2008/06/22
儲かる?体験ルポ 日曜刊行
ごめんなさい。
私的なことで急遽ではありますが、休ませていただきました。
本来ならその理由を克明に告げねばならない、と思いますが。
とてもとても長い話になってしまいますので割愛させていただきます。
ご心配頂いた方、返事も出さずにすみませんでした。
ただ言い訳ではないのですが(言い訳)
けっしてサボったわけではありません。
催眠商法 編
人間とは不思議なものだ。
当たり前に仕事があると、自由がないだの、
休みが欲しいなどと騒いではいるが、実際に自由になってみると。
差し当たってすることが見つからない。
2日3日は、昼はパチンコ、夜は酒と・・・
みんなが判子を押したように生活する。
しかし、そんな毎日稼がせてくれるほど今の遊戯台は甘くない。
当然のように前借を使い切り、またホテルでの軟禁状態に戻る。
すると情けないほどすることが見つからないのだ。
とにかくここにおいては誰もがこの途方もない時間の使い方に困っている。
すると、ほら来た。
「阿部ちゃん、暇だよ。
なんかして遊ぶべよ」
と、トンちゃんが部屋にねじ込んできた。
「そんなこと言ってもすることがねぇよ。
キャバクラもやってねぇし。
仲間うちで金の取りっこしてもおもしろなかんべ」
「あの例のポーカーは?」
前の浜松でのことを言っている。
「そんなのはもっと無理」
「そっか?
ところで俺たちはいつまでこんなことをしているんだ。
もう」
と、指を折る。
答えは解ってはいる。
7日である。
「本社は?」
私は首を振るだけしかできない。
「ほんとうに俺たちはどうなっちまうんだ」
と、トンちゃんが言う。
まったくの同感だ。
この調子でいくらの給料をくれるのだろう。
こちらの間違いではないのだから満額・・・
いや腐っても営業会社、そんなうまいことへは運ばんだろう。
まったくの展望が利かぬ。
目の前に霧どろか、光化学スモッグがかかっていやがる。
せめてなんか。
つまり他班の動向でも知れれば。
またノックだ。
サクちゃんか?
違う、券撒き部員の清水だ。
「あのう・・前借をお願いしたいんですけど」
「パチンコで負けたんかい!しょうがねぇ〜」
清水の前借を計算すると、出勤日数より出銭のが多い。
どうしたもんだ。
本社の返事もまだだし、だいいちまだ日当もわからん。
「これで頑張れよ。ほい3万」
「あのう、もう少しどうにかなりませんか?」
「そんなに何に使うんだ?」
「最近の台は波が荒くて・・・」
「分かった!!!あと2万な。
それから清水は、もう前借がないから上手く使えよ。
なに〜ちょっとの辛抱だ。
本社に掛け合って、バチッと決めるからよ」
「はい」
やたらに元気のない返事。
なんて奴だ、人が身銭を切っているというのに。
これ以上の前借は、誰が見ても無理なのに。
不安にかられているのは私以上に部員だろう、と言う親心からだ。
送られた金ももう底が見えている。
思った以上に収入がないとキツイ。
9人の宿泊代のほかに前借である。
そこに収入がないのだから300万って金も一時しのぎにしかならん。
あ〜ツキがどんどん無くなっていく。
どうにかしてくれ。
つながらない!
頼みの綱の副社長が移動してから連絡が取れない。
私の唯一の情報網も崩壊か。
今日も本社に連絡しても、
「もう少しもぐっていてくれ」
などと、こちらの窮地を一考もしない返事。
こいつらは誰のおかげで人の何倍の金がもらえると、思っているんだ。
と、腹を立てたところで腹が減るだけだ。
まだ屁でもこいていたほうがいいわ。
ん、朝か。
仕事などないのだが不思議なほどに定時に目覚める。
そんなに寝起きは良いほうではないのだが。
そんなまどろみを壊す電話がなった。
サクちゃんだ。
「阿部ちゃん、大変だ」
「どうした朝から。
女に金でも取られたか?」
と、冗談を飛ばす。
「清水が。
清水がトンズラしやがった」
「うっ・・・・」
一番に恐れていたことが起きてしまった。
発行者 阿部 一義
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