としては諸説ありますが,反復
練習の際には学習対象を思い出す反応と同時にその反応を抑制
する力が生じており,この力は時間を置くことで弱くなると言
われています。そのため,少し忘れかけた頃に見直した方が記
憶として定着しやすいということのようです。
 
もちろん,最初に学習する際には記憶が確立されていないため
やや早めに見直しを行うことが必要です。あまりしっかり覚え
ていない部分は短い周期で見直し,そこから少しずつ周期を長
くしていくことが上手な記憶法と言えるでしょう。

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■A1.正解:3

必要な監査手続が実施できなかった場合には,虚偽の表示の存
在が明らかになっているわけではない以上,「不適正意見」を
表明することは考えられません。除外事項の種類・意味と監査
報告上の対応については基本中の基本なので,確実に押さえて
おきましょう。

1:監査手続が実施できなかったことの影響が軽微である場合
には無限定適正意見となります。
3:影響が重要であるものの,監査意見を表明しないとするほ
どに著しく重要な影響がない場合には,限定付適正意見となり
ます。これに対して著しく重要である場合には意見拒否となり
ます。

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続いてQ2!!

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■Q2.難易度:★★☆(実施の意図に着目すればカンタン)

次のうち,運用評価手続を実施しない場合はどれか?

1 内部統制が有効に運用されていると想定する場合
2 実証手続だけでは十分かつ適切な監査証拠が入手できない
場合
3 内部統制が有効に運用されていない可能性が高いと判断し
た場合

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▼ かんたん用語解説 ▼
 リスク・アプローチ
  risk-based approach

 重要な虚偽の表示が生じる可能性が高い事項について重点的
に監査の人員や時間を充てることにより,監査を効果的かつ効
率的なものとすることができる監査の実施の方法(出典:監査
基準委員会報告書第26号「監査実務指針の体系」(日本公認会
計士協会・平成16年12月6日))

 要するに「危ないところは手厚く,そうじゃないところはそ
れなりが要領いいでしょ」という考え方。

 この考え方は,責任ばかりが増大しやすいアメリカで,より
効率的に監査を行うことを正当化する理論的な枠組みとして会
計士の立場から編み出されたものでしたが,その後続発する会
計不祥事をキッカケとして「過度のリスク・アプローチ」が問
題視されるようになりました。

 一言でいえば「手の抜き過ぎ」ですね。理屈から言えば危な
いところはシッカリやるべきところ,リスクが低いと主張する
根拠を溜め込んで評価を甘くして,十分な時間や人員を手当て
しなかったのではないかと問題視されたのです。

 そこで,この反省からリスク・アプローチの枠組みには改善
が加えられ,リスクを見つけて抑え込むことを最重要課題と位
置付け,監査手続(運用評価手続と実証手続)の方向性を致命
的に決定づけることとなるリスク評価を周到に行うべきことが
求められるようになりました。

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■A2.正解:3

運用評価手続は,内部統制の有効性についての監査証拠の入手
を通じて実証手続を削減する意図をもって行われます。

内部統制が有効に運用されていないことについて証拠をどれだ
け収集したとしても,実証手続の削減を正当化することはでき
ません。

そのため,内部統制が有効に運用されていない可能性が高いと
判断した場合には,運用評価手続を実施せず(=内部統制に依
拠せず),実証手続のみによって十分かつ適切な監査証拠を入
手することとなります(実施基準三2参照)。

1:内部統制が有効に運用されていると想定する場合には,運
用評価手続を実施して実証手続の削減を図ることとなります。
2:実証手続だけでは十分かつ適切な監査証拠を入手できない
場合とは,実証手続のみによるアプローチでは監査コストの制
約を超過することを意味します。そのため,実証手続に係る監
査コストを制約内に押さえる意味で,運用評価手続の実施が必
須となります。

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《正誤のお詫び》
 本メールマガジンNo.006(2006年12月15日発行)Q2につき
以下の正誤がありました。深くお詫びいたします。

(誤)
1 監査業務に係る審査が終了していること
2 監査意見の合理的な基礎が得られていること
3 監査人が独立の立場にあること

(正)
1 監査業務に係る審査が終了していないこと
2 監査意見の合理的な基礎が得られていないこと
3 監査人が独立の立場にないこと

《編集後記》
 今週も気が付けば金曜日になってしまい,先週に引き続き定
時発刊できずに申し訳ありませんでした。
 さて冒頭に記しましたが,お陰様で本メールマガジンも読者
数 100名を突破しました。今後とも宜しく御願いします。

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