インド to インドシナ旅行記“India CUTTERS” 048
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India CUTTERS by site_roof 1/2/2008
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大変なワタクシ事で、本当に恐縮ですが、今日、つまり2月1日は、ぼくの
誕生日になります。
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"インド to インドシナ旅行記" 048
<サイゴン7 「ビストロ・ベトナム 2」>
夕方、バス停からの帰り道、ラッシュで塊のようになっているバイクのエン
ジン音とクラクションの隙間からふと漂ってきた香りに、思わず足を止めた。
匂いの源を求めて歩いてきた道を少し戻ると、思ったとおりパン屋さんがあっ
た。
ベトナム料理は、長いこと他国の影響下に置かれていた複雑な歴史の「正の
(こういういいかたをしていいかどうかわからないが)」産物として、中国、
フランス、そして日本の食を採りいれ、微妙で絶妙な加減を極めた味付けは、
しばしば世界一と称されることさえあるようだ。
もっとも大きい影響は中華料理からだろうけど、パン食はフランスからもた
らされた習慣。だからベトナムで「パン」といえば、いわゆるバゲットのこと
を指す。
けれど、本場フランスのそれに比べると半分近く小さく(大きめのコッペパ
ンといったほうがわかりやすいだろうか)、そして中が随分柔らかめに焼きあ
げられているように感じる。
オリジナルのフレンチ・バゲットはガーリック・バターなどでさらにトース
トしてかりかりと楽しむべきかもしれないし、あの大きさ(というか長さ)を
1度で食べきれる人はなかなかいないと思うけど、ベトナム・バゲットの柔ら
かさは生で十分美味しくて食べやすく、そして朝食にはちょうどいいサイズの
大きさだ。
屋台やスタンドを開いているパン屋さんを見かけない道はないし、ほとんど
すべてのレストランでパン・メニューを用意している。西洋人にとってはやは
りありがたいらしく、朝、野菜をはさんだパンを頬ばりながら通りをうろつく
観光客の姿をよく見かける。
トマトやレタスなどの野菜も美味しく、外は固く中は柔らかいパンとよくマ
ッチして、ぼくにとってもこの「ベトナム版野菜サンド」は、フォーと並んで
大好きな朝食だ。
匂いに誘われて偶然見つけたパン屋さんに入ると、豊富なバリエーションが
待ちうけている。日本でいうところの「菓子パン」や「惣菜パン」も、相当に
いける。朝や昼ではなく夕方の時間だったのが悔しかった。半日でセンターか
ら帰れる今度の土曜の昼にでも、また来てみよう。
フォーのスープについても感じたことだったが、今回、これまででは1番長
くサイゴンに滞在し色々な食べ物を試す中で、どんどん膨れあがってきている
印象が、ベトナム料理の「甘み」。
元来ぼくの好みとしては、あまり甘いものを好んで食べるほうではなかった。
紅茶にケーキ、緑茶に大福など純粋にお菓子としてなら楽しむこともできるけ
れど、甘い側に寄っている食事の味付けがどうも苦手で、たとえば自分で和食
の煮物をつくるときなどは、極力砂糖は控えめに使うようにする。
だけど、ベトナム料理の「甘み」が砂糖によるものなのかどうか、ぼくはま
だ判断がつけられない。味覚を表す日本語のボキャブラリーでは「甘み」以外
に表現のしようがなく、そしてそれを美味しく感じている自分の舌に、甘い食
を苦手としていたはずのぼくはかなり驚いている。
フォーのスープの甘み。パンの柔らかい中身にも感じられる、ほんのりとし
た甘さ。そしてぼくはついに、ココナッツ詰めご飯なるものにチャレンジして
みた。
ベトナムは野菜が美味しいと書いたが、果物も本当に美味しい。
ココナッツといえば要は椰子の実のことだけど、ぼくは日本にいる間、これ
ほど色々と楽しめる果物だとは思っていなかった。
1番単純でかつ美味しいのはたぶん、頭の部分に差したストローでもって溜
まっている果汁を啜るだけの「ココナッツ・ジュース」だろう。暑い昼下がり
などに、十分冷やしてもらったこれを飲んだりすると、たとえばビールや炭酸
系の飲み物では感じられない別種の潤いが、染みわたるように喉に広がってい
く。果汁と白い果肉をシェイクして飲んでもまた美味しい。
けれども、当然、甘い果物なのだ。
食事の味付けが甘い側に寄るのは駄目としていたぼくの(バーベキュー・パ
ーティーなどで輪切りのパイナップルを焼いて食べる気になれない)味覚の定
義からすると、「ココナッツ詰めご飯」は絶対にそこから外れている、はず。
にもかかわらず、どうしてあえてそれを頼む気になったのかといえば、たぶ
んそれまで食したもので、ベトナム料理の「甘み」に対する信頼が、ぼくの中
で十分培われていたからなのだろう。
料理の方法としてはおそらく、人参やインゲンそれに芋の刻み切りとお米を
混ぜあわせた一種の炊き込みご飯を、刳りぬいたココナッツの中に詰めて最後
にもう1度蒸しあげているのではないかと思う。ご飯にはごくごく薄い味が施
されていて、全体に、ココナッツの「甘み」が微かに静かに染みわたっている。
よく飽きないと自分でも思うくらい毎晩同じレストランで夕食を楽しんでい
るのだが、帰るまでにこの「ココナッツ詰めご飯」は、あと2、3度は食べて
みたいと思うほど気にいってしまったので、他にもまだ試していないメニュー
があるし、きっと最後まで、夕食時にはこのレストランに腰を落ちつけること
になりそうだ。
<サイゴン7 「ビストロ・ベトナム 2」 おわり>
(執筆:2006‐10‐11)
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旅の行程を綴っているとまたその地に行きたくなると前に書いたことがあり
ましたが、今回は、編集しながらベトナムの果物やパンを思いだし、食べたく
てたまらなくなってしまいました。
自分の誕生日祝いに、一つ、ベトナムのお菓子でもつくって、一人で祝杯し
てみようかな…
India CUTTERS 048/1/2/2008
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