2009/10/16
ピンチがチャンス 発明の基礎は変わらず!
●◎● 非まじめ・メールマガジン 2009.10.16. ◎●◎ 『 ピンチがチャンス 発明の基礎は変わらず! 』 No94号 ◎●◎ 非まじめ発創塾 特許力強化人 坂井 徳栄 ◎●◎ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この度もご購読いただきまして有り難う御座います。 今月中にもう1本書きたいと、準備していますが、期待せずに待って いてください。 11月からは、マグマグ1本になります。 まぐまぐ・メルマガの読者登録は、こちらからどうぞ ⇒ http://www.mag2.com/m/0000209589.html ---------------------------- ◆ 【折々の記】 早いものでリーマンショックから1年余、中国やブラジルなどの 中進国の経済に引っぱられ(従来とは逆現象です)世界の経済界も 落ち着きを取り戻したかのように見えますが、まだまだ油断ができま せんね。 ところで、官僚組織には「パーキンソンの法則」と言うものががあって、 必要性とは無関係に2つの要因があるそうです。 1番目は、部下増大の法則であり、2番目は、仕事量増大の法則だ そうですが、私にはもう一つの法則があるように思えてなりません。 もっともこれは、官僚組織のみならずあらゆる組織と個人、さらには 動植物全体に当てはまるのかもしれませんが、既得権益保持の法則と言う 現在持っている権益や縄張りを保持し、例え失っても何とか回復しようと する働きが必ず生まれてくるように思えてなりません。 小泉元首相がやった「郵政改革」も徐々に崩れ始めているようですし、 私自身が医者通いするのも昔の体調に戻りたいと言う既得権益保持の 法則の1例に過ぎないのかもしれません。 しかし、経済界も全宇宙を含む自然界も、一瞬としてとどまっている ことを許しません。 10月8日は、東海~関東~東北を縦断して太平洋に抜けたが、死者も 2名出して、首都圏ではJRや交通網が大混乱したようです(死亡者と ご遺族にはお悔やみを申し上げます)。 これは、地球温暖化というよりも自然界の変化の一部に過ぎないので しょう。 700年以上前に書かれた平家物語にも『盛者必衰の理をあらわす』と 書かれており、50年以上続いた自民党も変わらなければ崩壊するときが 来たようです。 こうした変化の中で経済界も変化していますが、10月9日の日経新聞を 見ると第1に目を引いたのが「クラウド米大手、日本に」と言う見出しです。 この「クラウド」とは、何のことかわからなかったのですが、クラウド コンピュータシステムだという解説を見てようやくわかりました。 皆さんのほうが良くご存知でしょうから「クラウド」の説明はしませんし、 できません。 中見出しは「グーグル、JTBから受注 国内製と競争激しく」とあって クラウドサービスの国内導入事例が書かれていました。 1.米グーグルがユニチャームにメールシステムを導入し、東急ハンズに メールやスケジュール、掲示板などを導入しました。 2.米セールスフォース・ドットコムが、郵便局会社に顧客の苦情受付 システムなどを導入すると共に、経済産業省にエコポイントシステムを、 ローソンに情報共有システムをそれぞれ導入しました。 3.日本勢は富士通が、HOYAに顧客情報管理シスレムを、パイオニアに 購買システムを導入しました。 4.NECが、ユニクロに営業支援システムを導入 として4つの事例が書いてありました。 次に気になったのが『花王 エコなの特保返上』です。 これは、食用油として始めて特定保健用食品に指定されたのが1998年 5月で、1999年2月に発売したのですから10年以上販売を続けてきた 商品で、花王としても重要な商品だったのです。 何が問題だったかと言うと、『エコナ』シリーズ商品には、人体に入って から消化されるまでの間に発がん性物質に分解される可能性のある物質が、 一般の食用油の10~182倍も含まれていることがわかったので自主返上 したわけです。 これで花王は『エコナシリーズ』をあきらめたわけではなく、改良して 再許可を獲得することを狙っています。 しかし、これは『エコナ』だけの問題ではなく、特定保健用食品制度その ものにも問題があるように思われますし、自然界にないものを食べること 自体危険なことでなのではないかと思われてきました。 と言うと、医薬品は自然界にないものが多いように思われ、それを毎日 飲んでいる私はどうなるのでしょうか?(考えすぎは、ノイローゼの元) こうした変化する経済界の中で、ローソンを除く『コンビに3社 営業 減益』と言うことですからデパートが凋落するのも時代の変化に対応でき なくなってきたと言う話でしょう。 それにしても『ファストリ、逆風化の躍進』とはすごいです。 ファストリ全体で24%という2桁以上の営業増益ですし、既存店の ユニクロが11%増で、スーパー大手と肩を並べる勢いです。 セブン&アイ、イオン、ファストリを比較してみましょう。 社名、売上げ、営業利益、利益率の順に並べてみました。 セブン&アイ 56,400億円 2,818億円 5.0% イオン 52,307億円 1,243億円 2.4% ファストリ 6,850億円 1,086億円 15.9% ファストリの売上げは、イオンの約13%に過ぎませんが、利益率が ダントツの15.9%で、営業利益がイオン87%強もありますからほぼ 同格と言えますね。 この理由を創業年の古い順に考えて見ましょうね。 ---------------------------- ◆ 【非まじめ発創】 創業年代の一番古いのが、なんと、イオンなんですね。 1758年太物・小間物商を四日市で創業したのが始まりで、1026年 (株)岡田屋呉服店を設立、1959年(株)岡田屋に改称、1969年 岡田屋、フタギ、シロの3社共同出資で共同仕入機構ジャスコ株式会社を 設立1989年イオングループ発足したが、その後も合併を繰返し規模拡大 に努め現在に至る。 いろいろ調べてみましたが、イオンの大本である岡田屋、フタギ、シロの 3社共同は、1970年前後に相次いでスーパー業界に進出していた模様です が、イオンの社長岡田卓也氏(1948年に早稲田を卒業)は、大学在学中に 家業の岡田屋呉服店の7代目社長に就任し、卒業後も引き続いてスーパーに 衣替えしたということですから早ければ19560年代にスーパー進出して いたのかもしれません。 次にセブン&アイを見ましょう。 1920年に「羊華堂洋品店」に東京浅草に開業したのが始まりで、 1961年スーパーに進出、1971年に株式会社イトーヨーカ堂に改組、 1973年(株)ヨークセブン(セブンイレブンに改称)を設立して コンビニエンスストアーに進出、2005年イトーヨーカ堂、セブン イレブン、デニーズの3社で持ち株会社セブン&アイを設立し現在に至る。 1920年創業と言うことですから約90年の歴史がありますし、スー パーに進出したり、コンビニに進出したりと挑戦的なところはユニクロと 同様ですが、ここにきて手詰まり感を感じます。 いづれにしても日本にスーパーマーケットが誕生したのが1957年 設立のダイエーに始まるわけですからおおよそ50年の歴史があり、業態と してはかなり古くなっているようで新業態に転換する時期に来ているのでは ないでしょうか? その点では、株会社セブン&アイは、1973年にコンビニエンスに進出 した実績がありますが、これからどう脱皮していくのでしょう。 そこで最後に登場したユニクロが、業態としては一番新しい業態です。 1974年9月2日に株式会社ユニクロの前身であるサンロード(株) 設立ですから30余年の歴史があるのですね。 2005年11月1日、持株会社(株)ファーストリテイリングを設立し、 (株)ユニクロは国内ユニクロ事業を担う事業会社になりました。 このユニクロが発足した当初は、高品質・低価格で男性用衣料品の販売を 始めたと記憶していますが(2001年頃まで)、途中から女性用衣料品 にも参入し「ブラトップ」をヒットさせて以来03年にはカシミヤセーター、 2004年からは機能性インナー「ヒートテック」を次々とヒット商品を 開発してきました。 もちろん、こうした挑戦的な戦略の中には、野菜と言う失敗作もあり ますが、相変わらず挑戦を続け、最近は銀座店も出店し、従来のユニクロ と思えない、違うブランドを展開しています。 ユニクロの快進撃を牽引する最強ヒットメーカーは執行役員 白井恵美氏 は『マイナー部門に着目し女性客を取り込んだ』と語っておられますが、 社長が柳井氏でなければこれも認められなかったことでしょう。 ここまで書けば、今回の目的は果たしたと思います。 商品であろうと販売形態であろうとさらには経済の形態であろうと常に 変化し続けるもので、『強い物ではなく、時代に適応したものが生き残る』 と言うダーウィンの『種の起源』に書かれていることが現実のようです。 ---------------------------- それでは、新商品の開発はどうしたらよいのかと言うことは、私自身 まとめ切れておりませんでしたので前回のメルマガ『スキマを埋めると チャンスが生まれる!』となったのです。 ⇒ http://archive.mag2.com/0000209589/index.html そのままでは悔しいので、一寸古い題材ですがカッターナイフの例を 切り口して書いていきます。 日本には、カッターナイフの専業メーカーは、2社しかありませんが、 (専業でなければたくさんある)発明者は岡田良夫、三郎の兄弟発明です (正確に言うと、実用新案で出願したのですから考案者になります)。 カッターナイフは、岡田良夫氏と弟の三郎氏が1956年、ガラスの破片と 板チョコからヒントを得て、刃先をポキポキ折ることで最後まで切れ味を 持続させる方式を考案したのが始まりで、岡田商会を設立したものの商品 化で行き詰まり一旦会社を清算しました。 このカッターナイフの商品化に成功(1959年)したのが、エヌティー株式 会社で、商品化の難しさをよく示しています。 15年ほど前に発明協会の講演会で三菱電機の特許部長が、「保持して いる特許権のうちの2~3%しか商品かできていない」と話しておられ ましたが天下の三菱電機でさえこういう状態ですから発明することも 難しいですが、売れる商品に育てることは、もっと難しそうですね。 そのエヌティー株式会社のホームページを見ていただくと、実に様々な アイデアにもとづくカッターナイフが見られます。 それらのカッターナイフは、ほとんど権利化されているものと思います。 (特許電子図書館が閉鎖中に書いているので調べられませんでした) ⇒ http://www.ntcutter.co.jp/menu.J.htm 考案者の岡田兄弟は、1967年、改めてオルファ株式会社を設立し、 再出発されました。 ⇒ http://www.olfa.co.jp/ja/index.html オルファの商標は、「折る刃」を意味する「OLHA」からきていますが、 Hを発音しない国もあると言うことでHをFに代えて「OLFA」にした のだそうです。 「折る刃式カッターナイフ誕生秘話」を聞いてみると面白いですよ。 ⇒ http://www.olfa.co.jp/ja/contents/cutter/category01.html この誕生秘話を聞いていると世の中の「不都合なことを解決」すると 新商品を開発できることを実感しますし、前回のメルマガ「スキマを 埋めるとチャンスが生まれる」と言うことにもなります。 そのためには、まずは身近にある商品の「アラ探し」から始めることが 第一歩であり、自社商品の売れている商品や世の中にある 商品の「アラ探し」から始められてはいかがでしょうか。 他人の「アラ探し」は、誰でも簡単にできますが嫌われます。 しかし、商品の「アラ探し」は、世の中に役立つ入り口です。 「不」の付くところに一つ一つ挑戦してみませんか。 不都合、不便、不平、不満、不具合~~~いくらでも出てきます。 ---------------------------- 以上の2社で市場を押えているところに私の地元:三条市の高儀と言う 地場商社が何とかしてカッターナイフ市場に参入しようとしてとった 戦略は、次のようなものでした。 建設工事作業現場の木製の壁(合板)に必要なときに、必要な位置に、 必要な大きさの穴を開けたいときの工具を開発することになったそうです。 木製とはいえ一旦立ち上げた壁・天井・床などに配線や配管のためとは いえ必要な位置に、必要な大きさで、必要な形状の穴を開けるということは、 思っている以上に難しいのです。 カッターナイフの替え刃をノコギリにした替え刃式ノコギリを開発して 商品化に成功したそうです。 これならオルファの権利を侵害しないのみならず、新しい権利を取れます から、当然出願して権利化した上で他のカッターナイフと一緒にカッター ナイフ市場に後発で参入したと言うのです(もちろん、オルファの権利が 切れた後です)。 いかがですか、こういったスキマは世の中にはたくさんありますから 必死になってスキマ探し、「アラ探し」に精を出されるのも必要では ありませんか? この話は、20数年前に定年退職した社員から15年ほど前に聞いた話を 思い出しながら書いておりますから正確ではありませんが、趣旨はご理解 いただけるように書いたつもりですがいかがでしょうか? こうした戦略は、大企業でもやっています。 「食用酢」のミツカンをご存知だと思いますが、あのミツカンが、 納豆市場に進出して行ったのもこれと似た戦略です。 ただしミツカンには、食用酢で養った「菌の技術」がありますから例え 特許権がなくとも他社にやすやすと真似されないでしょう。 納豆市場は、首位のタカノフーズが、約半分押える中で10年位前から ミツカンがシェアを伸ばしています。 ミツカンは、納豆業界では新参者ですから「納豆はこうあるべき」といった 「業界の常識」にとらわれない発想力があります。 ミツカンは、納豆は臭う物と言う業界の常識を打ち破った「におわなっ とう」シリーズをヒットさせ、「金のつぶあらっ便利! 超やわらか納豆 とろっ豆」、たれや容器も進化させています。 商品名に「あらっ便利!」が入る商品は、タレがゼリー状になっている 上に手につく納豆を覆うフィルムのない納豆です(過去のメルマガにも 書いた)。 ツカンの強みは、上に書いたように「ネバネバが手にくっつく」と言う 「不便さ」と、水溶性のタレを「ゼリー状にした」と言う新規性があります。 その上、「常識破りの発想を商品化できる食用酢で培った菌の育種技術が あります。・・・これが重要なポイントでもあります。 ---------------------------- この「常識破りの発想」と言う点では、中村修二氏の右に出る人はいない でしょうね。 何しろ、日亜化学工業社員時代に再三爆発事故を起こしながらも青色発光 ダイオードを開発したのですからね。 1990年代に光の3原色である赤、緑、青のうち青色発光ダイオードが 開発できず、今世紀中の開発はムリだとされていた技術です。 それを中村氏が1993年に開発してしまったので、当時はノーベル賞級 の発明としてマスコミをにぎわしました。 にもかかわらず日亜化学工業では、新社長に嫌われ米カリフォルニア大学 サンタバーバラ校教授に転出されたのです。 その後、発明の代価訴訟で地裁では200億円の判決が出たものの高裁 で8億4391万円で和解したのですが、中村氏は納得して和解したのでは なかったようです(当時の記者会見で、完敗だと発言されました)。 その証拠が、2009年9月13日のニュース報道です。 青色ダイオードの生みの親、中村修二氏は、三菱化学とタッグを組み LED素子の世界シェア40%を誇る日亜化学工業に挑む。 古巣の日亜化学工業を辞めた後、三菱化学と続けてきた8年間の共同研究 の成果を報告した。 現在主流の白色LEDは青色LEDの光を黄色の蛍光体に通して白色発光 させているそうですが、日亜化学工業としてはとんでもない挑戦者の出現 ですね。 ---------------------------- ◆ 【特許力を強化レポート、冊子集】 ≪ 無料レポート ≫ 1.図解『特許の落し穴と本質7つのツボ!』 (PDF版 A4版 43頁) 2.【特許 模倣を防ぐ3つのツボのすすめ方】 (PDF版 A4版 42頁) お申込みになられると、改めて入手方法をメールでご案内しておりますが、 アンケートにお答えいただいても特典サービスをお送りする体力も気力も ございません。 また、体調からしてご支援は停止いたしております。 これらの点はどうかご理解ください。 これらの無料レポートも10月31日で停止しますからお早めにどうぞ。 ---------------------------- ◆ 【あとがき】 最後までお読みいただきまして 本当に有り難うございました。 書き始めたときには、どこまでかけるか心もとなかったのですが、 思っていた以上に中味のある長い文章になりました(長すぎた)。 結論は、従来と同じでは、進歩しないと言うことです。 いかがでしたか、お役に立てたでしょうか? あなた様の ご健康と ご健闘 ご活躍を お祈り 申し上げます。 ホームページは、10月31日で、廃止します。 ⇒⇒⇒ http://www.himajime11.com 11月からは、まぐまぐ・メルマガのみになります。 まぐまぐ・メルマガの読者登録は、こちらからどうぞ ⇒ http://www.mag2.com/m/0000209589.html 発行元:原点発創研究所:非まじめ発創塾 発行責任者:坂井 徳栄 アドレス:himajime + 半角の@マーク + apost.plala.or.jp ---------------------------- <免責事項> ※ ご紹介内容は、発行者の考え方です。 購読者個人の責任においてご利用ください。 記載内容を利用して生じた結果について、 何らかの損害が発生しても、発行者は責任を負えません。 ※ 友人、知人への転送は、大歓迎ですが、 文章を変更しないでこのまま転送してください。 一部あるいは全部の無断転載は、固くお断りします。 Copyright 2009


