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住宅をめぐる法律は激変したといっても過言ではありません。こうしたなか安心できる住まいの購入、トラブルの防止を実現するためには、かつての裁判例を理解することが重要です。住まいと法律(判例編)では、住まいにかかわる判例をわかりやすく解説します。

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2008/12/10

住まいと法律~判例編(98号)

 
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住まいと法律〜判例編(98号)
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・事実
(京都地裁平成19年10月18日)
被告は建売住宅を建設販売した不動産会社と、同じ建売住宅に隣接する地域で排
水路改良工事を行った京都市です。被告等を訴えた原告は、建売住宅を購入した
建売住宅の住民です。
 被告の不動産会社は、水田に約80センチメートルの盛土をして問題となった
建売住宅を建設しました。建売住宅が建てられた土地は、軟弱地盤が基底をなす
旧河道に当たると推測されていたにもかかわらず、不動産会社は土地の地盤調査
をせずに建物を建築してしまいました。
 その結果、建売住宅は売却後間もないころから傾きやひび割れが発生する事態
となりました。さらに、京都市がその後行った排水路改良工事によって、建物の
傾きやひび割れの程度が拡大したのです。
 そこで、原告となった建売住宅の住民は、不動産会社と京都市に対して共同し
て責任を負うべきと主張しました。

・法律上のポイント
民法719条1項には、「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたと
きは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」と規定されています。複
数の人または会社の行為によって、他人に損害を与えたときには共同で責任を負
いなさいという意味です。集団リンチのような意思を通じ合って行う行為だけで
はなく、今回の事件のように各自がばらばらに同じ特定の人に損害を与えた場合
でも、加害者達は共同で責任を負わなければなりません(共同不法行為責任と呼
ばれています)。
 加害者達が共同で責任を負うということの被害者にとっての意味は、加害者全
員ではなく、加害者のいずれか1人に対して損害の全額を請求できる点にありま
す。加害者の1人が金銭的に困窮しているため、損害賠償を支払うことができな
くても、被害者としては別の加害者に請求すればいいわけです。
 法律上のポイントは、互いに繋がりがなかったはずの不動者会社と京都市が、
被害者に対して共同して責任を負うのかどうかです。
[田上157頁以下]

・判決
判決は、まず、不動産会社について「建物の基礎をべた基礎とすれば不同沈下を
防ぐことができるものと軽信し、地盤調査を」しなかったとして、責任を認めま
した。また、京都市についても、工事によって「建物に更なる損傷を与える危険
性があることが予見できたというべき」として責任を認め、不動産会社との間に
民法719条にいう共同不法行為が成立すると判断しました。原告の住民は、不
動者会社と京都市のいずれに対しても、裁判所が容認した損害の全額を請求でき
ることとなりました。
 法律問題とは直接の関係はありませんが、判決が「建物の基礎をべた基礎とす
れば不同沈下を防ぐことができるものと軽信」したと指摘しているのは興味深い
です。「べた基礎」にすれば建物は傾かないかのようなチラシの記載を見たこと
がありますが、現実の地盤対策はそれほど簡単ではありません。
(判例は変更されることがあります。トラブルの際には弁護士などへご相談を)
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発行人:馬場 民生(法科大学院生)
HP:http://www.jttk.zaq.ne.jp/bagqn504/
掲示板:http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/jttk_bagqn504_1/frame/list
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000209388.html 
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