2009/11/08
5分でわかるデジタル家電のABC Vol.085
5分でわかるデジタル家電のABC Vol.085 【DRAMのデータ保存に使うコンデンサ・・・DRAMの謎2】 発行:2009.11.08 23:00 配信数:まぐまぐ:1368部 melma!:490部 -------------------------------------------------------------- 【目次】 1.データの保存方法 2.コンデンサ 3.どうして揮発性なのか 4.DRAMの原理 5.まとめ 6.次回予告 7.編集後記 -------------------------------------------------------------- 【このメールマガジンの登場人物】 X君: 大学生。法律の勉強をしているらしい。 2週間に1回ぐらいの割合で、【私】の家に遊びに来る。 忙しい時は、遊びに来なくなるので注意。 私: 電機メーカで、デジタル家電の研究開発に従事している。 -------------------------------------------------------------- 【1.データの保存方法】 X君 「それにしても、不思議ですよね。 フラッシュメモリは、電源を切ってもデータは消えないのに、 DRAMは、電源が無いとデータが消えてしまうなんて」 私 「フラッシュメモリとDRAMでは、データの保存方法が違うからね」 X君 「フラッシュメモリは、えーっと・・・ 浮遊ゲートの中にデータを貯めておくんでしたよね?」 私 「うん、その通り。よく覚えているね」 X君 「そりゃまあ、これだけ話を聞いていれば、少しは覚えますよ」 私 「フラッシュメモリは、 浮遊ゲートにデータ(電子)を保存しておくのだけれど、 DRAMは、何と、コンデンサ(キャパシタ)を使うのだね」 X君 「はあ・・・コンデンサですか? 聞いたことがあるような気もしますが、一体どんなものなんです?」 -------------------------------------------------------------- 【2.コンデンサ】 私 「コンデンサというのは、 電荷(電気)を貯めることができるものだよ。 英語ではキャパシタ(capacitor)という方が一般的かな。 この前、イギリス人のエンジニアと話をしていたら、 やっぱり、キャパシタと言っていた」 X君 「で、そのコンデンサとかキャパシタとかいうものは、 電荷を貯めるとか言うことですが、どんな原理なのでしょうか?」 私 「基本的には、薄い金属板を二枚重ねたような形状をしている」 X君 「二枚の金属板ですか?」 私 「この金属板に電圧を掛けると(電位とか電界ともいう)、 電荷が貯められるんだ。まあ、とりあえず今回はDRAMの話だから、 詳しい説明を省くけれど、これが基本的な原理」 X君 「まあ、あまりよく分かりませんでしたが、 とにかく、電気を貯められるものなんですね」 私 「そう。コンデンサは、多くの電子部品として売られている。 ちょっと前までは、リード線が付いたタイプのものが主流だったが、 今では、【チップコンデンサ】というものも多くあるよね。 携帯電話など小型になった理由の一つが、 コンデンサなどの部品の小型化だ。 で、このコンデンサは、日本メーカのものが広く使われており、 有名どころは、村田製作所、それから京セラ。 マニアックなところでは、米国ATCなんか高周波用では定評がある」 (以上のメーカは、セラミックコンデンサの例) X君 「何か、コンデンサについては思い入れがあるようですが、 DRAMの話の続きをお願いします」 -------------------------------------------------------------- 【3.どうして揮発性なのか】 私 「そうだった。 コンデンサについては語り尽くせない程の思い出があるけれど、 今日はDRAMの話だったね」 X君 「DRAMはコンデンサにデータを貯めるとかいう話です」 私 「コンデンサは、電荷(電気)を貯めることが出来る という話をしたけれど、電荷の有無で、1bitの情報を記憶する」 X君 「また難しい話になりました」 私 「通常は、コンデンサに電荷が有るときを"1"とするだろうね。 つまり、コンデンサに充電すると、"1"のデータが記憶できる」 X君 「そうなんですか」 私 「コンデンサ内に電荷が有る状態を"1"、無い状態を"0"とすれば、 ほら、二進数で情報を表すことが出来るよね?」 X君 「うーん、まあそうですね」 私 「ところで、コンデンサの欠点は、 時間が経つと勝手に放電してしまうことだ。 コンデンサの容量によっては、放電時間も遅いものがあるけれど、 DRAM内部に使われるようなコンデンサは、放電も早い」 X君 「分った!だから、【揮発性】なんですね。 つまり、コンデンサが勝手に放電してしまうのが 【揮発性】の理由だということだったんですね?」 私 「そう、今日は冴えているね」 -------------------------------------------------------------- 【4.DRAMの原理】 X君に説明したように、DRAMのデータ保存には、 コンデンサ(キャパシタ)が使われています。 コンデンサは、電荷(電気)を貯めておくことができる部品です。 電荷が有る状態を"1"、無い状態を"0"とすれば、 2進数で表したデータを保存することができますね。 しかし、コンデンサの欠点の一つは、電荷の自然放電です。 せっかく貯めたデータも、 時間が経つと放電してなくなってしまうのです。 だから、DRAMは【揮発性】なのです。 放電を防止するために、 DRAM内部で頻繁に【リフレッシュ】という動作をしています。 フラッシュメモリは、浮遊ゲート内部に電子を貯めていました。 浮遊ゲートは絶縁されており、 電子が外部に逃げていくことはありませんでした。 DRAMと、フラッシュメモリには、そういう違いがあるのです。 DRAMの続きは次回。 -------------------------------------------------------------- 【5.まとめ】 (1)DRAMのデータ保存には、コンデンサ(キャパシタ)が使われる。 (2)コンデンサに電荷が有る状態を"1"、無い状態を"0"とする。 (3)DRAMが【揮発性】メモリである理由は、 コンデンサが自然に放電してしまうためである。 (4)コンデンサの放電を防止するために、 DRAMは【リフレッシュ】動作が必要になる。 (電源を切ると【リフレッシュ】ができないのでデータは消える) -------------------------------------------------------------- 【6.次回予告】 その後は、こんな感じでいきたいと思います。 (予定は未定です) DRAM、SRAM 携帯電話端末端末(赤外線通信) 国際通話サービス 携帯電話方式(W-CDMA(FOMA),LTE(S3G),iモード) (800MHz,2.1GHzの違い) 無線LAN、WiMAXなど。 ビデオ、CD、DVD。 太陽電池 -------------------------------------------------------------- 【7.編集後記】 今回はコンデンサの話が出ましたが、 コンデンサについては、多くの思い出があります。 それについては、いつか機会があったら書くことにしますが、 セラミックキャパシタと呼ばれる部品は、 殆ど全てのデジタル家電に使われていると思います。 形状がシンプルで美しいので、私が好きな部品の一つです。 X君 「好きな部品というのがあるんですね。エンジニアは不思議です」 -------------------------------------------------------------- もしよかったら推薦してください。「読者さんの本棚」(まぐまぐ) (melma!と「まぐまぐ」ではIDが異なりますのでご注意ください) http://www.mag2.com/wmag/osusume/toukou.html 【5分でわかるデジタル家電のABC】ID:0000209216 -------------------------------------------------------------- 【5分でわかるデジタル家電のABC】 メールマガジン配信解除・配信先の変更は、こちらからお願いします。 http://archive.mag2.com/0000209216/index.html --------------------------------------------------------------



