インド to インドシナ旅行記“India CUTTERS” 047
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India CUTTERS by site_roof 25/1/2008
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[Message from Site on the Roof] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.geocities.jp/siteontheroof/
2週間足らずの間でしたが、旅をして周った西日本から帰ってきました。
本当に深い旅で、生来の行動の鈍さは素早い後始末に取りかかることをなか
なか許してくれないのだけれど、記憶が温かいうちにどうにかしなければと思
っています。
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"インド to インドシナ旅行記" 047
<サイゴン6 「昼寝」>
日曜日のバスはいつもと様子が違う。乗客たちの中にはどこかへお出かけと
いった雰囲気の家族連れやカップル、道を行くバイクの群れも平日ほど殺気だ
っていない。
慣れない1週間が過ぎ、体に疲れが溜まっているのがわかる。昨日は、セン
ターの中庭で子どもたちと追いかけっこをしたりサッカーの相手をしたりした。
昼前に顔を出してくれた「妹」とは、ダーコーと呼ばれる、ベトナムで大流行
りのゲームで遊んだ。
バドミントンのシャトルコックが大きくなったようなものを、ラケットでは
なくて足で蹴りあう。落ちてくるコルクの部分を、ちゃんとピンポイントで足
に当てるのがなかなか難しい。
ラリーを途ぎれさせるのはいつもぼくのほうで、間違いなく「妹」のほうが
上手だった。そしてそれ以上に、残念ながらぼくはもう若くない。1日経って
みると、脚のあちこちが筋肉痛を起こしている。
センターも休みになる日曜日は、だから本当は少しゆっくり過ごしたかった
のだけど、「妹」に「あしたおうちにあそびにきて」といわれ、断るわけには
いかない。
待ち合わせ場所はセンターの前だったから、結局いつもの「通勤」ルートを、
いつものバスで、いつもより1時間遅い出発で済んだけれど、いつもどおりま
た向かうことになる。
サイゴン川から分かれた細い運河沿いの小さな家。家族はお父さんとお母さ
んと、娘が3人、息子が1人、そのうちぼくの「妹」は末っ子。日本語はもち
ろん、英語をわかってくれる人もいなくてどうなることかと思っていたけど、
実際行ってみるとどうにかなるものだ。
「会話」といえるほど意味のある言葉は交わしていなかったかもしれないが、
みんなで床に直接ぺたんと座り、ぼくが人から借りて持っていった『越日(ベ
トナム語→日本語)』の辞書を囲んで、ノートとペンで筆談をしたり、ちょっ
としたベトナム語講座みたいな状態になって、結構盛りあがった。
センターで通訳の人を介して会ったときは、本当に恥ずかしそうに自分から
はほとんど喋ってくれない「妹」だったけど、嬉しそうにぼくに寄りそってく
れ、楽しそうにああだこうだとベトナム語の指導をしてくれる。こういう形で
ずっと過ごせたら、ベトナム語をマスターするのに1番いいだろうなと思った。
いつだったか、今のサイゴンは雨季で「過ごしやすい」と書いた。ぼくはこ
こできっと、「過ごしやすい」を「しのぎやすい」に訂正したほうがいい。
ずっとインドを旅してきたあとだったから、厳しさのない暑さを「過ごしや
すい」などとしてしまったのだろうが、それでも暑いことは暑い。その暑さを
「しのぐ」のが、あくまでもインドと比べればたやすい、という程度の話。
ポピュラーなところではスペインのシエスタ、他のラテンの国や中南米、そ
してここアジアでも、暑い地域に欠かせない習慣が、昼寝だ。
ぼくが1週間見てきたサイゴンの人たちの日常では、11時半くらいには早め
の昼食をとって、そしてそのあと正午過ぎから、みんな昼寝をする。特に布団
を敷いたりはしない。座るときと同じで床に直接、あるいはハンモックにぶら
下がったりして。
子どもたちの相手がハードだからか、それともいくら「しのぎやすい」とは
いっても暑いせいだろうか、実際ぼくも毎日昼を済ませると急に眠くなる。
センターでも昼寝の時間が設けられていて、夜は一人ぼっちで寝てる子も多
いのかなと思ったぼくは、はじめ添い寝をしてあげようとした。
でもぼくがいると興奮してしまってかえって子どもたちが寝つけなくなって
しまいそうなのと、何よりぼくのほうが、子どもたちの間に挟まって熟睡に落
ちそうな気配があり、だからその時間は彼らの邪魔をしないことに決めた。
「妹」の家へのお呼ばれも、昼食を挟んでの時間帯だった。辞書とノートを脇
に寄せ、床に並べられた食事を囲んでみんなで賑やかに食べていると、いつの
間にか一人二人と姿が減り、気がつくとぼくと「妹」だけになっている。
不思議に思って「みんなは?」と訊ねたぼくに目配せした「妹」の視線の方
向、台所との隙間から、投げだされている足の裏が見えた。きっと、いつもみ
んなで昼寝をする部屋を、ぼくと「妹」のために遠慮してくれたのだろう。き
みは寝なくていいの? と訊くと、「妹」は笑って首を振る。
他の家族たちをそっと残して、ぼくは帰ることにした。バス停まで送ってく
れた「妹」は、家に帰ったあとで昼寝をするだろうか? きっと、する。
ぼくはといえば、幾つか雑用を済ませなければならなかったから、「昼寝」
ではなく「夕寝」になってしまったけれど、ホテルの部屋に戻り、筋肉痛の体
を横たえ、実際眠りに落ちていたのは時間にしたら僅かな間だったと思うが、
こういう寝方がまた、気持ちいいのだ。
<サイゴン6 「昼寝」 おわり>
(執筆:2006‐10‐8)
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冒頭でもお知らせした今回の西日本の旅について、語りたいことがあまりに
も盛り沢山なので、どうにか形にまとめたらその一部を、また新しいメールマ
ガジンで発行してみようかと思っています。
準備が進み次第この場でもお知らせするつもりなので、よろしかったら読ん
でみてください。
このインド・アジアの旅行記のほうは、予定では、いよいよあと5回。
そろそろラストスパートということで、あまり間を置かないでお届けできる
ようにしたいですね。
India CUTTERS 047/25/1/2008
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