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住宅をめぐる法律は激変したといっても過言ではありません。こうしたなか安心できる住まいの購入、トラブルの防止を実現するためには、かつての裁判例を理解することが重要です。住まいと法律(判例編)では、住まいにかかわる判例をわかりやすく解説します。

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2008/12/03

住まいと法律~判例編(96号)

 
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住まいと法律〜判例編(96号)
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・事実
(最高裁平成19年7月6日)
マイホームが建っている土地にお金を借りるために抵当権を設定したところ、抵
当権を実行されてしまい土地が他人のものになってしまった。我が家からの立ち
退きを迫られないためには、なにを主張すべきなのでしょうか。
 当初、土地は被告が所有しており、土地の上にある建物を被告の夫が所有して
いました。そして、このような所有状態にあるときに、土地と建物に抵当権が設
定されています(1番抵当権)。
 その後、被告の夫が死亡したため、妻たる被告と子ども達が建物の所有権を得
ました。土地の所有権は被告のままです。そして、1番抵当権が残っている状態
で、別の債権者が同じ土地に抵当権を設定しました(2番抵当権)。
 1番抵当権については、2番抵当権が設定された後に、設定契約が解除されて
います。ところが、2番抵当権については抵当権を実行されてしまい、競売によ
って土地の所有権を取得した原告から、被告は建物の収去と土地の明渡しを請求
されてしまったのです。

・法律上のポイント
法律上のポイントは、法定地上権の成否です。地上権とは賃貸借のようなものと
理解してください。法定とは「法律の定めによって」という意味ですから、法律
の定めによって、被告が建物に住み続けるために土地を原告から強制的に借りる
ことができないのかどうかが、問題となっているのです。
 民法には、法定地上権を認める規定があります(388条)。その規定によれ
ば、抵当権を設定した当時に土地と建物が同一の所有者に属することが、法定地
上権を認める条件の1つとなっています。
 そこで、今回の事案を眺めてみると、1番抵当権を設定したときには土地は被
告、建物は被告の夫が所有しており、土地と建物の所有者が異なります。そのた
め、法律が定める法定地上権の条件を満たさないように見えます。他方、2番抵
当権を設定したときには、被告が亡夫から建物の所有権を引き継いでいますから、
土地と建物の所有者が同じとなり法定地上権が成立しそうです。しかも、1番抵
当権は既に設定契約が解除されているのですから、2番抵当権のみを考慮して法
定地上権の成否を判断すれば済むような気もします。
[近江債権総論195ー196頁]

・判決
判決は、「1番抵当権が被担保債権の弁済、設定契約の解除等により消滅するこ
ともあることは抵当権の性質上当然のことであるから、2番抵当権者としては、
そのことを予測した上で、その場合における順位上昇の利益と法定地上権成立の
不利益とを考慮して担保余力を把握すべきであった」(読みやすくするため一部
修正しています)と指摘した上で、法定地上権を認めても2番抵当権者に不測の
侵害を与えず、1番抵当権は消滅しているから1番抵当権者の利益を考慮する必
要もないのだから、本件の事案では法定地上権が成立すると判断しました。被告
は原告に土地の地代を支払いながら、建物に住み続けることができます。
 法定地上権はややこしい問題です。法定地上権の成否も、事案の内容によって
成立したりしなかったりと変化します。トラブルの際には法律の専門家に相談す
るのが無難でしょう。
(判例は変更されることがあります。トラブルの際には弁護士などへご相談を)
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発行人:馬場 民生(法科大学院生)
HP:http://www.jttk.zaq.ne.jp/bagqn504/
掲示板:http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/jttk_bagqn504_1/frame/list
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000209388.html 
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