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2009/12/04

マーケティングのヒント VOL.255『フォーカスの原則は日本企業でも、あてはまるのか?』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.255━2009.12 04
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┃目次∥◎メインコンテンツ     ∥『フォーカスの原則は日本企業でも、あ
                                   てはまるのか?』
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┃  ∥発行:集客支援センター 川又 俊之
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                 マーケティングのヒント Vol.255

       『フォーカスの原則は日本企業でも、あてはまるのか?』


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■ アル ライズ名著『フォーカス』の衝撃

以前、読んだマーケティング本で、衝撃を受けたものとして、ポジショニング
戦略の提唱者として有名な、アル ライズの『フォーカス』があります。

内容は、タイトル通り、企業は様々な業種に手を出すよりも、1つの分野に集中
(=フォーカス)する方が、全体的な利益も増えるという構成です。

実際に、フォーカスに失敗した企業の実例も豊富に取り上げられています。
例えば、消費財メーカーのP&Gが、シトラス ヒルという名のオレンジジュース 
ブランドを1981年に立ち上げたが、一度も黒字化せずに、1992年に2億ドルもの
赤字を出して、この事業から撤退したこと。

男性誌『プレイボーイ』を発行のプレイボーイ エンタープライズが手掛けた
プレイボーイCATV、洋服、香水などの別事業は、全て失敗に終わっているケース
などです。

逆に、フォーカスに成功した企業の事例も、豊富に掲載されています。
その中で、日本人にも身近な例としては、1ヶ月(31日)毎日、違う種類のアイ
スクリームが食べられるとのコンセプトの『31アイスクリーム』、おもちゃ専門
店の『トイザラス』などです。



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■ 『フォーカス』の原則を日本企業の例で見た場合

実に、興味深い本ですが、同時に、1つの疑問も浮かんできます。
それは、『フォーカス』で紹介された企業は、殆どがアメリカの企業の為、果た
して、『フォーカス』の原則は、日本の企業でも、当てはまるのだろうか?です。

以来、この疑問が頭から離れずに、フォーカスに関連する記事などを、自分で集
めていたのですが、その中で、2社、驚きの事例を発見しました。

1社目は、あの『吉野家』です。
2009年11月18日発売の日経新聞 朝刊に『トップに聞く企業戦略』のタイトルで、
吉野家ホールディングス 安倍社長へのインタビューが掲載されています。

記事中には、

『これまでのM&A(合併・買収)はラーメン店撤退などを含め、順調とは言えない』

『食中毒事故が発生したステーキ店どん』

など、『フォーカス』の原則の正しさを裏付ける記事が載っています。
驚くべきことに、吉野家でさえ、牛丼以外の食事業では、失敗続きです。


2社目は、もはや国内ファッション メーカーで敵無しの『ユニクロ』です。
ユニクロの柳井CEOの最近の著書で『成功は、一日で捨て去れ(新潮社)』があり
ます。
本の55頁に、2005年3月に、靴小売チェーンのワンゾーンを100%子会社化したが、
未だに、黒字に達していないとの記述があります。

以前、ユニクロは、全く畑違いの野菜事業に参入し、利益が出ずに撤退したことが
ありました。

ところが、今回は『靴』で、洋服との親和性は高いと言えます。
それでも、約5年前に買収した靴事業で、まだ黒字に成っていない訳で『フォーカス』
の原則は、国を問わず、恐ろしい程、当てはまるのが分かりました。



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■『フォーカス』の唯一の例外といえる企業

『フォーカス』の原則が、どこでも当てはまるのは、理解出来ましたが、それでも1つ
疑問が残ります。

それは、『フォーカス』の対極のコングロマリットで、世界的な規模で成功した企業は
無いのか?です。

日本人にも馴染みがあり、更に、世界的な規模で、30年以上のロング スパンで、成功し
ているコングロマリットはあるか?
この疑問が頭から消えなかった為、個人的に探していたのですが、1社だけ見付かりま
した。
読者は、それが何だかわかるでしょうか?













答えは、ディズニー ランドで有名な『ウオルト ディズニー カンパニー』です。
この会社だけが、唯一、上にあげた条件を満たしている成功したコングロマリット企業と
言えそうです。

『コトラーの戦略的マーケティング(ダイヤモンド社)』74頁に、ディズニー社の事業領
域ポートフォリオが載っていますが、1923年の創立以来、事業領域を拡大していったのが
良く分かります。

最終的に、現在は『旅行業』『テーマパーク』『エンターテインメント』『放送』『映画』
『キャラクター/音楽』などの領域まで、カバーしています。

ところが、良く調べると、ディズニー社は、特殊な例外であり、また実際は、『フォーカス』
の原則を無視し、失敗しているケースも発見出来ます(参考までに、今週の週刊東洋経済 12/5
号は、ディズニー特集です)。

まず、なぜディズニー社は、例外なのかですが、創業は1923年で、現在まで約90年近い歴史が
あります。
つまり、現在のコングロマリット企業になるまで、約1世紀近く掛かっています。
更に、1984年にCEOに就任したマイケル アイズナーガ、ABCテレビを買収、ディズニー ストア
を立ち上げたなど、元々、創業者のアイデアではなかった事業を展開していった点が挙げられ
ます。

ディズニー社でのフォーカスの失敗例としては、週刊東洋経済 12/5号の61頁に、アメリカでの
ケータイ電話事業撤退との記事があります。

ディズニーがケータイ電話? 正直、全くディズニーとの関連性が見えず、アメリカでの事業撤
退も、当然の結末に思えます。
ところが、何と、懲りずに日本で、ソフトバンク経由で、ケータイ電話事業に参入すると書いて
あります。

正直、メールアドレスで、@disney.ne.jp が使えることや、ミッキーのデザインが真ん中に埋め
込まれている点などは、ただのギミックにしか思えません。
果たして、この事業は成功するのでしょうか?


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■ 『フォーカス』を実践し、成功している日本企業

『31アイスクリーム』のように、フォーカスに成功した日本企業では、どれが挙げられるでしょ
うか?

代表的な例としては、歴史関連の新刊書籍/グッズのみを扱う『時代屋』が、フォーカスの成功
例と言えると思います。


参考)http://www.wisecart.ne.jp/jidaiya


『日本史』のジャンルだけの事業展開という大胆さには、驚いてしまいますが、
コンセプト的には、『31アイスクリーム』に匹敵する程の成功事例と言えます。

余談ですが、時代屋の次の事業展開として、ぜひとも『ビジネス書』だけを扱う書店を展開して欲
しいです。
首都圏限定で、出店するならば、可能性はあると思います。



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■ 結論

自社の事業で、現在、本業との関連が薄く利益も出てないものは、削るのは、
どうでしょうか? 何と言っても、ユニクロでさえ、靴事業では赤字です。





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