中島みゆきの初期  RSSを登録する

中島みゆきは2009年でデビュー35年目を迎えました。潜在的ファンは沢山おられますが、どの曲からファンになったかは人それぞれに違うと思います。このメールマガジンでは、中島みゆきの初期に発表されたシングルの独断と偏見に満ちた(笑)解説を行なってゆきます。

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2009/08/31

「浅い眠り/親愛なる者へ」

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  中島みゆきの初期       2009年8月31日発行

  「浅い眠り/親愛なる者へ」  1992年7月29日発売

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『浅い眠り』

忘れないと誓ったあの日の夏は遠く
寄せて返す波にもあの日の風はいない
ああ二人で点したあの部屋のキャンドルは
光あふれる時代の中で
どこへはかなく消えていったのか
恋しさを聞かせてよ
惜しみなく聞かせてよ
他人じゃないなら なおさら なおさら
 浅い眠りにさすらいながら
 街はほんとは愛を呼んでいる
 浅い眠りにさすらいながら
 街はほんとは愛を呼んでいる

風の中にふるえて瞬く星のように
あやまちかもしれないと哀しく迷っていた
ああ二人気づかない 失ってみるまでは
誰が一番ほしい人なのか
何が一番つらいことなのか
恋しさはこわれもの
せつなさはこわれもの
他人じゃないなら なおさら なおさら
 浅い眠りにさすらいながら
 街はほんとは愛を呼んでいる
 浅い眠りにさすらいながら
 街はほんとは愛を呼んでいる
 浅い眠りにさすらいながら
 街はほんとは愛を呼んでいる

(COPYRIGHT) JASRACコード 009-5327-0


ドラムとシンセサイザーのイントロが臨場感を盛り上げ、
タイトルから連想される緊迫感、緊張感を印象付けています。

このシングルが発売された頃、書店で立ち読みをしているとこの曲が流れてきて
思わず背筋に電流が走った程、私にとっては思い出深い歌です。

恋人と過ごした日々を懐かしんでいます。
しかし、サビに歌われているようにこの曲のテーマは「愛」です。

何度も書いてきましたが初期の中島みゆきは「ふられ節」に代表されるように
男へ未練を断ち切れない女性の気持ちを代弁していました。

しかしアルバム『親愛なる者へ』で「愛」という単語を初めて使い「愛」を歌い始めます。
代表的な曲を列挙します。

『捨てるほどの愛でいいから』1982年03月21日発売
『最愛』1984年09月05日発売
『愛よりも』1988年11月16日発売
『たかが愛』1996年10月16日発売
『愛情物語』1997年10月08日発売

この曲では愛を渇望しています。
サビの「街はほんとは愛を呼んでいる」は擬人法を使っています。
「街」=「私」であることは明白です。

なお、この曲はフジテレビ系ドラマ『親愛なる者へ』の主題歌として使われました。
この頃からテレビでオンエアされることが多くなり、『家なき子』の主題歌である
『空と君のあいだに』『旅人のうた』へとつながってゆきます。


『親愛なる者へ』

風は北向き 心の中じゃ
朝も夜中も いつだって吹雪
だけど 死ぬまで 春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね、みんなそうさ

走り続けていなけりゃ 倒れちまう
自転車みたいな この命転がして
息はきれぎれ それでも走れ
走りやめたら ガラクタと呼ぶだけだ、この世では

冷えた身体を 暖めてくれ
すがり寄る町に 住む人とてなく
扉をあけて 出てくる人は
誰も今しも 旅に出る仕度、意気も高く

生きてゆけよと 扉の外で
手を振りながら 呼んでる声が聞こえる
死んでしまえと ののしっておくれ
窓の中 笑いだす声を聞かすくらいなら、ねぇ、おまえだけは

生きる手だては あざないものと
肩をそらして 風を受けながら
いま 崩れゆく崖の上に立ち
流し目を使う 昔惚れてくれた奴に、なさけないね

風は北向き 心の中じゃ
朝も夜中も いつだって吹雪
だけど 死ぬまで春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね
そうさ 死んでも春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね

そうさ 死んでも春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね

(COPYRIGHT) JASRACコード 046-6821-9


1979年に発売された5枚目のアルバム『親愛なる者へ』の最終曲として収められた
「断崖―親愛なる者へ―」を4年ぶりにアレンジして、題名もサブタイトルだけにして
発表されました。

「断崖―親愛なる者へ―」とこの曲を聴き比べてみると、前者がいかにも素朴に聞こえます。
再リリースに当たり、アレンジにいろいろと工夫がなされています。
中島みゆきは前半部を流れるように歌い、転調してからはのびやかにリズミカルに歌っています。

冒頭の「風は北向き」は後に続く「吹雪」から北風と受け取られがちです。
しかし、北に向かって吹くのだから「南風」なのです。
ここには中島みゆき特有のレトリックがあります。
あるインタビューで中島みゆきはこのトリックを無邪気に笑いながら打ち明けています。
つまり、「外は吹雪の吹く冬だけど、心の中は春なのよ」ということです。

これはこの曲を通じたテーマで、サビの
 だけど 死ぬまで春の服を着るよ
 そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね
とは、「春」=「陽気」、「寒い」=「陰気」とは考えられないでしょうか。
そしてそれは、リスナーへの強烈なメッセージでもあります。

なお、このシングルはオリコン・チャート初登場2位で、最高位も2位でした。


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同名のサイトを開設しておりますので、よろしければ訪問してやってください。
 http://miyukinakajima.net
このメルマガでは中島みゆきの初期(中期)のシングルしか扱いませんが、
ホームページでは中島みゆきの初期のアルバムの解説や
中島みゆきに関する考察をしております。

<お知らせ>
只今、リニューアル作業中につき5月30日より全く更新できていません。
リニューアルと言ってもスタイルは変えず、内容だけを更新します。
9月中にはアップしたいと考えておりますので、請うご期待を。

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