家族を守る力になりたい
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家族を守る力になりたい(2007・2〜2007・3)
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雇用への安心感を確保していく必要がある
バブル崩壊後、不況に陥った日本経済も最近になってようやく復調の兆しを
見せてきました。しかしこの間、多くの企業がリストラを行い、弱肉強食的な
米国流の市場経済システムも広がってきました。一方で、今年からは「200
7年問題」とも呼ばれるような団塊の世代の大量退職が始まります。
こうした動きによって最も影響を受けるのが雇用です。そこで今回は日本の
雇用について述べてみたいと思います。
社長と新入社員との信じられない給与格差
昨年12月、連結決算の利益水増し問題で日興コーディアルグループの社長
と会長が引責辞任したという出来事がありました。同社の経営陣は業績に連動
して報酬を得ることになっており、辞任した社長は年間3億円もの報酬を受け
取っていました。
業績と連動しているために経営陣自身が故意に利益を水増ししたのではない
かとの疑いがかけられているわけですが、それはともかく、私が何より驚いた
のは歴史ある日本の企業であるにもかかわらず、社長が年間3億円という多額
の報酬を受け取っていたということです。
私が新社会人となった1981年当時、日本の企業では新入社員と社長との
年収の差は10倍前後記憶しています。新入社員の年収が300万円だとする
と社長は3000万円程度だったのです。ところが、この日興コーディアルの
場合、社長の年収は社員の数十倍だということになります。
もちろん米国の企業では以前から、業績に連動して経営陣が社員の100倍
くらいの報酬をもらうというのは珍しくありません。日本の企業社会もそうし
た米国流のやり方が浸透してきたために、日興コーディアルのように米国の企
業のような業績連動型の報酬に切り替える企業も出てきたのでしょう。
経営陣の報酬を米国流に変えていいのか
しかし、経営陣と従業員との給与格差が小さな日本の企業の中で入社以来働
いてきた人が、経営陣に入っていきなり業績に連動した給与体系を採用してし
まってもいいのでしょうか。私は大きな違和感を感じます。というのも、日本
の企業でその人が経営陣に入ることができたのは、本人の力だけではなく他の
多くの社員たちの協力があったはずだからです。
経営陣だけが多額の報酬をもらえるというのは、それまで一緒に働いてきた
人たちをないがしろにした考え方ではないでしょうか。
これまで日本の経済成長を支えてきたのが雇用への安心感です。これこそ日
本的な企業文化と言ってもいいかもしれません。日本の企業の場合、雇用への
安心感が失われると、従業員の志気が低下していきます。
それで最近、流通関係の企業を中心として契約社員やパート社員、アルバイ
ト社員を正社員として雇用するという動きが強くなってきています。これは、
正社員化による雇用への安心感がもたらす業績へのプラス効果を評価したから
ではないでしょうか。
1990年代、不況の中にあって企業がリストラを行っていたときも、私は、
団塊の世代の定年退職で労働力が足りなくなるから雇用環境は改善されていく
のではないかと予想していました。正社員化の動きもその予想の範囲だと言え
ます。
簡単に開業できる派遣会社の問題点とは
とはいえ、派遣社員制度を物づくりなどへと広げてきたために、新しい雇用
形態が広がってきているのも確かで、これには解決すべき問題が残っていると
思います。派遣社員というと、派遣会社の華やかなコマーシャルに象徴される
ように洗練された働き方だという印象がありますが、実態はそうとばかりはい
えません。
最近、49歳の私の友人が仕事に就くための一つの手段として派遣社員になっ
たのですが、そのときにおびただしい数の小さな派遣会社があるということに
気が付いたのでした。そのような派遣会社というのは、新聞折込みなどで求人
広告を出してできるだけ多くの登録者を集め、派遣先企業の要望に応じて登録
者を斡旋するというのが仕事です。
つまり、派遣会社は事務所と電話さえあればそれほど元手をかけずに開業で
き、登録者を集めて派遣先企業に紹介するだけで簡単に利益を上げられます。
雨後の竹の子のように急増してきたのも当然でしょう。言い換えれば、派遣会
社自体は何のリスクも負わず、ただ登録者を増やして派遣するだけで儲けられ
るということです。
登録者のほうは派遣先企業が決まるまでもちろん無収入ですし、社会保険の
適用も受けられません。となると、前述したような雇用への安心感がほとんど
得られないだけでなく、その上に大きなリスクを負っているということになり
ます。
以上のような派遣会社と登録者とのリスクの格差はやはり解消する必要があ
るでしょう。派遣会社も登録者を集めた時点で、その登録者にある程度の報酬
を保証するようなシステムに変えていかなければならないでしょう。あるいは、
派遣期間が延べ1年を超えたら派遣会社が登録者を正社員として雇った上で派
遣するということも考えられるでしょう。
生き方のモデルがなくなっている子供たち
以前、『見捨てられた高校生たち』という本を紹介しましたが、先日、その
著者の朝比奈なをさんとお会いする機会がありました。父親がリストラされる
と、父親自身が自信を失ってしまい、子供に勉強をしろとも言えず、子供とし
てもどうしていいか分からなくなる、生徒は生き方のモデルを見出せなくなっ
てしまう、ということでした。私が会社に勤め始めたころ、課長を見れば、ど
のような将来が待っているか予測できたものです。課長が自分の将来の一つの
モデルだったので、安心して働くことができたのでした。
いずれにせよ、雇用のあり方というのはその子供にも大きな影響を及ぼします。
したがって、日本の将来のためにしっかりした雇用を確保していく努力が欠か
せません、私もそのために現在、雇用政策の立法化に全力で取り組んでいます。
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家族を守る力になりたい
発行人:衆議院議員 大島あつし
http://www.sakitama.or.jp/oshima/
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