2008/03/23
儲かる?体験ルポ 日曜刊行
おはようございます。
週末は忙しい、阿部です。
今週ではないのですが、来週あたりから。
つまり桜の開花あたりからです。
最近旧友との邂逅が度重なり、会うたびに花見の予約を取っていたら・・・
このままでは今年中の花見では周りきれない計算です。
相変わらず、計画性がないようです。
催眠商法 編
はぁ〜やっぱり思ったとおり。
副社長が空けた穴を村上が埋める。
村上からすれば待ちわびていた瞬間だろう。
しかし昨夜新井さんが来て。
「もし、真打ちと別れることになったとしたら、
団地打ちはしないからね」
と、言ってくれた。
私の成績も大事だが、みんなの給料はもっと心配だ。
まして私を社内1の真打ちにしてくれた仲間なのだから。
そのことがあるので、
「私のことなど気にしないで遠慮無しにやってくださいよ。
もともとは新井さんの発案なんだから」
「真打ちね。
俺が考えたことだからなの。
他人が考えたことなら、俺だって気にはしないさ。
だけど今回のことは・・・・
つまり、俺にだって意地があるわ。
本当に阿部ちゃんが真打ちでよかったよ。
ありがとう」
その言葉に私は黙ってしまった。
これが新井さんができる唯一の抵抗なのだろう。
部下の発案を試しもしないで一蹴してしまう。
そんな上司では人は着いてはこまい。
世の中どこに宝が埋まっているかは解らない。
だから掘ってみるんだ。
頭で思考して結論を出す者にチャンスなど訪れるはずがない。
きっと、このことを知らないでいるのは、
ここの真打ちだけでなかろうか?
真打ちと言う座に甘え、横領で金を稼いでいる。
そんでもって券撒きアシスタントのことなど使い捨てだと考えている。
こんな環境で人など育つわけがないわ。
幸いにして私にはナベが着いている。
きっと、良い真打ちになってくれるだろう。
だって師匠が私なんだから。
ちょっと自画自賛か。
おっと村上が能書きをしゃべり始めた。
「明日から班変えをする。
新井大将は俺のところ・・・・
で、阿部。
誰か欲しい大将はいるか?」
よくぞこんなところで堂々と言い放しやがる。
真底無節操な奴だ。
そんなことより大将だ、誰がいるんだ。
「誰が残っているんですか?」
「今のとこは鎌田だけかな」
げぇ〜すげぇやりづらい。
入社したての頃の大将なんてのはちょっと勘弁。
「今のところ、とおしゃいましたが。
後で誰か来るのですか」
「ああ〜明日に前田が来るわ」
やった前さんなら大丈夫だ。
「では前田さんで」
しかし相変わらず腹の立つ言い方だ。
もっと要約してくれれば、要らぬ考えをせずにすむ。
やはりこいつの下では、また十二指腸潰瘍が悪化しそうだ。
早く独立をせねば。
仕事にでて早5日、飲み込みの早い前さんのおかげで県営住宅の攻めが上手くいっている。
一日はスカを食らったが、70本に到達していた。
ま、上出来だろう。
最近特に感じるない物ねだり。
副社長のころがどれほど楽だったことだろうか。
哀愁とか懐かしさでは絶対にない、完全なる楽な時代への憧れからである。
なんといってもあの村上に毎日挨拶に行くのだ、それがたまらないほど胃が痛む。
野郎も野郎だ。
何かにつけて用事を押し付けやがる。
なんぼマットを売ったところで、ここは本社の管理下ではない現場。
一番新参の私にお鉢がまわってくる当然なのだが。
きっと今夜も・・・・
あ〜腹が立つし、胃が痛い。
あれぇ〜、あのキャデラックのリムジンは?
もしかしたら社長?
違うかな、だって用事もないだろうし。
ホテルでキーを受けるとメッセージが。
やはり社長だ。
すぐに飛んで行った。
「お疲れ様です。失礼します」
「お!お疲れ。
いつも留守にしてすまんな。
相変わらず頑張っていてくれているようだな。
さ、こっちにきて座れ」
スィートの奥で踏ん反りながら言うのだから、多分真意ではなく、表面上だろう。
ありゃ〜その横で正座しているのは?
なんと村上だ。
いったいどうしたんだ。
「阿部君、すまんな。
俺のいないうちにこの野郎が勝手に班変えをしやがって。
俺は約束は必ず守る男だ、君との約束を忘れてはいないぞ。
それなのにこの馬鹿、自分勝手に班をいじくりまわして、
いじった肝心の自分の班の成績は、話にならねぇ〜。
昔から甘い奴なんだよ、こいつは。
誰かが人を集めていると、すぐにそいつを欲しがる。
てめぇの腕なんて関係なしなのさ。
明日からは新井が大将に戻るからな、
安心してまたバンバンと売ってくれ。
頼んだぞ!」
「はぃ〜」
間の抜けた返事になってしまった。
せっかく軌道に乗り始めたのに。
でも新井さんが戻ってくるなら仕方がないか?
前さんと話し合ってもらって、地域分けをしっかりすれば大丈夫だろう。
まだこの超ワンマンに口答えできるほど上座じゃないわ。
「阿部君、君の班は夜のミーティングは無しだ。
遊びに行っていいぞ」
「はい。ありがとうございます。
でも、新井さんとの打ち合わせもありますし、本社への報告書類もありますので残っています」
「なに〜、君がやっていたのか?
そんなことは売れねぇ奴がやるんだ。
阿部君がやることではないぞ、宮内にでもやらせておけ。
この世界、売れている者が一番なんだからな。
売れている者の言うことが法律だ。
こんな虫けらの言うことを聞かなくてもいいぞ」
そりゃ営業の世界ならそうだが、ここは衣食住も一緒なんだからすげぇ権力者がいなければ、すぐに元の木阿弥だろう。
でも、とりあえずは有り難い。
あの傲慢の村上の目に生気がまるでない。
完全に怯えきった子犬のようだ。
村上にとって社長とは・・・・弱み以外の何者でもないのだろう。
久々に前さんとも酒を酌み交わした。
話は上手くいき、今風は完全に私に吹いているだろう。
明日の成功願う言葉を述べて券撒き隊が3階で降り、新井さんと前さんが4階で降りた。
いつも思うのだが、深夜のホテルの階上は不気味な静けさを持っている。
私の苦手な一つでもある。
すると、前から人影が。
幽霊か?あ!村上だ。
それで安心するのだから案外に肝の小さい私。
頭を動かさずに進んでくるのが、まるで夢遊病のようだ。
先ほどのことでしょげているのか、相変わらず覇気がない。
しょうがねぇ、一応は先輩だ。
「おつかれさです」
なんだ、返事もなにもない。
よし、もう一度。
「おつかれさまです」
けぇ、無視かよ。あのことに相当腹を立てているな。
ありゃ、今夜はあの鼻につくコロンの香りがしない。
さすがの村上も就寝前はつけないか。
と思い、横を通りすぎたとき。
ん、なんだこの甘たっるい匂いは・・・
あ、シャブだ。
この馬鹿、シャブを食ってやがる。
編集後記
何事でもそうですが、
やはり人の意見はまずは聞いてみる。
そして試して見るのが一番です。
それが発案者への最大の賛辞なのです。
失敗、成功は結果ですからね。
失敗を恐れるあまりに足を踏み出せない、
これが最悪のパターンです。
一つ失敗を知るということは、また一つ成功に近づいた、ということなんです。
発行者 阿部 一義
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