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住宅をめぐる法律は激変したといっても過言ではありません。こうしたなか安心できる住まいの購入、トラブルの防止を実現するためには、かつての裁判例を理解することが重要です。住まいと法律(判例編)では、住まいにかかわる判例をわかりやすく解説します。

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2008/10/11

住まいと法律~判例編(88号)

 
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住まいと法律〜判例編(88号)
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・事実
(最高裁平成18年12月8日、判タ1248号245頁判時1963号83頁)
配管工事業等を営む会社を経営する原告は、マンション販売などを手がける被告
からマンションの一室(604号室)を購入しました。マンションの販売用パン
フレットに隅田川の花火大会の花火の写真を掲げるなどしており、原告は花火が
見えるという点を重視して本件マンションを購入しました。原告は経営する会社
の取引先を、購入したマンションにおいて接待することを考えていたために、花
火が見えるという点にこだわりがあったのです。
 ところが、原告がマンションの引渡しを受けて1年もしないうちに、被告から
新たなマンション建設のお知らせが届きました。被告が新たにマンションを建設
すると、原告の購入したマンションの一室から花火を鑑賞する妨げになるもので
した。
 被告が花火が見えるといって原告にマンションを売却したのに、他ならぬ被告
自身が、そのマンションから花火が見えなくなる位置に新たなマンションを建設
するというのです。納得がいかない原告は、被告に対して慰謝料などを請求する
ことにしました。

・法律上のポイント
被告に対するマンション住民の抗議に対して、被告は説明会において「法的責任
はない」と反論しました。新しいマンションは合法的に建設するものなのだから、
法的責任を負う義務はないということなのでしょう。法律上のポイントは、被告
に花火の観望を妨げないように配慮すべき法的義務があったのかどうかです。
[NBL2007.3.15鎌野]

・判決
判決は、「被告は、原告らに対し、信義則上、604号室からの花火の観望を妨
げないように配慮すべき義務を負っていたと解すべき」と判断しました。そして、
「原告らが受けた精神的苦痛は相当なものであったと認められる」として、慰謝
料の請求については容認しています。
 ただし、本件マンションは都心に位置していると指摘した上で、「都心におけ
る高層ビルの建築が相次いでいるという状況を勘案すると、隅田川花火大会の花
火を室内から鑑賞する利益といえども、本件のように売主自身がこれを妨げると
いう特殊な事案を除き、いかなる場合にも法的に保護すべき利益とまではいえな
い(中略)仮に被告がその建築をしなかったとしても、いつか、だれかが同様の
規模のマンションを建築するということも考えられるところである。以上の点も
慰謝料の算定にあたり十分に考慮されなければならない」と判決は述べています。
このような問題が生じる背景には、「都市計画はあるものの、市民(国民)、事
業者、行政の間において、眺望・景観も含む共通の具体的な空間利用イメージが
未だ形成されていない」(前記NBL15頁)ことがあります。
(判例は変更されることがあります。トラブルの際には弁護士などへご相談を)
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発行人:馬場 民生(法科大学院生)
HP:http://www.jttk.zaq.ne.jp/bagqn504/
掲示板:http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/jttk_bagqn504_1/frame/list
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000209388.html 
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