インド to インドシナ旅行記“India CUTTERS” 045
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India CUTTERS by site_roof 27/12/2007
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[Message from Site on the Roof]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.geocities.jp/siteontheroof/
急にあれこれとタテコミゴトが重なって、先週は予告もなしに休刊になって
しまいました。
今週も、発行日に当てている水曜日ではなく金曜日、しかももう師走の27日
です。
皆さまも、年末で何かと忙しく、届くメールの量なども普段より増えている
かもしれません。そんなところでさらに一つ、メールを加えるようなことにな
っていたとしたら、心苦しいところですが…
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"インド to インドシナ旅行記" 045
<サイゴン5 「ビストロ・ベトナム」>
ぼくが初めてベトナムを訪れた5年前に比べると、今はもう、日本でも随分
と簡単にフォーを食べられるようになった。スーパーのアジアン・コーナー程
度の場所でもフォーの乾麺が手に入るし、インスタント・フォーさえ結構出ま
わりだしている。
過去2度の滞在で、フォーに限らずベトナムの食にすっかり魅了されていた
ぼくは、東京にいればいつでもどこでも食べられる和洋中は外食に任せて、家
で自炊できる日の夜の献立は、ほとんどいつもベトナム料理になってていた。
けれども、食材が入手できるのとそれをしっかり料理するのとは、当然のこ
とながらまったく別のことだ。
フォー。お米でつくる少し平べったい麺を、鶏肉や牛肉そして野菜や香菜と
一緒にスープに入れて食べる。
ベトナム北部のハノイが本場ということで、ぼくの記憶的にもハノイで食べ
たフォーが1番美味しかった覚えがあるが、何せ5年前初めてベトナムに来た
ときのこと、本場だからうまかったのかそれとも初めてのベトナムだからそう
感じたのか、もう1度ハノイに行ってみないことには正確な判断は下せないか
もしれない。
ここサイゴンには、ハノイほどはフォー屋さんは多くない。着いて2日過ぎ
てから、そろそろ、というか、「満を持して」とでもいうか、とにかくいい加
減フォーを食べておかないとと思い、泊まっているファン・グー・ラオ近辺を
散策し、ふと道端に見つけたフォー屋さんに入ってみた。
本当はぼくは、鶏肉のフォー(フォー・ガー)のほうが好きなのだが、例の
鳥インフルエンザ騒ぎの後遺症で、今でもまだガーを出してくれるところは少
ないようだ。「フォー・ガー」を注文したぼくに、そのお店の人も申し訳なさ
そうに首を振った。残念だけど仕方がない。牛肉のフォー(フォー・ボー)を
頼む。
うまかった。ぼくが東京でつくるフォーとはまったく違っていた。お米の平
麺の、自分で茹でたときとは比べものにならないくらいに柔らかい舌ざわり。
だけどそれよりキーになるのは、やはりスープだ。この微妙な味は一体どうや
って出しているのだろう?
フォー・ガーであれば鶏、フォー・ボーであれば牛、それぞれの骨付肉から
スープを採るのはぼくも知識としては知っている。中華のスープや西洋料理の
ブイヨンを作るときと基本的には変わらない。その手間を端折ってぼくは粉末
の鶏がらを使っていた。結果はやはりとてつもない違いをもたらすことを、実
感として味わった。
だけれども、それだけではないような気がした。味の裏のほうに、舌にとて
も優しいごくごく静かで微かな甘さがある。砂糖の甘さなどではもちろんない。
たとえば鶏がらスープを採るときには、骨付肉と一緒に生姜を入れたりする。
でもこれは、生姜ではないと、ぼくは思う。少なくとも、生姜「だけ」ではな
い。ひょっとしてこれは、玉葱の甘みか? この読みは結構いい線いっている
気がしたが、それでもまだ何か足りない。じゃあその「何か」とはなんなのだ
ろう? と、ぼくの疑問はまた振り出しに戻ってしまう。
翌日、サイゴン滞在中の日本の友人と一日行動を共にしたとき、お昼にフォ
ーを食べにいった。
「あまり美味しいフォー屋さんじゃないんだけど」と彼が初めに断っていたと
おり、ぼくが自分でつくるフォーを思いださせるような味だった。微妙な「隠
し甘さ」はない。ただのしょっぱいスープ。「たぶん化学調味料を使ってるん
だと思う」と友人はいう。
だんだんまるで『美味しんぼ』の世界になってきたなと、苦笑いを漏らさな
いではいられなかった。本場ベトナムで食べるフォーの、店によって味の違い
がわかるようになってきたなんて。
いや、前日食べたフォーは、今回初めてのフォーだったから美味しく感じた
だけなのかもしれないという保留を、ぼくはこのときはまだ自分の中に残して
おいた。
子どもたちのセンターへの「通勤」を始めてから、毎朝フォーを食べてから
出かけている。何せ「通勤」前の朝だからそんなにゆっくりしているわけにも
いかず、最初はホテルの丁度目の前にあるフォー屋さんで食べてみた。しょっ
ぱい。これもやっぱり「化学調味料」?
二日でそのお店はあきらめ、次は、ホテルからバス・ターミナルに向かう途
中のお店を試してみた。ちょっとましな気もしたが、それでもあの微妙で優し
い甘さは感じられず、麺や肉や野菜や、具を食べつくしたあとに改めてゆっく
り味わいたくなるスープではない。
とうとうぼくは、バス・ターミナルに行くのとはまったく逆方向になってし
まうのだけれど、最初に食べたフォー屋さんをもう1度トライしてみることに
した。果たしてあのときは、今回1杯目のフォーだったから美味しく感じたの
かどうか?
思わず唸ってしまうくらいに、うまかった。「隠し甘さ」は間違いなく「隠
し甘さ」。ぼくの勘違いなどではない。具のあとのスープを、香菜や野菜や肉
や絞ったライムや数的垂らしたヌクマム(魚醤油)の味が染みてさらに深みの
増したスープを、ぼくはほとんど残さず飲みほした。
これで朝は、もう15分早起きして、遠回りでもなんでもこのお店まで食べに
こないとならなくなってしまった。
市場に行けば肉も野菜も豊富に売っている。それを買って調理のできないホ
テル暮らしの身が悲しい。日本に帰ったあとで1番にしたいことは、このスー
プの味を出せるよう、あれこれ試してみることかもしれない。
<サイゴン5 「ビストロ・ベトナム」 おわり>
(執筆:2006‐10‐7)
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冒頭でも少し述べましたが、にわかにいろいろなことが身の回りで動きだし
つつあります。
取りあえず、年が明けてすぐに、仕事で隠岐の島へ行くことになっています。
ついでに少し出雲の辺りを旅してまわろうかという、そこまでは予定が立って
いるのですが、その先の行動については、自分でもどうなるか、今の時点では
まったく読めません。
ということで、次回から、毎週水曜日の周期は守れそうになく、発行できる
環境のときに(おそらく旅先からになるでしょうが)発行するという方法をと
らざるを得なくなりそうです。
このメルマガももうじき終わりになるので、できたらすっきり区切りがつい
てからにしたかったのですが、とかくものごとは思うとおりには運ばないもの。
読者の皆さまには、どうにもはっきりしない状況になってしまい、「不定期
発行」は好きでないという方もいらっしゃるでしょうが、あと少しですので、
よろしければこのままおつきあいいただければと思います。
もしかすると、今回の出雲のことなど、また次の別のメルマガで綴ってみよ
うかな、などと、またどうなるかわかりもしないことを…
India CUTTERS 045/27/12/2007
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