2009/11/04
こころは超臨界 No.744「新たなバブル」
【 幸せと平和を願う人々の心が臨界質量を超えるとき世界は変わる 】 ( 心が臨界質量を超えるとは → http://tinyurl.com/5kr6f ) **************************************************************** 人間学を学ぶメルマガ『 こころは超臨界 』 読者:366人 / 発行人:渡部天真 **************************************************************** ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 2009年11月4日 第744号「 新たなバブル 」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【世界の名言】 我々の最大の敵は自分に起こっていることを 決して信じようとしない現実にある (カルロス・カスタネダ) Our great enemy is the fact that we never believe what is happening to us. ( Carlos Castaneda, American author, 1926-1998 ) ●ケインズは、金融資本市場の将来は予測できず、熱狂が絶望へと一変 することもある、と指摘しました。 ●金融危機が不可避であるならば、その悪影響を最小限に食い止める政 策を考える必要があります。法政大学教授の渡部亮さんは、いよいよ政 治の時代が到来した、といいます。 ポリティカル・エコノミーの時代――渡部亮・法政大学教授 【「十字路」09.10.22日経新聞(夕刊)】 経済学の名門校ロンドンスクール・オブ・エコノミックスを訪問したエ リザベス英女王が「なぜ金融危機を予測できなかったのか」と尋ねたと いう。この話は経済が予測可能であり、経済学者の仕事も予測であるこ とを暗示している。政治の世界は「一寸先が闇」だから「政治学者がい るのに、なぜ民主党の大勝を予測できなかったのか」という質問は出て 来ないであろう。それでは経済学と政治学は違うのであろうか。 実は、往年の経済学はポリティカル・エコノミーと呼ばれ政治学と未分 化であった。ケインズの経済学も、その真骨頂は金融をめぐる政治経済 学であった。ケインズによれば、金融資本市場の将来は予測できず、熱 狂が絶望へと一変することもある。金融危機はいわば不可避だから、そ の悪影響を最小限に食い止める政策を考える必要がある。 なぜなら、危機を放置すると社会不安が高じて全体主義的な政治勢力が 台頭し、自由とか人権といった基本的価値が失われてしまうからである。 インフルエンザに感染したら自然治癒を待つのではなく、病院で治療す る必要があるのと似ている。 もともと人間には、クジャクのオスのように個性を発揮して違いを見せ たいという習性と、オウムのように人まねをして仲間に入りたいという 習性の双方がある。従来の経済学は人間をクジャクのようにみなし、経 済全体の動きも予測可能だと考えてきた。 しかし最近、ネットワーク経済への移行に伴って、強力なウイルスや悪 いカルチャーが一気に伝染するようになった。生態変化によってオウム 化した人間が、群れて非合理かつ同調的な行動を起こす可能性が高まっ た。 また金融危機だけでなく、地球温暖化、核拡散、多発テロなど想定外の 大惨事が頻発するようになっている。大惨事を防止するとともに、その 悪影響は食い止める必要がある。そうした意味で政治の時代が到来した といえる。 ●それでは米国は、金融危機の悪影響を最小限に食い止めるための努力 をしているのでしょうか。 ●中前国際経済研究所・代表の中前忠さんによれば、米国は金融危機の 悪影響を食い止めるどころか、新たなバブルを生み出している、といい ます。きょうは、新たな金融危機の可能性を訴えるレポートを読んでみ ることにしましょう。 超金融緩和政策の罪――中前国際経済研究所・代表 中前忠 【「十字路」09.10.27日経新聞(夕刊)】 超金融緩和政策はゼロ成長への途(みち)である。ゼロ金利を維持するた めの量的緩和政策は過剰設備の廃棄を遅らせ、供給過剰を放置すること によって、経済の非効率化とデフレ化を招くからである。 バブルの崩壊は、バブル期の異常な需要の水準を通常の水準に引き戻す。 需要が急減すれば、過剰な供給力が顕在化してくる。論理的に考えれば、 過剰設備と過剰雇用の削減が必要だが、失業の増大を恐れる政治の選択 は、需要の増大を目指す財政による刺激である。これは刺激策をやめた 途端に需要が急減し、長く続ければ財政赤字が拡大する、という欠陥を 抱えている。結局は、効果も検証されないまま超金融緩和策に向かうが、 貸し出しは増えない。 米国の量的緩和政策が生み出しているのは、ドル・キャリー・トレード という新たなバブルである。超低金利の資金を使った内外の債券、株式、 国際商品への投機が進み、実態経済が不振のなかで、株式や国際商品の 価格が高騰している。とりわけ問題なのがドル安である。投機資金がア ジアの株式や債券に向かえば、ドルはアジア通貨に対して弱くなってい く。 アジア各国が輸出競争力を維持しようと為替市場に介入すれば、外貨準 備が増え、国内通貨が増発され、資産インフレが一段と加速する。中国 の場合でいうと、4月から9月までの半年で、外貨準備が3190億ド ル増えたが、この間の貿易黒字740億ドルに対して資本流入が245 0億ドルにも上がっている。 最大のリスクは、こういったなかで経済の低迷が続き、米国では貿易赤 字が、アジアでは貿易黒字が解消していくことである。バブルが再び弾 けると共に、ドルが反転したときに何が起こるか。アジア通貨は急落し、 資金は流出し、金融が一気にタイト化するであろう。米国経済だけでな くアジアの成長力にも打撃を与えていくのである。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ★ 購読・解除はこちらです http://www.mag2.com/m/0000208880.html ★ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ★ 発行人:渡部天真(名前の由来 → http://tinyurl.com/37rfmp) ★ メルマガ発想を支えるブログ: http://blog.goo.ne.jp/chorinkai/ ★ バックナンバーはこちら http://tinyurl.com/m4peab ★ ご意見・ご感想は、直接このメルマガに返信願います。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。


