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2006年夏の終わり、北インドはヒマラヤの秘境ラダックを出てデリーへ、その後アグラ、ヴァラナシ等を経てコルカタまでの列車旅、さらにそこからバンコク、ベトナムへと渡った旅を綴ります。

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2008/03/21

インド to インドシナ旅行記“India CUTTERS” 053

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            India CUTTERS      by  site_roof           21/3/2008

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[Message from Site on the Roof] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.geocities.jp/siteontheroof/ 

 4月が近いですね。

 いわゆる年度末という時期で、ぼくの周りでも、人事異動の話をきかせてく
れたり1日からの就職活動の様子を話してくれたり、おかげで、ぼくも一緒に
なって、年度末な気分をわずかながら味わせていただいています。

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"インド to インドシナ旅行記" 053


<サイゴン12 「アレルギーの抗原」2>


…ぼくの見るかぎり、そちらの方向に「みんな」で向かっている、とは思えな
い。「みんなの経済的余裕が増えた」と書いたが、その「みんな」とは実はと
ても限られた「みんな」だ。

 路上で物乞いをしたり物売りをしたりしないとならない人たちは、まったく
変わらずその状況に据えおかれたまま。綺麗に変貌を遂げていく街とも、バイ
クでの食事ともショッピングともデートとも関係のないところで、変わらず生
きつづけている。

 この「格差」が生じ、そして放っておかれるしかない原因。

 人たちを都会に集める「お金」と「豊かさ」。

 逆にいえば、農村や地方を捨てて「お金」と「豊かさ」に集まる人たち。

 捨てるしかないくらい「お金」がない地方。

 そうやって人たちにあとにされた地方は崩壊。一方で、集まった人たちみん
なに「お金」と「豊かさ」を与えることのできない(与えようとしない?)都
会の人たち。

 せっかく集まってきたのに「お金」と「豊かさ」を得られない人たちにとっ
て、「豊か」でもなんでもない最低限の「お金」を得る手段として、路上の物
乞いと物売りがある。

「お金」を得る別の手段として、たとえばタイやカンボジアにまで、もちろん
ベトナム国内でも、いわゆる「風俗」系の仕事に従事しに、農村から、半ば強
制的に半ば騙されて連れてこられる若い女の子たちが少なくないらしい話をき
くと、物乞いでも物売りでも、それができるのはまだ恵まれているといわなけ
ればならないのだろうか。

 それとも、物乞いや物売りよりは「豊か」な「お金」が手に入る「風俗」系
(ぼくはどうもこのことばが好きでなくてだから「」で括っているのだけど)
の仕事のほうが恵まれているのだろうか。

 サイゴン滞在中に通いつづけたセンターの子どもたちの相手をするとき、あ
まり感傷的にならないようにぼくは気をつけている、が、毎日「だっこ」「お
んぶ」と縋りついてくる子たちが、大きくなって、「お金」と「豊かさ」のた
めにどんな羽目に陥るかわからない境遇にいることを思うと、さすがに、荒れ
て騒ぐ心を鎮めるのは難しい。

「里親」というぼくが選んだ行為も含めて、センターのやっていることはいわ
ば、原因には触れずに結果として発生する傷に絆創膏を貼っているようなもの
だ。

 原因がそのままだから、生じる傷は後を絶たない。センターに来なければな
らない子どもたちの数は減らないし、後々送るであろう生活の厳しさも変わら
ない。

 けれど原因を突きつめようとする間も、生じつづける傷の一つ一つは、一人
一人生きている子どもたち。「原因がどうにかなるまで待って」とはあの子た
ちにはいえない。だからきっと、きりがない傷に絆創膏を貼りつづける行為も、
傷の源の膿を辿ろうとする行為も、両方ともが必要なのだ。

「お金」と「豊かさ」に集まってしまう人たち。

 集まった人たちみんなに「お金」と「豊かさ」を与えることのできない(与
えようとしない?)人たち。
 
 でもふと考えてみてこれは、ベトナムに限っての現象だろうか?

 余談だけれども、ぼくはとてもひどいアレルギー性鼻炎持ちで、花粉症の時
期はもちろん、東京で暮らしている間は1年中薬を手放せない。

 今回海外に出たのは、実は3年前のベトナム以来のことで、そのときもここ
サイゴンに滞在中、ずっといつものアレルギーに苦しんだ覚えがある。

 花粉、ハウスダスト、化学物質、何に反応しているアレルギーなのか自分で
もはっきり掴めないまま、6月にインドに向かうとき、ぼくはかなりの量の薬
を持参して日本を出た。

 ダラムサラ、ラダックとインドの北部山間地帯にいる間、症状はぴたりと止
まっていた。ただの1錠も薬を飲まずに済んだ。

 東京もそうだが、サイゴンの空気も酷く汚れている。その2か所と北インド
山間部の澄んだ空気とは、比べるのさえ馬鹿馬鹿しいくらいで、だからやはり、
排気ガスを主とした空気の汚れが、ぼくのアレルギーの原因なのかと思った。

 果たして9月の初めにいよいよ山からインドの首都デリーに降りてくるとき、
内心結構心配していたアレルギーは、出ないでくれた。その後列車でコルカタ
まで向かう間も、大丈夫だった。

 このメルマガでも何度か触れたが、デリーにしてもコルカタにしてもインド
の街はとんでもなく劣悪な道路事情と交通環境で、どう考えてもあれが綺麗な
空気だとは思えない、が、ずっとぼくのアレルギーは発症しなかった。

 ということは、空気の汚れが原因じゃないということ?

 それとも、しばらく山のきれいな空気の下で暮らしたおかげで、治った?

 が、しかし、サイゴンに着いてから突然また始まった。「治ったのでは?」
という淡い期待はあっさりと砕かれた。ぼくは毎日、現地の人たちと同じよう
にマスクをしながらでないと街に出ることができない。

 どういうことなのだろう? 東京では始終苦しめられなければならないアレ
ルギー、インドでは鎮まっていた症状、それがここでは…

 単に「排気ガス」とか「空気の汚れ」だけでは括れない、東京と共通する何
かがサイゴンにはある、ということか…


<サイゴン12 「アレルギーの抗原」 おわり>


                    (執筆:2006‐10‐18)


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 次回のトピックスで(たぶんまた2号にわたってしまうと思いますが)、い
よいよこの旅も終わりになります。

 といいながら、決して気を持たせようなどと目論んでいるわけではないのだ
けれど、語りの会がある関係でおそらく、メルマガの発行は1週空いてしまう
と思われます。ご了承ください。

 以下↓、その語りの会のご案内です。おひまでしたら、遊びにきてください。

 第2回のテーマは、「アニミズム」です。


                               India CUTTERS   053/21/3/2008


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 語りの夕べ 第2回 囲炉裏端(いろりばた)〜文字のない世界へようこそ〜
              「アニミズムな語り」
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵

 草や樹やそれから動物、あらゆるものに宿る霊、アニミズム(ぼくは個人的
にこれを「宿り神」と呼んでいますが)の世界をお送りします。

■と き 2008年3月28日(金) 18:30 open 19:00 start(21時終了予定)
■ところ NOAH'S CAFE http://noahscafe.main.jp/
    (東京メトロ東西線 落合駅より徒歩8分)
    (JR総武線・都営大江戸線 東中野駅より徒歩12分)

■参加費 1500円(お食事とお飲み物つき)

■内容
・古事記の創世神話と「青草人」
・「青草人」になってみよう
・能『竹生島』
・木霊(こだま)の話
・動物譯(『狐と田螺』)

■お申し込み・お問い合わせ
iroribata@gmail.comまで、お申し込みください。
複数名さまでお申し込みの場合は、人数もお書き添えください。


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