2009/10/19
[第71号]◆気軽に読む医薬翻訳ニュース・マガジン
産経新聞10月10日号のfrom Editorに次のような言葉が載っていました。 「新聞というメディアの魅力は、セレンディピティー(偶然から幸運を導 き出す力)にあふれている点です。ネットのニュースでは、興味の無い ものにはクリックしない。でも、新聞の場合、興味が無くてもふと目に 留まることってありますよね」 そうなんです。ITが進んでネットで情報を取れると言っている人々は、 自分の興味の範囲しか情報を得ていない場合があると思います。 冒頭の言葉、現代の情報収集を考える上でも興味深い言葉です。 続きは、編集後記で。 http://adventure.on.coocan.jp/journal/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ◆第70号◆ 気軽に読む医薬翻訳ニュース・マガジン No.71 2009 vol.9 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 本メルマガでは最新の医科学論文、ITトレンドと雑学をお届けしています。 ━━━━━━━━━━━━━━ http://www.mag2.com/m/0000214844.html ★ [医学用語の雑学] ★ テロメア ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━………‥・ 10月5日に発表された2009年のノーベル医学生理学賞は「寿命のカギを握 るテロメア(telomere)とテロメラーゼ(telomerase)の仕組みの発見」 でした。テロメア研究の詳細はあちこちに書かれていますので、ここでは 言葉の語源を基にした雑談を少しいたしましょう。 telomereのmereは部分(ギリシャ語でmeros)という意味があります。 染色体の末端にはTTAGGGというDNA塩基配列を繰り返している部分があり、 この末端部は細胞分裂のたびに短くなり、約50回の分裂で分裂不能になる と言われます。 これは、貯金を使い切ってしまうと生きられなくなる。つまり、なぜ、生 き物に寿命があるのか?の謎の一端を表しているのです。 はじめてテロメアのことを聞いたとき、わくわくした事を思い出します。 面白いことに生殖細胞とがん細胞はテロメアが短くなってしまっても、減 ったテロメアDNAを付加してする作用のある酵素を持っています。それがテ ロメアーゼです。したがって、テロメアとテロメアーゼの研究は、老化や がん化との関係が注目されるわけです。 さて、この末端を現すテロメアのmereという単語ですが、日常生活で使う 英語としては、次のような使われます。 ■ Ken weighs mere 40 kilograms. ケンの体重はほんの40キロです。 ■ He is a mere ten years old, but works in the factory. 彼はまだたったの10歳なのに、工場で働いている。 ほんの些細なこと(mere trivia)ではありますが、生物の設計図である DNAの端っこにあるたった数個の塩基配列の繰り返しが、生命にとって その終わりを決める重大な役割をしているのでした。 終わりといえば、脳の終わり終脳(telecephalon)に使われる接頭語、テ ロス(telos)は、テロメアの先頭に使われているtelo-ともつながってい ます。 テロメアは生命を「完成」させるために重要な設計図の「端っこ」として、 「端っこ」と思われがちな基礎研究(繊毛虫という単細胞生物で発見)から 見つかりました。 単なる感傷(mere sentimentality)かもしれませんが、テロスには終わり という意味だけでなく、完成、完全という意味もあるそうです。 世の「端っこ」で頑張っている人々もまた、この世の中を「完成」させる のに重要な役割を担っているのです。 ★ [Web紹介] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━………‥・ 病気がわかるWEB大賞 https://www.qlife.jp/award/ 病院検索サイト「QLife(キューライフ)」が新聞社と協力して製薬 会社が開設している「疾患啓発サイト(患者やその家族向けに病気のこと を詳しく解説するホームページ)」の存在を広く知ってもらうために開催 する。 一般部門(「うつ病」「インフルエンザ」「ADHD」「頭痛」「糖尿病」) 特定疾患部門(「パーキンソン病」「クローン病」「潰瘍性大腸炎」) 女性に多い疾患部門(「乳がん」「子宮筋腫」「骨粗鬆症」) があり、それぞれの疾患を理解する手助けになるでしょう。 ★ [文献紹介] ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━………‥・ ▼終末期医療への緩和ケアによるQOL改善評価 [Am J Respir Crit Care Med] ワシントン大学のJ Randall Curtisらは緩和ケアによるQOL改善を目的とした 介入の有用性を評価し、緩和ケアに対する家族のアウトカム改善や満足度を さらに高めるためには、より直接、家族にアプローチすることが必要だと報告 しました。 http://bit.ly/fv0av ▼賢い妻は夫の死を低減させる [J Epidemiol Community Health] 個々の社会経済的なポジション(教育、社会階級、社会的状態、収入)が死 亡率と関連するといわれてきましたが、家族におけるパートナーの死亡率に 対する影響ははっきりしていませんでした。ストックホルム大学の研究者に よって、学歴の高い妻、収入の低い夫が死亡のリスクになることがわかりま した。 http://bit.ly/3EQnWS ■2009年イグノーベル賞受賞 大真面目ではあるが、ちょっと風変わりなユーモアあふれる世界的研究に送 られるイグ・ノーベル賞。そのいくつかを取り上げてみました。 ▼Medicine Prize(医学賞) 指関節を鳴らすと関節炎になるのだろうか? http://bit.ly/17SrZx ▼Biology Prize(生物学賞) パンダの糞を集める男 [Ig Nobel Prizes 2009_] http://bit.ly/3EPBSE ▼Peace Prize(平和賞) 空瓶と中身の詰まったビール瓶はどちらの破壊力が強いのか? http://bit.ly/4kWZlN ▼Veterinary Medicine Prize(獣医学賞) 乳の出を良くする方法 http://bit.ly/4qg15g ▼Public Health Prize(公衆衛生賞) ブラジャーの緊急時転用法 http://bit.ly/15oJC2 ★ [書籍紹介] ★ 本メルマガはブッククロッシングの活動を応援中! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━………‥・ このコーナーでは、最近読んだ本の中から面白かった書籍を紹介しています。 ■この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) 西原 理恵子 (著) カネの話というよりも、生きることの過酷さと楽しさを分かりやすく、面白 く伝えてくれる。軽妙な語り口の中に人生を良く生きる極意が含まれている ように思った。 本の評価★★★★ http://bit.ly/45umBn ■本気の教育でなければ子どもは変わらない (シリーズ教育を考える) 荒れていた公立中学校の教育を建て直し、陸上部を宣言どおりに3年目で 日本一にした教師の手法。心のコップを上向きにし、物事をやり切ること を徹底指導する彼の言葉は、なにか心を熱くさせるものがありました。た だの教育論ではなく、人生に役立つ一冊に感じました。 本の評価★★★★★ http://twurl.nl/qbmcte ---------------------------------------------- ブッククロッシングジャパン http://bookcrossing.jp/ ---------------------------------------------- http://www.bookcrossing.com/mybookshelf/windfall/page_1/statusfilter_0 「世界中の街角を図書館に!」をコンセプトとした ブッククロッシングについて興味を抱いた方は、ぜ ひ、サイエンス、医療関連の書籍をお寄せください。 連絡は以下へ http://adventure.on.coocan.jp/journal/modules/inquirysp/ ◆編集後記(近況) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━………‥・ 冒頭の言葉の続きです。 これは映画「おくりびと」の脚本を手がけた放送作家の小山薫堂さんが 語った言葉です。新聞の魅力はセレンディビティーにあるという意見に は大賛成です。人は、えてして見ていても、関心のないことは見逃すこ とがあります。 自分の興味に加えて、少し広い世界をみることが、新しい着想を得るう えでも大切なことだと思うのです。 専門領域には詳しいものの、少し異分野のこととなるとまったく持って 関心が無い人々と出会うことがありますが、もったいないことだと思い ます。 感想を頂けると嬉しいです。→ comment@igakubunken.com (メルマガ等でご紹介させて頂くこともあります。 匿名希望の方は予めお知らせください。) -------------------------------------------------------------------- まぐまぐに、気軽に読む医薬翻訳ニュース・マガジン(ID 0000214844) を推薦して頂けると嬉しいです↓ 読者さんの本棚 http://www.mag2.com/wmag/osusume/toukou.html#osusume -------------------------------------------------------------------- _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★気軽に読む医薬翻訳ニュース・マガジン [読者数:538名] ・発行者HP:http://adventure.on.coocan.jp/journal/ ・発行者メール:comment@igakubunken.com ★注意事項★ ・ 本メルマガで取り上げる情報は、医療行為を目的としていません。 ・ 数多くある研究報告の一部分を拾い出したに過ぎません。 ・ ニュースソースを記載していますが翻訳したわけではありません。 ・ 一部、創作の混じった文章であり、この点をご理解ください。 ★ご意見はこちら★ comment@igakubunken.com ★登録・解除★ http://www.mag2.com/m/0000214844.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright(C) reserved 2006-2009 by Kenti ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



