2006/12/13
第7回 「弁証法で書く方法」
●●●●●――――――――――――――――――――――――――――――――http://www.kazeno.net アウトラインで書く!教師向け小論文指導法 ………教えることで自分の文章もよみがえる……… 2006/12/13 第7号 ●●●●●――――――――――――――――――――――――――――kazeno@nna.so-net.ne.jp 高校生・受験生に 小論文を 教えている人に。 センター入試まで あと1ヵ月あまり。 受験生の 志望動機や小論文を見ていて 不安に襲われることはありませんか? そんなあなたに とっておきの方法を解説します。 第7回「弁証法で書く方法」 こんにちは! 解除せずに読んでいただいて ほんとうにありがとう! 今回はこの講座の目玉 「弁証法で書く方法」を論じます。 おもしろいですよ これは。 弁証法ってなんですか? よく 聞かれますよ。 ウーム 簡単にいうと 「一つのもの事を、対立した二つのものの統一としてとらえる方法」 ということになります。 たとえば 捕鯨に賛成か反対か と聞かれたとします。 どんな鯨もとるのは賛成 どんな鯨もとるのは反対 そんな簡単な話じゃあない。 大型の鯨を捕るのは反対。 なぜなら 数がへっているから。 でも 小型のある種類の鯨(ミンク鯨) に限っていうなら 賛成。 なぜなら 数が増えているから。 これは 捕鯨に賛成だけど 条件があって 部分的に種類を限定して という条件の内部で賛成だということです。 つまり 弁証法では 対立する考えをもとにして もっとも良い 解決の方法を考える ここに 特徴があります。 これが 弁証法の やさしいレベルの使い方。 でも もっと高度なレベルもあります。 たとえば 「教育に必要なものは 技術だろうか それとも 愛だろうか」 なんて問題。 まあ それは徐々に説明するとして では 具体的なやさしい問題から考えてみましょう。 最初にやるのは 賛成と反対で論じられるものが わかりやすくていいですよ。 [課題4] 〈2004年・北九州市立大学・外国語・改〉 (課題文の要約) 資料1「外国人お断り─人種差別撤廃へ法整備を」、資料2「治安はいま─ 人種差別撤廃へ法整備を」、資料3「人材開国は結構だが」という3つの資 料が示されている。 資料1は、日本の各地のホテルや銭湯で「外国人お断り」の動きがある ことをあげ、日本から人種差別を根絶するため、人種差別撤廃法を制定す ることを勧めている。 資料2は、来日外国人犯罪の増加に触れ、スイスは外国人に寛容である とともに不法行為には厳格だと述べ、日本には総合的な国際化政策という ものが存在しないと述べている。 資料3は、日本の社会が途上国の人材を雇用するのはいいが、高度な人 材だけ歓迎し、単純労働者は入れないとするのでは現実を無視することに なる。どの分野にどれだけの外国人労働者を受け入れるか、政府が長期的 な政策を立てるべきだとしている。 (設問)3つの資料を参考にして、「日本社会が抱えている内なる国際化の 課題」について述べなさい。800字程度。(もとの問題では要約と意見で 1200字であった) 《類題》(小樽商科大) (課題文の要約)外国で「日本人お断り」の張り紙を見たり、入店しよう として「日本人は…」と拒絶されたら、その国の印象は一挙に悪くなる。 小樽市の入浴施設の一部が、外国人の入浴を拒否している。理由はあるの だろうが、やはり外国人拒否は看過できない。問題を起こしているロシア 人たちは「ふろ好き」なのだ。だからといって、ロシア流に振る舞われて は、日本人客には迷惑に違いない。ロシア人には日本流を学んでもらわな ければならない。彼らに日本流を学んでもらった結果、外国人客を多く受 け入れることになり、客が減るのではないかという危惧は、影を潜めたと いう。 (設問)この記事に関して、どんな意見をもちますか。論拠を明確にしつ つ、あなたの意見を600字から800字で述べなさい。 [解答例4] 私が使う私鉄の駅構内を通ると、夕方、アジア系外国人が集まっている 光景に出会う。彼らの姿を目にすると私は国際化社会という言葉を実感す る。この国には多くの外国人が働きに来ている。長い間島国に生きてきた 日本人は、急激に増えた外国人に戸惑いを隠せないでいる。「外国人お断り」 は正しいのか否か、また、日本人は異文化をもった人々にどのようにつき 合うべきなのか。 経営者は利潤をあげることが目的だから、商売の邪魔になるものはでき る限りとり除こうとする。だから、ゲーム・センターや公衆浴場の経営者 が、経営に邪魔な外国人を排除するのも一理はある。経営者にとって、風 俗や習慣の異なる外国人は扱いにくいし、お金にはならない相手なのだ。 だが、物事は目に見える部分だけでは片づけられないことも多い。巨視 的に見れば、途上国と日本の経済格差があり、不況とはいえ、日本での所 得は彼らの国のそれを大幅に上回っているからこそ外国人は日本で働きた がるのだ。また彼らが労働力として、日本の中小企業を支えているのも事 実なのだ。その外国人を排除するのは差別である。 たとえ彼らが風俗や習慣の違いから日本の社会生活にすぐに馴染むこと ができないにしても、排除するのは短絡的にすぎる。欧米で日本人が逆の 立場に立たされたら不愉快なはずだ。外国人は生活習慣にズレがあるだけ なのだから、それを埋める工夫と努力が必要なのだ。 経営者の立場もわかるが、やはり私は「外国人お断り」には反対だ。問 題は文化の相違からくるコミュニケーションギャップにある。私たちは異 文化をもつ人々を排除するのではなく、異なる文化を認めたうえで、相互 に相手を理解する努力をすべきなのだ。同時に、政府が労働力や難民につ いて長期的な見通しのうえに立った明確な方針を打ち出し、関連する法整 備をすることも大切である。それは日本人が異文化を持つ人々と共存し、 国際化社会で生きていくための試金石になるだろう。 (804字) どうですか? 「外国人お断わり」に基本的には反対 でも 条件を設定しているんです。 「政府が労働力や難民について長期的な見通しのうえに立った明確な方針 を打ち出す」 「関連する法整備をする」 という条件です。 そうしないで 無条件に外国人をいれてしまうと ドイツのように 若年労働者の仕事を 外国人労働者がとってしまうことに なりかねないからです。 弁証法では 「真理は ある条件のもとにおいてだけ 真理なのだ」 と教えてくれます。 たとえば 水が沸点に達するのは100℃である というのも 1気圧という 条件のもとにおいてだけです。 弁証法の初歩の練習は 賛成と反対が はっきり言えるものにするといい。 たとえば 「ガンの告知」 「外国人お断り」 「捕鯨問題」 「本を読むことの意義」 などがこれにあたります。 弁証法を使うと 矛盾する二つのものを より高いレベルで 結びつけることができるように なります。 日常生活でも 現実に起こったことを 柔軟に受け止められるように なります。 ことわざにも 弁証法は使われています。 「失敗は成功のもと」 「急がばまわれ」 などがそれです。 次回は 「弁証法の使い方 その2」を お届けします。 乞う!ご期待。 無料贈呈!必要な方に、以下のものを差し上げます。 タイトルに「資料請求」、本文に「お名前」を。http://www.kazeno.net 1 学部別 これがでる!予想テーマと問題 2007年版 2 2007年版 小論文入試トレンド(はやり)用語集 3 小論文の最終チェック 点検すべき8ヵ条 「90日で必ず書ける!アウトライン・メモによる小論文 ……やさしく書ける小論文システム・アプローチ……」 http://blog.mag2.com/m/log/0000197091/ 「英英辞典で遊ぶ!たのしい英語の学び方 ………あなたにもできる、初歩からの英英辞典活用法………」 http://blog.mag2.com/m/log/0000216782/ あすなろオンライン ビデオ講義・湯浅俊夫の「解説が詳しい現代文」 http://www.asunaro-online.com/ ○このメルマガは、次の症状をお持ちの人に効きます! ●論文の書き方を教わってないのに教えなければならないひと ● 生徒の書いてきた「志望理由書」をみて絶望的になっているひと ●書けない生徒の現状にいらだちながら時間に追われているひと ●書けない生徒の指導と共に自分の文章力も向上させたいひと 「小論文の教え方」を手に入れたい人は 「教え方を教えます!教師のための小論文」講座(廉価版)をどうぞ。 http://www.kazeno.net ●●●●●――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (編集後記)富山まで飛行機で往復してきました。県立高校の先生方と「評 論文の読み方」の研修会をやるために。午前中に富山空港に着いた時は、 小雨がパラついていたのですが、帰りには夕暮れの向こうに青空が垣間見 えました。飛行機は暗くなってから離陸し、下界に散りばめられた光の群 れがみごとでした。そのとき、サンテクジュペリの「夜間飛行」「人間の土 地」に描かれていたイメージを思い出し、なぜかとても胸が熱くなりまし た。あのひとつひとつの灯の下に人間の生活がある。飛行機はあまり好き ではないのですが、無理して乗った甲斐はあったような気もします。 ●●●●●―――――――――――――――――――――――――――――――――――http://www.kazeno.net 発行人 ゆあさとしお 発行所 論文の書き方研究会 発行日 2006年12月13日(水)第7号発行 週1回発行予定 ●●●●●―――――――――――――――――――――――――――――――kazeno@nna.so-net.ne.jp


