2006/11/24
公認会計士監査論 CPA-AUDIT.com Vol.003
公認会計士監査論 CPA-AUDIT.com Vol.003 2006/11/24 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ★☆★☆★☆★☆ 祝・読者数50名突破! ★☆★☆★☆★☆ ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■Q1.難易度:★☆☆(小手調べ小手調べ♪) 次のうち,経営者が提示する財務諸表項目に対して監査人が設 定するのは? 1 監査要点 2 統制目的 3 作用点 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽ 受験に役立つ心理学 ▽ 想起と記憶 〜インプットの方法論(II) はてさて前回は五感を活用することがインプットを効率的に 進めることをお伝え致しましたが,今回はその続編です。 今回は普段話していることではありますが,「アウトプット を意識したインプット」の重要性についてです。「授業とかテ キスト見てると分かるんですけど,いざ問題に挑むと書けない」 という方も少なくないようです。 確かに分かっているけど書けない,そのモドカシサは良く分 かります。ただ,それが書けないことには点数につながらない のが試験であるのも事実です。場合によってはド典型論点なの にド忘れなんて事態も,怖いようですが現実に起こる話です。 そこで,そんなアナタにお勧めなのが,知識が維持されてい るかどうか,的確にアウトプットできるかどうかを確かめるた めに行う「想起」(思い出すこと)です(何だかTVショッピ ング口調になってきました。アブトロなんとかみたいですね。 最近の流行はメタボリなんとかですが)。 気を取り直して本論。復習の際にテキストやレジュメを眺め て「分かる分かる。」と思うだけ止まりの方も結構多いようで す。でも,それだけでは,知識を単に照合しているだけで,い ざアウトプットが求められたときに的確にアウトプットできる 保証(≒安心感)は得られません。 脳にとってはインプットとアウトプットは基本的に別モノで あると言われます。的確なアウトプットのためには,引き出し から知識を取り出す練習としての想起を行うことが重要となる のです。 例えば「監査の限界は?」「内部統制の目的と基本的な要素 は?」といったように,いざ出題された状況をシミュレートし て知識を確認しておくことで,実際に出題された時にもスムー ズに思い出すことができるようになります。引き出しのレール に油を塗る作業ですね。「暗記カード」の類は,こうした経験 的な蓄積の賜物なのでしょう(パブロフの犬みたいですが,馬 鹿にしたものではありません。)。 ただし,問題文から連想して関連論点を思い出せるところま ででは,まだ50点,これで安心してはいけません。大切なのは その問題を通して出題者はどのような価値観・考え方が習熟で きているかを試そうとしているかを模索する姿勢です。 問題文自体はストレートにQ&A的な問い方をする形の方が むしろマレです。おそらく多くの受験生は,受験直前には1行 の問題文に関連して大量の知識が思い浮かぶところまではたど り着けます。そこで全てを吐き出すことを至上命題にするので はなく,最終的に辿り着くべき結論と,そこに至るための部品 (パーツ)はどれか,またどの知識は蛇足だから断腸の思いで 切るかを慎重に判断して「問題文に則した解答を作ること」, ここまで出来て 100点ということになります。 解答作成上,十分気を付けて頂きたいポイントの一つです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■A1.正解:1 監査人は,経営者の提示する財務諸表項目に対して,個別具体 的な監査手続上の立証目標として「監査要点」を設定します。 2:統制目的は,正当性や網羅性,適時性,実在性等,財務諸 表上の経営者の主張の妥当性を担保するために,経営者が統制 活動によって達成しようとする目的のことをいいます。 3:作用点は,監査論用語ではなく,力学用語です。シーソー でいうところの真ん中が「支点」とすると,ジャイアソが乗る 位置が「力点」,吹っ飛ばされてしまうノヒタが座っている位 置が「作用点」です。ベタベタです。すいません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 続いてQ2!! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■Q2.難易度:★★★(う〜ん,ムツカシイ。) 次のうち,仲間ハズレはどれでしょう? 1 質問 2 閲覧 3 観察 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ かんたん用語解説 ▼ 試査 test basis 特定の監査手続の実施に際して,母集団からその一部の項目 を抽出して,それに対して監査手続を実施すること(出典:監 査基準委員会報告書第9号「試査」(日本公認会計士協会・平 成14年11月18日)6項) 要するに,財務諸表に載っかっている数字の内訳・根拠につ いて全部目を通すことなく適否について結論付けする手法です。 「え!?それで平気なの!?」と思う方も多いかもしれません。 特に,最近のBSE問題では「科学的に安全性が合理的に保証 されている」との米国の主張を日本は認めず,全頭検査を要求 していることもあり。。。 とはいえ,人の生き死にの問題と,開示情報の信頼性確保の 問題とを同じ土俵に上げることには無理があります。こと開示 される財務諸表がその目的(=利用者の意思決定情報)にかな っているかどうかという観点からすれば,もともと企業評価を 誤らせることのない多少のブレは問題とする必要はありません し,そのレベルでのブレを見つけるために会計士が骨を折り, 結果,会社に請求する報酬額が巨額になるようでは,最終的に は,そのツケが企業から投資家(利害関係者)に回ってくるだ けの話なのです。 つまり,人の生き死にの問題とは問題の質が異なるのです。 この意味では,あくまで財務諸表の利用者が企業の状況に関す る判断を誤らせない程度の精度(正確さ)で財務諸表が作成さ れている限り問題はないという発想は,むしろ監査人側だけで はなく,利害関係者もまだ歓迎するところであり,こうした関 係者の総意の下で,「基本的には全部は見ない」という試査が 採用されているのです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■A2.正解:3 質問や閲覧は,どのような監査対象項目についても適用するこ とができる監査手続(一般監査手続と呼ばれます。)であるの に対して,観察は,事業所の状況など適用することができる項 目が限られている監査手続です(個別監査手続と呼ばれます。)。 試験では特定の監査対象項目についてどのような監査手続を実 施することが考えられるかを問われることもあります。この場 合,分からなければ覚えている8個の監査手続のなかでも,一 般監査手続に相当するものを挙げるのが常套手段の一つです。 ただし,わざわざ項目を挙げて問われていることからは,せめ てその項目に関連する内容として示せるようにしましょう。 例えば,後発事象の監査手続と問われたら,開示が十分適切に 行われているかどうかを確かめる手段を考えて「取締役会や株 主総会の議事録」の閲覧,「有無や内容について」経営者や従 業員に質問といったように,具体的な対象・内容を含めて解答 を用意することができるかどうかが得点につながるかどうかを 分ける重要なポイントとなります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《お知らせ》 ◎平成18年度公認会計士試験の合格発表がありました。 → http://www.cpa-audit.com/news/061120.html ◎四半期レビュー基準,内部統制の評価・監査の実施基準の公 開草案が公表されました。 → http://www.cpa-audit.com/news/061122.html 《編集後記》 時間が経つのは早いもので,早3号です。なぜか本試験発表 前後して読者数急増。気が付けば50名を超えていました。登録 ありがとうございます。ご期待にそえるよう,今後とも頑張り ますので,宜しく御願いします。 「こういうテーマで記事を作って欲しい!!」といった御要 望等ありましたら,管理人まで御連絡ください。 → http://www.cpa-audit.com/query.html −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「公認会計士監査論 CPA-AUDIT.com」ID:0000215094 ・発行者:CPA-AUDIT.com http://www.cpa-audit.com/ webmaster@cpa-audit.com ・マガジン登録・変更・解除はコチラ → http://www.mag2.com/m/0000215094.html (c) 2006 CPA-AUDIT.com All rights reserved. 転送許可不要ですが,著作権は留保しますので転載に際しまし ては御一報ください。


