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対日感情の極めて良好なインドネシア。そこにある大自然、土地、食べ物から人々の暮らしまで、諸々を綴った雑感記です。楽しいインドネシア事情を知りたい方に。

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2008/01/11

インドネシア雑感記 Vol.70

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  インドネシア雑感記 : 希多 いくと
     Vol.70  2007.1.11(毎週金曜夜配信)
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インドネシアの自然、土地、食べ物、生活、社会などを、エッセイ風の雑感記
として、メルマガにて紹介します。当国の理解に役立てれば幸いです。
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皆さん、こんばんは。
今日は《生活編 Life13》、インドネシア人の人情とイスラムのお話です。


■ 70 人情とイスラムについて

 インドネシア人の人情は日本と共通するものがあります。
 それは何かというと、とても涙もろいことですね。
 テレビや映画で悲しい場面があったりすると、妻はすぐにホロリ。目には涙
を浮かべています。
 最初にぼくが日本に帰る時の空港でもそうでした。悲しく淋しい別れにも当
然涙を流します。 

 そういう悲しいことには日本人同様涙もろいのですが、嬉しい時に泣くのは
日本人だけのようです。
 例えば何かで優勝したりすると、日本人は涙を流しますね。そんなシーンを
見ると妻は、「嬉しいのになんで泣いているの」ととても不思議そうです。
 インドネシアでは「喜びは笑顔で示す」のがごく普通。当たり前といえば当
たり前ですね。

 さて、インドネシア人は非常にプライドの高い民族です。
 それはどんなところに現れるかというと、特に「人前」で怒られるのを極端
に嫌います。
 日系の企業等で現地雇いの人を怒りつけたりすると、プイッと辞めてしまう
例もあるようです。
 日本と違い、「人前で怒るのは逆効果」だということを覚えておいた方がい
いでしょう。
 
 もちろん妻もその例に漏れません。
 ぼくなんかもつい人前で彼女を怒鳴ったりしてしまうことがあります。その
途端に御機嫌ななめと相成り、この解消にはかなり長い時間を要します。
 人前で怒鳴らないように釘を刺されてはいるのですが・・・。
 その場ですぐ済まさないと気がすまないのがぼくの性分で、どうしても衝突
してしまいます。

 話は変わりますが、インドネシアの人は熱い物を持つのはなんでもないよう
です。しかし、概してみんな猫舌ですね。
 熱いコップを持つことができても、中の熱い飲み物を口の中に入れることが
できません。ですから、コーヒーを入れるガラスコップには皿がついており、
その皿に少しずつ注いで、冷ましながら飲むのが普通です。
 日本人は一般にその逆で、ぼくは熱いのは持てないけれど、飲むことができ
ます。
 ぼくがコップを「アチチ」と持ちながら中身の熱いコーヒーを飲むのを、妻
はいかにも不思議そうに見ています。

 この日本的飲み方、これは海外ではとても失礼に当たるようです。
「ズズズッ」とお茶やそばなどをすすったりするのは、他の国では無作法とな
るのです。
 この空気を入れながら上手に飲むというのは、日本人の特質なのかも知れま
せん。妻は日本に来てから、この飲み方を覚えました。
 さらに、インドネシアではなま物を食する習慣がなく、当初は刺身も食べれ
ませんでしたが、最近では大好物のひとつです。しかし、くさみのあるものは
苦手、カツオなどは新鮮な新しいものしか受け付けません。

 友達のタイの方は同じくらい(20年近く)日本に暮らしていますが、刺身
はもちろん「納豆も味噌汁も食べたことがない」そうです。
 日本食はすべてだんな様の手作り、子供たちは何でも食べるようですが、本
人はひたすらタイ料理のみ。
 そこから言うと、妻は「郷に入ったら郷に従え」を実践している超外人とい
うことでしょう。

 ここで、イスラムについて少し話しましょう。
 妻はもちろんインドネシア国籍、イスラムになります。その教えには、素晴
らしいものがあります。
 イスラムの正月に当たるハリラヤHari Raya(全国民が帰省する、実は正月で
はなく第10月の初め)には、日本のように「おめでとう」と挨拶する人はい
ません。

 どう挨拶するかというと、
「もし今年の私の行いに悪いことがあったなら、ぜひお許し下さい」
と、みな口々に1人1人に挨拶してまわるのです。
 妻の家族からこう挨拶されると、ぼくも本当に恐れ入ってしまいます(余談
ですが、ぼくはイスラムに改宗していません)。

 このハリラヤの前には、厳しいプアサPuasa(断食)が1ヶ月も続きます。こ
の断食では、太陽が出ている間の一切の食べ物や飲み物が禁じられます。
 ですから、普通早朝の3時半頃と日が落ちて6時半頃再び食事をとるのです。
その時間は、ハリラヤがイスラム暦に基づき年々12日ほど早まるので一定は
していません。

 断食により昼の間に完全に萎んでしまった胃袋は、なかなか食べ物を受けつ
けないようです。
 それで、少量の水と乾燥ナツメKurmaなどで少しずつ馴らしていきます。
 この断食月には体重が3〜4kg落ちる、と仕事の相棒から聞いたことがあ
ります。ダイエットしたい方には、断食はかなりの効果が期待できそうですね。

 ところでラマダンRamadan(断食月)に禁じられているのは、なにも食べ物だ
けではありません。
 プアサとは、ありとあらゆる欲望を控えるのが目的なのです。
 となると、当然ですが女性(男性)に接することも禁じられます。こちらの
断食は、食事のように暗い時だけ解禁とはならないようです。


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【後記】

 先日赴任していたウズベキスタンでのイスラムのお話です。
 お祈りのコーランのけたたましい音が聞こえてこない、と帰国後に書きまし
たが、どうしてそれだけではありません。
 ご法度であるはずの「お酒」。これは全く守られておらず、ほとんどの男性
がウォッカをあおります。

 この飲み方が尋常でありません。いわば中国式とでも言うのでしょうか。
 例えば、パーティなどの席上で雑談の合間に誰かが立ち上がって演説します。
その最後には「・・・の成功に乾杯!」「・・・皆さんの健康に乾杯!」とか、
乾杯の理由付けをします。
 その時、小さなグラスに注がれたウォッカを飲み干さなければなりません。

 お酒の大好きな人にはうれしい乾杯ですが、酒に弱いぼくにはたまりません。
 次回には「モスレムMuslim(イスラム教徒)の妻から禁止されている」と、
やんわり断ろうかと思っています。「イスラムはお酒ご法度でしょう」などと
言ったら、大変ですよね。

 では、また来週をお楽しみに。

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