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住宅をめぐる法律は激変したといっても過言ではありません。こうしたなか安心できる住まいの購入、トラブルの防止を実現するためには、かつての裁判例を理解することが重要です。住まいと法律(判例編)では、住まいにかかわる判例をわかりやすく解説します。

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2008/07/26

住まいと法律~判例編(81号)

 
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住まいと法律〜判例編(81号)
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・事実
(最高裁平成元年11月8日、判タ710号274頁)
市長が、市の指導に従わない建設業者の建設したマンションに水道供給を拒否し
たところ、水道法という法律に違反するとして、市長に対して罰金が科せられた
事件です。
 市では、市内のマンション建設の急増とそれに伴う紛争の多発などに対応する
ため、指導要綱というものを定めました。指導要綱では、マンションを建設する
際に周辺住民からの同意や教育施設負担金の寄付などを定めており、もしこの要
綱に違反した場合には、上下水道などについて必要な協力を行わないと規定して
いました。
 そして、ある建設会社が、市の指導要綱に従わなかったことから、市は給水契
約の締結を拒絶するに至ったのです。

・法律上のポイント
指導要綱は地方自治体の市長などが策定するもので、法律ではありません。しか
し、この指導要綱に沿っていわゆる行政指導が行われ、市の指導に従わないと水
道の供給まで拒否されてしまうのですから、事実上の影響力はかなり大きいとい
わざるを得ません。
 本件で問題となった水道法15条1項には、「水道事業者は、事業計画に定め
る給水区域内の需用者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなけ
れば、これを拒んではならない」と規定されています。市のいうことを聞かなか
ったからといって、水道の供給を拒否することが許されるのでしょうか。
 法律上のポイントは、市の指導に従わなかったことが、水道法のいう「正当な
理由」にあたるかどうかです。
[塩野総論97頁219頁]

・判決
判決は、建設業者が公序良俗に違反するような行為を行っていなかったとした上
で、このような場合には「指導要綱に従わない事業主らからの給水契約の申込で
あっても、その締結を拒むことは許されないというべきであるから、(中略)本
件給水契約の締結を拒む正当な理由がなかった」と判断しました。確かに、建設
業者は市の指導に従わなかったけれども、それなりに指導に沿った努力はしてい
たのだから、公序良俗に反するとまではいえない。したがって、水道の供給を拒
否して水攻めにするのは、やり過ぎだと裁判所は判断したわけです。その結果、
市長は有罪となりました。
 市長はよりよい街づくりを実現するために、善意でこのような行為をしたのだ
と思います。しかし、善意であれば権力者は何をしても許されるとするのであれ
ば、それは独裁としか言いようがありません。
(判例は変更されることがあります。トラブルの際には弁護士などへご相談を)
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発行人:馬場 民生(法科大学院生)
HP:http://www.jttk.zaq.ne.jp/bagqn504/
掲示板:http://db.zaq.ne.jp/asp/bbs/jttk_bagqn504_1/frame/list
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000209388.html 
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