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住宅をめぐる法律は激変したといっても過言ではありません。こうしたなか安心できる住まいの購入、トラブルの防止を実現するためには、かつての裁判例を理解することが重要です。住まいと法律(判例編)では、住まいにかかわる判例をわかりやすく解説します。

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2008/11/22

住まいと法律~判例編(94号)

 
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住まいと法律〜判例編(94号)
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・事実
(最高裁昭和38年4月23日)
原告の所有する土地をある人が借りて、その土地の上に建物を建設しました。そ
して、この人は別の人に所有する建物と土地の賃借権を譲渡したのです。ところ
が、原告は建物と土地賃借権の譲渡に同意しませんでした。
 建物の所有権と土地の賃借権を譲渡された別の人は、さらに被告へ建物と土地
を貸しました。こうして、被告は問題となった建物を占有するに至ったのです。
 事案を図式すると次のようになります:原告(土地の所有者)―(土地を賃貸)
→ある人(土地の賃借人、土地の上に建物を建設して所有)―(建物の所有権と
土地の賃借権を譲渡)→別の人―(建物と土地を賃貸)→被告(建物を占有)
 しかし、そもそも建物と土地賃借権の譲渡を土地の所有者たる原告が同意して
いなかったのですから、被告は建物をその土地の上に所有する権限のない人から
借りている可能性があります。

・法律上のポイント
法律上のポイントは、借地法10条の解釈です。古い法律ですが、平成4年8月
1日(借地借家法の施行日)よりも前に土地を借りた人には、借地法が適用され
ます。
 借地法10条は、土地の賃借権の譲渡に土地の所有者が同意しなかった場合に
は、その土地の上の建物の買取を土地所有者に請求できると定めています。被告
は土地を占有する権限があることを証明するために、所有者の承諾を得ずに土地
の賃借権を譲渡した建物の賃貸人(別の人)に代わって、建物の買取を土地の所
有者(原告)に対して請求したのです。被告のこのような請求の根拠となったの
が、借地法10条でした。
[―]

・判決
判決は、被告が「本件建物の買取請求権を代位行使することにより保全しようと
する債権は、右建物に関する賃借権である」にもかかわらず、建物の所有者(被
告にとっての賃貸人)が被告の請求によって「受けるべき利益は建物の代金債権、
すなわち金銭債権に過ぎないのであ」って、賃貸人が金銭を得たとしても被告の
「賃借権が保全されるものでないことは明らか」としました。
 判決の言わんとするところは、以下のような感じでしょうか。被告の主張通り
にしても、被告が建物を借りている人は建物を土地の所有者に取られてしまい、
お金を得るに過ぎない。その結果、被告が賃貸借契約をしている相手は建物の所
有権を失ってしまい、被告に対して建物を貸し続けることができなくなってしま
う。このようなことをしても、被告が問題となっている建物を借り続けることを
正当化できないから、被告の請求は無意味というしかない。
(判例は変更されることがあります。トラブルの際には弁護士などへご相談を)
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発行人:馬場 民生(法科大学院生)
HP:http://www.jttk.zaq.ne.jp/bagqn504/
掲示板:http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/jttk_bagqn504_1/frame/list
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000209388.html 
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