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2006年夏の終わり、北インドはヒマラヤの秘境ラダックを出てデリーへ、その後アグラ、ヴァラナシ等を経てコルカタまでの列車旅、さらにそこからバンコク、ベトナムへと渡った旅を綴ります。

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2008/03/14

インド to インドシナ旅行記“India CUTTERS” 052

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            India CUTTERS      by  site_roof           14/3/2008

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[Message from Site on the Roof] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.geocities.jp/siteontheroof/ 

 花粉症の季節です。

 ぼくは本当にひどいアレルギー持ちで、もちろん今年も今週くらいから症状
は出はじめてはいるのだけれど、でも、どうも、周りの人たちのくちゃんくち
ゃんの状況に比べると、そこまでにはならないで済んでいる自分を感じていま
す。

 たぶん間違いなく、以前はこんなものじゃなかった。

 花粉症って、年とともに重くなることはあり得ても、軽くなったりするもの
なんでしょうか…?

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"インド to インドシナ旅行記" 052


<サイゴン11 「アレルギーの抗原」>


 毎日常連になっているカフェ・レストランは、道に向かってオープンになっ
ている。食事をとったりコーヒーを飲んだりしていると、通りから色々な人た
ちが寄ってくる。

 新聞売り、本売り、宝くじ売り、煙草売り、爪切り耳掻き他雑貨売り、サン
グラス売り、おもちゃ売り、ココナッツ・ジュース売り、ガム売り、パン売り、
焼きイカ売り、バナナ売り、ハンモック売り、それに靴磨き…

 おじさんやおばさんもいるけれど、子どもも多い。そしてときどきその子ど
もたちに、毎日センターで相手をしている子どもたちの姿がオーバー・ラップ
する。いつもぼくには元気な笑顔しか見せないあの子たちも、「これ」をやっ
ているのだろうか? そう思うと、もう、いけない。

 買い物とはこちらが必要として買う行為、「買って」と請われて買うのは何
か違う、憐れやシンパシーが含まれた可能性のあるお金を渡すべきではない…

 インドからベトナムへと経済的に恵まれない人たちが少なくないエリアを旅
する間自分なりにキープしていたその基準が、今まさに「これ」をやっている
かもしれないセンターの「あの子たち」の、目の裏に浮かんでくる姿を前に、
崩れてしまいそうになる。

 3年振りのサイゴンは、随分と変わっていた。まずは見た目的に、街全体が
綺麗になった。バイクの数がさらに増え、そしてそのバイクに乗った人たちが、
昼休みや夕方あるいは日曜日などに、ぼくが食事をとるレストランやカフェに
やってくる。バックパックをかついだ西洋人たちに混じって、朝、ホテルから
チェックアウトするカップルもいる。

 この辺り(ファン・グー・ラオ)は、以前はほとんど、外国人ツアリストば
かりが集まるエリアだった。その中でも、リーズナブルで食事のおいしいレス
トラン、サービスのいいホテルを求めてみんなが集う、基本的にその状況は今
でも変わっていない。でも、集う「みんな」の中に、外国人ツアリスト以外の
ベトナム人がいた記憶が、ぼくにはあまりなかった。

 口コミだかガイドブックだかはわからないが、どこかから情報を得て、かつ
ては家や仕事場のそばの大衆食堂で飲み食いしていた人たちが、わざわざバイ
クでここまで乗りつけるようになった、ということだろうか。そしてそれを可
能にさせた裏には当然、「みんな」の経済的余裕が増えたことを想像させる。

 ある晩、いつものレストランでいつものように夕食をとっていると、前の道
をきょろきょろと歩きすぎる物売りの女性がいた。彼女の顔に、ぼくは見覚え
があった。

 5年前も3年前も、ここの路上で見かけた女の子。そのときはまだ小さく、
ぶかぶかのワンピースから晒した埃まみれの細い腕と細い脚とそして裸足で、
テーブルにいるぼくも含めた観光客の間を、物乞いしてまわっていた。

 その同じ子が、12、3歳くらいにはなったのだろうか(つまりぼくの里子と
ほとんど同い年!)、がりがりだった身体に多少女の子らしいカーブが生まれ、
身につけているTシャツとジーンズにも精一杯のお洒落が伺えるようになって
いる、が、やっていることは、物売り。

 少なからず、ぼくはショックを受けた。「物乞いしかできなかった子が物を
売れるまでに成長した」、などとブラック・ジョークにもならない言葉で済ま
せてしまえるほど図太い神経を、ぼくは持ちあわせていない。

 街がどんどん綺麗になって、以前は行けなかったレストランにバイクで足を
延ばしたり休みの日にショッピングを楽しんだりカップルでホテルに泊まった
り公園でデートしたり、そういうことができるようになったのは、喜ぶべきな
のだろう。

 でもぼくの見るかぎり、そちらの方向に「みんな」で向かっている、とは思
えない。「みんなの経済的余裕が増えた」と上↑に書いたが、その「みんな」
とは実はとても限られた「みんな」だ…


<サイゴン11 「アレルギーの抗原」 つづく>


                    (執筆:2006‐10‐18)


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 ということで、タイトル「アレルギーの抗原」にはまったく触れられない本
文の内容になっていますが、だからせめて少しでもと思い、冒頭で花粉症のこ
とに触れたわけです。

 次回は、ちゃんと本文でも、そこに話がつながる内容になりますので、ご了
承ください。


                               India CUTTERS   052/14/3/2008


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