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2006年夏の終わり、北インドはヒマラヤの秘境ラダックを出てデリーへ、その後アグラ、ヴァラナシ等を経てコルカタまでの列車旅、さらにそこからバンコク、ベトナムへと渡った旅を綴ります。

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2007/11/14

インド to インドシナ旅行記“India CUTTERS” 040

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            India CUTTERS      by  site_roof         14/11/2007

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[Message from Site on the Roof]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.geocities.jp/siteontheroof/ 

 このメルマガでもお知らせしていたラダックの報告会の関係で、先週は休刊
になってしまいました。すみません。

 また、その報告会ですが、読者の方も何人かお越しいただいていたようです。

 この場をお借りして、本当にありがとうございました。

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"インド to インドシナ旅行記" 040


<サイゴン 「妹」>


 明日、いよいよ、「妹」、に会う。いや、本当はぼくは、彼女を「娘」とい
わないとならないのだろうか?

 初めてもらった手紙で「お父さん」と呼ばれた。気恥ずかしくてたまらなか
ったのと、ぼくを「お父さん」といってしまっては彼女の本当のお父さんに申
し訳ない気がして、「ぼくのことはお兄さんだと思ってほしい」と返事を書い
た。そのあとの手紙から、晴れてぼくは「お兄さん」になった。

 世界中の何もかもが、偶然に満ちている。

 そしてこの偶然ほど、世界に豊かさをもたらしてくれるものはないと、ぼく
は思う。

 ぼくがベトナムに興味を持ったのはある知人の影響だったけれど、その人と
知りあったこと自体、突きつめていえば偶然以外の何ものでもない。「里子」
や「スポンサー・チャイルド」の名で呼ばれるシステムが身近なのも、経済的
に恵まれている国で生きているが故。もちろん、その豊かな国日本に生まれた
のも、偶然。

 アジアに限らず、中東、アフリカ、南米、あらゆる地域に広がる同種のシス
テムのうち、どうしてベトナムだったのか、といえば、ただ単にぼくがベトナ
ムに興味を持った偶然から生じた、偶然。

 そしておそらく、ベトナムの中でも多数存在すると思われるグループ、団体、
NPO、NGOの中で、ぼくが選んだところに他とそれほど際立った差異はな
かっただろう。こちらから提示した「女の子」「より厳しい状況下にいる子」
というたった2つの条件を下にして、ぼくの「妹」が彼女になったのも、たぶ
ん相当に、偶然。

 さらにいうなら、いくら恵まれた国とはいっても、日本に住んでいればすべ
ての人がこういう思いに駆られるわけではないだろう。たとえば、仮にすでに
自分の子がいたりしたら、その子のことで精一杯でさらに「里子」を支援しよ
うなどと発想する可能性は少なかったかもしれない。

 とすると、世間的な年齢でいえば自分の子どもがいてもまったくおかしくな
いぼくに、そういう機会がこれまでなかったのも、これまた偶然?

 いや、子どもがいるいないに関わらず、ぼくという人間が「里子」支援の方
向に自分を寄せるようになったこと自体、育ってきた家の影響、か、周囲にい
てくれた友人知人たちによるところが大きい、のか、いずれにしても、どんな
環境でどんな人たちに囲まれてきたか、も、すべて、偶然。

 ここまで何重もの偶然の結果、ぼくの「妹」になってくれた、彼女。これは
ある意味、どんな両親から産まれるか、どんな子どもの親になるかに匹敵する
くらい、ただひたすら謙虚に頭を垂れなければならない、運命、か。

 一体、その運命というか偶然、に値するくらいの人間なのだろうか、ぼくは。

 最初に手紙で「写真を送って」といわれたとき、元来「超」のつくくらい写
真嫌いなぼくが(だからほとんど自分の写真を持っていなくて)、頼まれるま
まに慌てて写真を撮った。今回の旅行中切るつもりのなかった髪を、彼女との
対面を控えて、とうとう切った。

 だけれども、そんな程度のことで「兄」らしい「兄」になれるとも思えず、
そもそも、「里子」である彼女たち彼らにとって、「里親」の存在とは、心の
奥底でどう捉えられているのか、いくら想像を凝らしてみても、ぼくにはわか
らない。

 連絡を取りもってくれているスタッフを通じて、ぼくが明日会いにいくこと
はすでに知っているはずだけど、一体彼女は今晩、どんな思いで過ごすのだろ
う? ぼくと同じように複雑極まりない心を持てあましているのか。それとも、
意外にあっけらかんと、テレビを見たり友だちとお喋りしたりして笑っている
のか。 

 一つだけ、ぼくの「支援」がなければ学校に行くことのできなかった「妹」
であることは間違いないかもしれないが、でも彼女がぼくから送られている金
銭などよりも、はるかに大きなものを、ぼくのほうが彼女から与えてもらって
いる。

 この旅行でベトナムに寄ろうという計画は途中で思いついたことだから、つ
まり当初から「妹」に会うつもりで日本を出たわけではないから、家に置きっ
ぱなしにしてきた彼女のプロフィールを、ぼくは今、はっきりと思いだせない。

 証明写真のような写真1枚と、それから、幾つになっただろうか、12歳? 
13歳? たしか去年くらいの手紙で、日本でいう中学生に進級する、といって
たような気がするけれど。

 こんなことでは「兄」失格といわれてしまうかな?


<サイゴン 「妹」 おわり>


                     (執筆:2006‐10‐1)


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 この旅の最後の寄港地サイゴンに舞台が移ったわけですが、ぼくにとっては
3度目ということもあり、いわゆる観光のようなものを、今回はほとんどしま
せんでした。

 一応「旅のメルマガ」と銘うっているので、どこそこに行ったとかどこそこ
を観たとかいう類の話を、期待されている方もたくさんいらっしゃることと思
います。

 残念ながらこれから先は、そういった期待にはあまり応えられない内容にな
ってしまうかもしれませんが、いよいよ残り少なくなってきたこのメルマガ、
できたら最後までおつきあいいただけると嬉しいです。

 もし、サイゴンの「観光」についておききになりい方は、個別にお問い合わ
せいただければ、↑で述べたようにもう3回行っていますので、ある程度のお
話はできるかと思います。


                             India CUTTERS   040/14/11/2007


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