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江戸者が出会った、人に伝えずにはいられない驚きの食・広告・言葉・行動・出来事・風習等を、日本のみならず世界にまで風呂敷を広げ、食事時の話題になるよう検証および解説を行う。

  • 周期 隔週
  • 最新号 2008/06/24
  • 発行部数 305
  • マガジンID 0000211260
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2007/09/08

サンマは苦いかしょっぱいか

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江戸者が見た日本驚愕シリーズ

2007年9月8日 VOL.37 白露号
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江戸者が麻布十番から芦屋に引っ越して、間もなく1年。
 サンマまつり開催?!
 すらっとプロポーション抜群、しかし腹黒???
 中秋の名月と言えば月餅!!!

徘徊の中で出会った、びっくり出来事、知っていても食事時の話題くらいにしか
ならない雑学知識等を、徒然なるまま濃縮して送るメールマガジン。

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1.秋刀魚(サンマ)苦いか塩っぱいか

「秋刀魚苦いか塩っぱいか」、という表現は大正10年に佐藤春夫が発表した
「秋刀魚の歌」という詩の中の一説である。
現代では当たり前のように使っている「秋刀魚」という漢字も、この詩以降使わ
れるようになった。

そんなサンマ(以後カタカナ書き)が苦いか塩っぱいかを自らの舌で確認する絶
好の機会がある。
味覚の秋・海の幸チームの一員として、まずはサンマが先鋒として登場。
登場する場所はサンマとは切っても切り離せないあそこだ。

目黒(東京都)
根室(北海道東部)
気仙沼(宮城県三陸)

日本におけるサンマの名所として知られる3拠点が、9月9日から熱い戦いを見
せてくれる。

9月9日(日)目黒にて(品川サイドの主催)
12回さんま祭り 午前10時から午後2時(サンマ5千匹用意、他、無料)
http://www.owarai.to/meguro/
http://www.asahi-net.or.jp/~xq7k-fsm/sanma.htm

9月9日(日)気仙沼にて (サンマ早食い競争 10人x2回、他イベント)
http://www.3sannet.jp/event/e09-02.htm
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2007_08/k/070810k-sanma.html
http://www.k-macs.ne.jp/~k-kanko/frame/fr16.htm
目黒のサンマは気仙沼産? 
http://www.thr.mlit.go.jp/kansen/04chiiki/04_1kansen/030/syunsoku/0000.html

9月15日(土)−16日(日)根室にて
根室のサンマまつり(サンマつかみ捕りがあるそうで・・・)
http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/kanko/data/31-1-007.htm
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/section/kanko/event/sub7.htm

9月16日(日)目黒にて(目黒サイドの主催)
第31回目黒のSUNまつり 午前10時から午後4時
http://www.city.meguro.tokyo.jp/tishin/matizuku/omaturi19/index.htm

9月22日(土)神奈川県相模原にて(今年からスタート)
http://www.townnews.co.jp/020area_page/01_thu/02_saga/2007_3/07_19/saga_top2.html
サンマは岩手県大船渡市からの提供(3千匹)

くれぐれもお出かけの際には、マスク・ゴーグル・タオルをお忘れなきように。

だが残念ながら、私の住む関西圏はおろか、箱根の山以西でサンマまつりを計画
している市町村や商店街はなさそうだ。

そこで、是非とも阪神百貨店梅田本店・地下1階・食品のフロア 阪神食料館に、
サンマまつりの開催を期待したい。
1月末の駅弁大会に続く定番&人気イベントに育て上げて欲しい。

万難を排し、梅田や北新地の地下街にサンマを焼く煙が充満する中、マスク・ゴー
グル・タオル、それに愛用の箸を持参して、私は会場に駆けつけることだろう。

その結果、「サンマは目黒に限る」となるのだろうか?
それとも、新たな落語の誕生となるのだろうか?

「梅田で食うサンマはうめーだ」

お後が宜しいようで。

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2.外観はすらっと美形、しかし実は腹黒

某女性のことではない。
サンマに良く似た魚「サヨリ」のことである。

サンマもサヨリも魚類の中で「ダツ」という魚の一族として分類される。
http://www.uoriki.co.jp/osusume/fish/sa/sayori.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%83%AA
http://www.shunmaga.jp/zukan/gyokairui/sayori/sayori.htm

旬は3月から5月にかけての春、白身の高級魚として刺身・寿司・天ぷら・
お吸い物によく使われる魚である。

しかしサヨリは腹黒い。
腹腔の薄い膜が黒く、しかも苦味があるという。
しばしば、見かけはよいが腹黒い女性にたとえられる魚だ。

一族のサンマが秋を代表する大衆魚であるのと裏腹に、サヨリは春の高級魚。
サンマを堪能してから来春にサヨリにも挑戦してみたい。

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3.中秋の名月迫る

今年の旧暦8月15日は、太陽暦で言うならば9月25日(火)。
日本ではお月見ということで、ススキにお団子という組み合わせで秋の風情を
楽しむ。

だがその風習発祥の地である中国をはじめ東南アジア諸国においては、中秋の
名月の菓子と言えばあくまで「月餅」である。

「月餅」の国際規格は日本の「月餅」とはスケールが違う。
サイズ、贈答頻度、テカテカ度、こってり度、油ギッシュ度、喉詰まらせ度、
内容物への抵抗感・違和感度、全てにおいて。

あれは1998年のことだった。

ご多分に漏れず、私の駐在していたベトナムでも、中秋節は夏から秋にかけて
人々の大きな関心事の1つであった。 
その年も秋がやってきた。
中秋の名月、と言えば風流だが、東南アジアの中秋節はちっとも風流でない。
それは秋といえども30度を越える気温と湿度のせいばかりではなく、「それを
もらっても嬉しくないぞ」という物を互いに贈答する風習があるからだ。
贈答界のハンカチ落とし、もしくはババ抜きと呼んでも差し支えない。 


1998年の旧暦8月15日は太陽暦10月5日。
その半月くらい前から街中には月餅を売る商店が軒を連ねる。 
東南アジアの月餅は犯罪である。

でかい
直径が15cmくらいあるのもざら。
高さ(もはや厚さという範疇を超えている)も7cm以上ある。 

密度
内部にはクルミや謎の木の実がこれでもかと詰まっている。
水分無しでは喉を通らぬ。 

卵黄。
乾燥卵黄が複数個入っている。
言い伝え(としか言いようがない)によれば、卵黄の数が多ければ多いほど目出度
いらしい。
通常は3個だが、稀に4個の月餅もあるのでそれに遭遇した日には幸せの余り狂
喜乱舞することになる。
水分無しでどうやって乾燥した黄身を食べればよいのだ? 

シンガポールに駐在する某日本人が、オーストラリアに月餅持参で出張をした。
行かれた方はご存知とは思うが、オーストラリアの食物検疫は非常に厳しい。

検査官「これは何だ。」
出張者「月餅。中華風菓子。」
検査官「箱を開けて見せなさい。」・・・・・「ふむ、中身は何だ?」
出張者「木の実とか乾燥黄身(egg yoke)とか。」
検査官「没収。」

こうして、彼がシンガポールで買った手土産は、シドニー国際空港税関食物検疫の
厳しい捜査に引っかかり、入国拒否の憂き目に遭った。 

この犯罪のような月餅が9月中旬から全国を駆け巡る。
越国版お中元お歳暮。
お世話になっているあの方・あの会社に、ということらしいが、嫌がらせ以外の
何ものでもない。一刻も早く絶滅して欲しい風習だ。 

私と一緒に仕事をしていた現地スタッフも好みではないらしい。
鳩サブレやヨックモックの菓子なら喜んであっという間にたいらげるのだが、ああ、
何ということ! 9月中旬から月餅店舗が増え、某社駐在員事務所にも続々と月餅が
届き始めたのである。
やめてくれぇええっ!
俺たちが何をしたんだぁー! 
スタッフは絶叫する。

手に余る月餅を運転手や掃除のおばさんに配り、アパートに戻りやれやれと思い、
ほっとしてネクタイを緩めた。
その時に玄関のベルを鳴らす音がする。
誰だろう? 

ドアを開けた。
アパート管理事務所で一番美人のおねーさんが水色のアオザイ姿でにこやかに立っ
ていた。
綺麗だ。 

彼女が両手で胸の前に差し出すそこには、まさに巨大月餅複数個入りセットの箱が
あった。赤と金の中華風色彩の箱であることは言うまでも無い。
私は有難うと言って箱を受け取り、彼女のアオザイ後姿を玄関先で見えなくなるま
で見送った(おやぢだ)。
箱を開けた。1個当たり直径12cm、高さ6cmほどの月餅が4つ見つかった。
パンドラの箱だった。

よりによって、一番美人のおねーさんにアオザイを着せて持ってくることはなかろ
うに。
私は自分の運命を呪った。 

その夜は中秋の名月だったが、雨だった。
世の中で非常に多くの人々が悲しい思いをした日として記憶に留めた。


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次号予定(24節気ベースに発行予定 = 秋分=9月23日)

次号までの出来事
1.9月9日    重陽、菊の節句、救急の日
2.9月10日  下水道促進デー
3.9月11日    エチオピア暦新年(2000年)
        後楽園球場開園70周年(1937年)
4.9月12日    ユダヤ暦新年(5768年)
5.9月13日    世界の法の日
6.9月15日    老人週間
7.9月20日  彼岸、空の日

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