中島みゆきの初期  RSSを登録する

中島みゆきは2009年でデビュー35年目を迎えました。潜在的ファンは沢山おられますが、どの曲からファンになったかは人それぞれに違うと思います。このメールマガジンでは、中島みゆきの初期に発表されたシングルの独断と偏見に満ちた(笑)解説を行なってゆきます。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/08/02

『あたいの夏休み/噂』

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

  中島みゆきの初期   Vol.19 8月2日号

  『あたいの夏休み/噂』   1986年6月5日発売


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

『あたいの夏休み』

学生は夏休みに入り、社会人ももうすぐ盆休みです。
ちょうど時節にぴったりの曲にめぐり合いました。

中島みゆきは一人称を歌に合わせて変えています。
一般的な「私」「わたし」も使いますが、
代表格と言えるのは「あたし」です。
また、『僕は青い鳥』に代表される「僕」という中性的な一人称も使います。
この歌では「あたい」という一人称を使っています。
中島みゆきの歌の中で「あたい」という一人称が使われるのはこの歌だけです。

中島みゆきはこの歌でイメージしているのは庶民的な女性です。
中島みゆきは彼女らに暖かいエールを送っています。

それは以下の歌詞から読み取れます。
「お金貯めて3日泊まるのが夏休み 週刊誌読んでやって来れば数珠つなぎ
 冷めたスープ放り投げるように飲まされて 2段ベッドでもあたいの夏休み」
「悲しいのはドレスが古くなること 悲しいのはカレーばかり続くこと
 だけどもっと悲しいことは一人泣き だからあたい きっと勝ってる夏休み」

ここには彼女たちのやる瀬ない思いが的確に表現されています。
中島みゆきはそんな彼女たちを優しい目で見つめています。

「Summer Vacation あたいのために Summer Vacation 夏翻れ」
というサビの部分に、起こりえないであろうが一縷の願望に身を託して
現実のわびしい姿を忘れようとする切ない望みが歌われています。

中島みゆきの歌詞の特徴として、弱者の視点に立って書かれています。
それが社会の中でもがき苦しみ悩んでいる多くのリスナーに歓迎されるのでしょう。
社会はピラミッド構造になっていて強者は一部で大部分は弱者が占めると思います。
当時、中島みゆきは既にスターでしたが、弱者の視点を忘れない点にこそ
中島みゆきの謙虚さ、筋の通った堅い思考回路があると思います。
それは現在においても変わりありません。

メロディ面から見ると、
「ご乱心の時代」の作品だけにシンセサイザーが前面に押し出された
アップテンポなロックになっています。
イントロから続くシンセサイザーの旋律が私の耳には心地よいです。

なおこの曲はアルバム『36.5℃』にも収録されています。
シングル版が先行発売されましたがアルバム版もほとんど変わりありません。


『噂』

『あたいの夏休み』と打って変わってスローなワルツです。

歌詞は今までの中島みゆきにはない男と女の微妙な駆け引きになっています。
男は女を疑い始めています。
それは何処ともなく男の耳に入ってきた「噂」によるものです。
男は女を問い詰めます。
女は否定しても男の疑いに火を注ぎ、
からかって肯定しても男は真に受けてしまうと逡巡しています。
そこで、冒頭の歌詞が生きてきます。
「答えづらいことを 無理に訊くから 噂をついてしまう ひねくれちまう」
ここで中島みゆきは「噂」を「うそ」と歌っています。

私たちの日常でも確かに噂はほとんどが「うそ」です。
そこを中島みゆきは「噂」と歌詞には書いて「うそ」と歌ったのでしょう。

「噂」に関して中島みゆきは別の箇所で鋭い指摘をしています。
「ほら すれ違いざま飛礫(つぶて)のように 堅気女たちのひそひそ話」

中島みゆきも女性でありながら同性の欠点をよく判っています。
セカンドアルバム『みんな去ってしまった』に収録されている
『彼女の生き方』の中にも同様な歌詞があります。
「おかみさんよ あんたらの方が あこぎな真似をしてるじゃないか」

しかし、全ての女性にそういう悪癖(?)があるわけではないことも承知しています。
この歌ではひそひそ話をするのは「堅気女」、
『彼女の生き方』の中であこぎな真似をするのは「おかみさんたち」と限定しています。

これは、その範疇から外れる少数の女性への救いの手を差し延べているともいえます。
リスナーに「あなたはこんなことしないよね。あなたのことじゃないのよ」と
歌っています。
ここにも『あたいの夏休み』で述べた「弱者への視点」があります。


約2ヶ月もメールマガジンを発行しなかったことを深くお詫び申し上げます。
体調が悪かったわけではなく、所用で忙しくなかなか手が回りませんでした。
これからもまだ忙しい日々が続くと思いますので、
申し訳ございませんが定期的にメルマガを発行する保証はいたしかねます。
誠に恐縮ですが忘れた頃に届く、あてのないメルマガとお心得ください。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

私は同名のホームページを開設しておりますので、よろしければ
訪問してやってください。
 http://miyukinakajima.net
このメルマガでは、中島みゆきの初期のシングルしか扱いませんが、
ホームページでは中島みゆきの初期のアルバムの解説や
中島みゆきに関する考察をしております。

 ご意見・ご感想は下記までお寄せください。
          mail@miyukinakajima.net

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る