住まいと法律~判例編  RSSを登録する

住宅をめぐる法律は激変したといっても過言ではありません。こうしたなか安心できる住まいの購入、トラブルの防止を実現するためには、かつての裁判例を理解することが重要です。住まいと法律(判例編)では、住まいにかかわる判例をわかりやすく解説します。

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2008/12/13

住まいと法律~判例編(99号)

 
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住まいと法律〜判例編(99号)
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・事実
(最高裁平成20年4月11日)
住宅などの郵便受けには様々な印刷物が投函されます。マンション販売の案内や
集会の開催、政治家の活動報告、あやしげな金融業者の広告などなど実に様々で
す。
 マンションに設置されている郵便受けに印刷物を投函するためには、マンショ
ンの建っている敷地はもちろん、マンション内の階段や廊下などの共有部分に立
ち入らなければなりません。今回の事案では、マンション内の共有部分に立ち入
ってビラを投函した行為が問題となりました。
 反戦平和運動に参加していた被告らは、「ブッシュも小泉も戦場にはいかない」
などと書かれた自衛隊のイラク派遣に反対するビラを、防衛庁の宿舎に立ち入っ
て玄関ドアの新聞受けに投函しました。このような被告らの行為について、警察
に住居侵入の被害届が出されたことから、今回の判決が出るに至ったのです。

・法律上のポイント
憲法21条は「表現の自由は、これを保障する」と規定しており、今回の事案の
ようなビラ配りも憲法21条によって保障されています。ビラ配りは憲法によっ
て保障されているのですから、ビラ配りを全面的に禁止するような法律が制定さ
れたとすれば、その法律は違憲と判断されます。
 しかしながら、ビラ配りの方法や場所などを規制しているのみで、規制を守れ
ばビラ配り自体は実行できる場合にはそのような規制でも合憲ということになる
可能性がないとはいえません。法律上のポイントは、憲法が表現の自由として保
障するビラ配りであっても、他人の住居に立ち入ったとして刑罰という重い処罰
の対象となる行為なのかどうかです。
[高橋181頁]

・判決
判決は、まず、「憲法21条1項も、表現の自由を絶対無制限に保障したもので
はなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであって、たと
え思想を外部に発表するための手段であっても、その手段が他人の権利を不当に
害するようなものは許されない」と指摘しました。その上で、本件の事案につい
てビラ配りが「たとえ表現の自由の行使のためとはいっても、このような場所に
管理権者の意思に反して立ち入ることは、管理者の管理権を侵害するのみならず、
そこで私的生活を営む者の私生活の平穏を侵害するものといわざるを得ない」と
して、被告らに刑罰を科しても憲法には違反しないと判断しました。
(判例は変更されることがあります。トラブルの際には弁護士などへご相談を)
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発行人:馬場 民生(法科大学院生)
HP:http://www.jttk.zaq.ne.jp/bagqn504/
掲示板:http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/jttk_bagqn504_1/frame/list
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000209388.html 
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