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2008/09/04

國會新聞編集次長の未掲載記事とニュース解説

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政界の小沢アレルギー、民主党分裂のドタバタ喜劇

 8月も終盤、押し迫った28日、政治にしては珍しく民主党から火の手が上がった。
  渡辺秀央元郵政大臣ほか、計三名が民主党に離党届を提出し新党結成・新会派をつくった。
 元郵政官僚の荒井広幸議員なども参加し、「反民主党」の政党を立ち上げた。

 政界において、「反与党」「反政府」という考えはよく聞く。
 しかし、参議院では与党といえども、全体として野党の民主党に「反」というのはかなり不自然だ。
 この不自然さが、現在の民主党を良く表しているように思えてならない。

 この政界分裂劇には、もう一つわけがわからない「落ち」がついている。
 一緒に参加するはずであった姫井由美子参議院議員が、たった一日で翻意、菅直人氏に説得されて離党届を撤回するというのだ。
 渡辺元郵政大臣も時期を焦ったのか、あまりにも頼り甲斐のない味方をつけたものだと、いい笑いものになっている。
 それどころか、民主党には姫井クラスの議員がいて、それを必死に翻意を促さないといけないということであろうか。

 さて、ここでは、今回のケースがかなりレアなケース、要するに「反野党」という不思議なカテゴリーが出来上がる背景と、
姫井議員のような優柔普段な議員に数を頼らなければならない民主党の事情、
そして、離党届を出した議員に対して「議員辞職」を求める小沢執行部の強権体質について考察し、民主党という政党の政権について考えてみよう。
 なお、ここの文書はあくまでも私の個人的意見であることを留意のうえお読みください。

 さて、まず、第一に「反野党」というカテゴリーについて。
 反野党は与党ではないかという感覚がある。日本人は、自分が意思決定するときはなるべくファジーで玉虫色の結論を出すが、
他人の決断に対しては無責任に白黒をはっきりさせたがる傾向にある。
 今回の「改革クラブ」に関しても、本人たちは「反野党・反小沢であって、与党ではない」という立場を堅持している。
 他人からみれば「反野党は与党」という枠組になる。

 実際、姫井議員は「新党は自民党切りくずしの受け皿とわかったので、参加を見合わせる」と会見している。
 翻意を促す菅直人氏にしてみれば、姫井議員のいったような感じになるであろう。
 そもそも「おまえは、自民党の手先になるのか」ぐらいの攻めと、「残っていれば、何らかのポスト」という飴を出しているにちがいない。
 実際のところ、菅直人議員の出身母体である民社党は、中道政党として存在していたことを棚に挙げて二大政党制の大義などをいっている可能性はある。

 さて、この違いは、簡単にいえば主観の違いでしかない。
 現在「改革クラブ」に所属している議員が郵政民営化に反対している議員ばかり、小泉改革に反対した議員ばかりが存在している。
 元郵政大臣に郵政官僚で自民離党組の結合である。
 反野党でありながら、自民党与党で過去の改革路線を是とする勢力ではないというのがその本音だ。
 逆にいえば、現在の福田内閣の調整路線であれば、小沢の強権政治に比べはるかに自民党の政策に近い。

 そもそも、「民主党に政権を」「自公政治に反対」といえど、なぜ現在の与党に反対するのか、なぜ、民主党に政権をとらせなければならないのか。
 そもそも、民主党が政権をとった場合、どのような日本、どのような政治というようなビジョンを示すのであろうか。

 私は過去に何度もこの場を借りて記載していることが民主党議員の口から「小沢代表は政局優先」といういい方で出てくることに、
まだ日本の政治に関する将来を感じるものである。

 このように、政策を考えれば「非与党・反野党」という存在は出てくる。
 そしてその存在を否定してはならない。それこそ日本国憲法が規定した言論・イデオロギー・思想の自由であると考える。
 そもそも、身内から批判されるのがいやならば、小沢民主党も党としてコンセンサスの取れた政策を発表し、与党と正面から政策論争をすれば良い。
 私個人としては無条件で与党を応援するつもりはない。
 しかし、片方が政策で片方がそれを批判するだけの存在の場合、やはり政策を打ち出す側が政権をとるべきと思う。
 民主党が真の政権政党となるならば、国会の場で政策論争を行い、その中で与党への不安をあおれば良いわけであり、
対案も出せない政党は、いっときのムードで政権を担ったとしても、長続きしないし、官僚に支配された政治しかできないであろう。

 今回、改革クラブ参加議員からこの趣旨と取れる発言があったことは、かなり望ましいのではないだろうか。

 さて、次に姫井議員に関すること。
 はっきりいって、この議員に期待はできないでしょう。
 マスコミで報道されている内容だけでも、SM不倫、詐欺まがい事件、暴露本の出版と、
政治よりも「性事」で有名になっている女性議員であり、不倫スキャンダルが問題になった日本発の女性議員という、あまり名誉でない記録保持者である。
 政策などもあまり聞いたことがなく、「姫の虎退治」というスローガンで自民党参議院会長(当時)の片山虎の助候補を出したのであり、
あまり政策などで大きな話になっていない。

 どちらかといえば民主党のイメージを損ねる存在である姫井議員をここまで留意するのは、単に民主党が「数字合わせ」をしているからにほかならない。
 こういってしまうと、話が終わってしまう。

 もう少し詳しく開設すれば、民主党は参議院での過半数保有ということの強みと、
二院制で双方の議決が異なった場合の規定が存在しないという憲法上の不備を巧みについて、現在の反自民の機運を盛り上げているのである。
 政府の政策にことごとく反対し、対案を出さず政府を避難するそのやり方は、
参議院における多数という数字的な裏付けがあればこそ、行える技であるといえる。
 今回、渡辺議員を初め3人の離党者と不埒の同調者がいることにより、民主党はその地位の根拠である参議院での単独過半数を失うということになる。

 それでも社民党や共産党など野党の過半数は変わらないが、一方で、参議院の議事運営で社民党や共産党の了解を得なければならない。
 意思の一致や政策の一致があれば、そもそも国会内における単一会派になっているであろう。
 会派が異なるということは、反自民・反与党という一点で大同団結をしているにすぎず、それ以上の連結、殊に政策的な連合ができていないことを意味する。

 要するに、政策がない、盲目的に自分のやり方に賛成する人がいるのが、小沢執行部にとって最も都合が良い。
 その意味において姫井議員のような存在が都合が良いのである。

 姫井議員の留意そのものが、民主党の数合わせと政局重視・政策軽視の表れであるといって良い。
 政策で国民を納得させられるのであれば、反与党であっても社民党や共産党と統一会派が可能なはずである。

 最後に、この事件に関する民主党の対応である。
 民主党鳩山幹事長及び、後日会見を行った小沢代表は、離党者に対する議員辞職を迫った。
 そもそも、比例代表選挙選出議員の離党について、明確な規定が存在しないのは、先の憲法の不備と同様に問題である。
 比例代表制度は民主党という政党を支持し、その民主党が指名した候補が議員になるという制度である。
 その支持外して、離党し、別な政党を立ち上げるのはいかがかと思う。

 とはいえ、では議員活動をしている人物に対して議員辞職を迫るというのは、言論の弾圧以外に何者でもないであろう。
 ねじれ国会の運営ではないが、自分の思い通りにならなければ、最も過激な方法で相手を困らせる小沢執行部のやり方に、
民主主義という理念とは異なる権威主義、封建主義的な考え方を感じる。
 それだけ、民主党は不安定で、常にどこかを攻撃していなければならない政党なのであろうか。

 そもそも、小沢民主党は言論を弾圧する政党である。
 小沢氏は講談社と週刊現代に対して名誉既存の訴訟をしているし、岡田克也副代表は自民党の職員に対して、
自分が謝罪会見をした内容を書籍に書かれたことで名誉既存の訴訟を起こしている。
 いずれも第一審は敗訴している。(岡田議員に関しては現時点で高裁控訴中)

 自分でも認めて、謝罪会見をしている内容で、訴訟を起こすなど、あまり感心できる内容ではない。
 結局、それだけ「公人」としての自覚もないし、そのようなところに勢力を割くことができるくらい暇な野党ということであろう。

 公人としての自覚がなく、言論やマスコミを弾圧するということは、悪くいえば戦前逆戻りでしかない。
 それで良いのだろうか。

 いずれにせよ、今回の件は、民主党内部から「反野党」という新しいカテゴリーが出たことと、
民主党が政局重視の数合わせであるということが明らかになったという点で、非常に興味深い。
 この一件が次の選挙でどのように波紋を投げるか、興味深いと思う。
 今民主党に所属する議員も、本当に今のままで政権担当して良いのか、考えなければならないであろう。

 この文章を記載している間に、9月1日福田首相の辞任が発表された。その件に関しては、もう少し情報を得てから、書いてみたい。




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発行 宇田川敬介(國會新聞社 編集次長)

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