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対日感情の極めて良好なインドネシア。そこにある大自然、土地、食べ物から人々の暮らしまで、諸々を綴った雑感記です。楽しいインドネシア事情を知りたい方に。

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2008/05/02

インドネシア雑感記第2弾 Vol.12

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  インドネシア雑感記 第2弾 : 希多 いくと
     Vol.12  2008.5.2(毎週金曜夜配信)
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インドネシアの自然、土地、食べ物、生活、社会などを、エッセイ風の雑感記
として、メルマガにて紹介します。当国の理解に役立てれば幸いです。
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皆さん、こんばんは。
今日は《2.日本にて(東京にて)、から2.7.》をお送りします。


■2.7.印鑑で個人を特定する時代は終わった 2003.07.11

 はんこ、いわゆる印鑑の時代が終わろうとしています。
 何故「はんこ」なのか。この個人を特定する不思議な制度は日本だけのよう
です。そして今は、あらゆる苗字の三文判が100円ショップで手に入る時代
です。
 以前からも懸念されていたことですが、貯金通帳と印鑑が盗難に会い、預金
全額が引き落とされるケースが相次いでいます。銀行側でも印鑑を照合したと
の理由で、身分証もないまま預金全額を犯人に渡してもしらんぷり。

 こんな馬鹿げた話はないですよね。何百万もの預金を、しかも全額おろすの
に印鑑だけが頼りとは…。
 さらに、詳しく見ると印影の違いがわかる場合でも、似たような印鑑で銀行
は返還に応じています。
 こうなると銀行業務とは何なのか。本当に信用に足るものなのか。そして、
そこで働く人たちの給料や退職金などは、一般の業種に比べてはるかに高額の
ようです。

 その昔、アラン・ドロンが「太陽は一人ぼっち」という映画で、他人のサイ
ンをひたすら真似る場面がありました。それほど他人と同じ字を書くのは容易
ではないのです。
 ぼくは前々から印鑑の効用についてはかなり懐疑的で、「サイン」の必要性
を感じています。
 印鑑に代わるものとして、指紋・音声等で人物を特定する研究が盛んに行な
われていますが、とりあえずはサインでしょう。

 このサインを無視して、携帯電話に音声特定のような機能を付加する実験も
行なわれているようですが、全くのナンセンスと思います。携帯を盗みテープ
等の本人の音声で一致させることもできるわけです。
 道具は本人が持っているとは限らない。それに比べ、サインは本人しか書け
ない。これほど単純な道理はありません。
 もちろんインドネシアもサインの社会です。公式な書類を始め、銀行口座の
引き出しにもすべて本人のサインが必要となります。はんこ等というまどろっ
こしいものはないのです。

 サインだけで心配ならば、何らかの身分証明書、それも写真入りの運転免許
証またはパスポートなどの併用が考えられますね。
 いっそ、国民ひとりひとりに写真入りIDカードはどうでしょう。そうなれ
ば、少なくとも印鑑一つで他人が預金全額を引き出すという被害は、なんと馬
鹿らしいものか判ると思います。

 それにしても銀行も大変な商売です。口座開設や融資を受ける時は必要以上
に詮索するのに、いざ預金をおろすとなると印鑑一つあればいい。
 自分の分身のように尊い預金を、全額引き落とされた人たちの心は計り知れ
ません。
 銀行はこれらの罪に対し、被害に遭った人たちに全額を保証する義務がある
し、国も印鑑一つで人物を特定する方法を法律化している点で同罪ですね。
 その点で、銀行と国が保証を折半で行なうのが最も良い方法かもしれません。

 全くの私事ですが、東京三菱銀行(多摩支店)には唖然としました。スラバ
ヤの同じTokyo-Mitsubisi Bankへの送金に念書が必要、と言うのです。
 現地がちょっと不穏な時期でしたが「送金が紛失しても一切文句は言いませ
ん」などと書けるはずがないでしょう。記入した用紙は行員の目の前で破り捨
てました。
 すぐに隣のみずほ銀行から送金、こちらでは念書云々の話はまったくありま
せん。この場合の念書は自筆、サインと似たようなもので印鑑は不要です。

 ちょっと脱線しましたが、何はともあれ「はんこ」の人物特定法から、今後
はぜひとも「サイン」という方向に進んで欲しいですね。
 日本人にはあまり慣れていないこの方法、当初は受け入れられないかもしれ
ません。しかし、筆跡鑑定があるように各人の「サイン」は全く違います。
 本人だけしか書くことのできない「サイン」を、必要な場所で面前で書く。
これほど人物特定に有効な方法は、他にないと思うのですが…。

 これからますます高齢化の社会です。現に銀行などに足を運べない老人も多
くなるでしょう。その時は補助的手段として「はんこ」を使う。
 その場合には本人のサイン入りの委任状、なおかつ登録している電話での確
認も必要になるかもしれません。預金全額や高額引き落としには、そのくらい
の注意を払っても払いすぎということはないでしょう。
 国民の預金の安全を守るためにも、今が本人特定のための「はんこ」制度を
見直し、そして「サイン」制度を導入する好機だと思います。


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【後記】

 その後、銀行のカードの内容が全て盗まれるという犯罪が現実に発生しまし
た。なんと途中の回線に盗聴器ならぬ盗データ器とでも言うのか、そのような
ものを接続して、あっという間にコンピュータで暗証番号を含むあらゆるデー
タを盗んでしまう事件です。
 そのデータをカードに焼き付け、どこの端末からでも預金を簡単に引き落と
せるらしい。預金を引き落とすカードという方式も、全面的に変えなければな
らない時期に来ていると思われます。

 最近ではオレオレ詐欺の問題で、銀行も大口のお金の送金制限を始めました。
遅きに失した感がありますが、それでも窓口での引き下ろしははんこよりも断
然サインにすべきです。
 しかも、行員の目の前でサインをする。そうすれば送金制限も必要ないと思
うのですが。

 では、また来週をお楽しみに。

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