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「日本から飛行機を使わずにケープタウンまで行ってみよう」それが当初の旅の目的だった・・・3年4ヶ月世界一周半。累積訪問国110ヶ国以上。アジア、中東、アフリカ、中南米、中央アジア、ロシア。「辺境」を好んで旅した著者による記録。是非ご登録下さい。【相互紹介歓迎】

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2009/05/03

SHIZA旅(ブルガリア1)

SHIZA旅(ブルガリア1)
2009.05.02 18:17作成:日本
2009.05.02 21:27貼付:日本
2009.05.03 02:00配信予定(日本時間):時差0時間
まぐまぐ:313部 melma!:437部
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【このメールマガジンについて】
これは、2003年4月から2006年8月まで旅をした経験などを元に
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(まぐまぐ)
http://archive.mag2.com/0000206271/index.html

内容は同じです。
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【目次】
1.夜の風
2.ビキ
3.情報ノート
4.刹那の旅
5.編集後記
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【1.夜の風】

(2003年10月4日未明:ブルガリア入国)

私が一番好きなものは、やはり夜の風だと思う。


トルコ共和国とブルガリアの国境で私はそんなことを考えていた。

METRO社(メトロ)のバスを降りると夜の風が密やかに迫ってくる。
その肌寒い風は、やさしい匂いがする。
夜行バスで疲れた体を癒してくれるような匂いが。

もう時間は0時を回っているだろう。

辺りは暗闇に閉ざされていた。
昼間なら、遠くまで広がる草原が見渡せるはずだ。
しかし、今は、風に混じる匂いで草原を感じられるだけだ。

入国手続きは、一旦バスを降りてから一人ずつ行なうことになる。
多くの質問をされたが、特に問題なく入国手続きは終了した。

免税店の灯がそこだけ、やけに眩しく輝いている。
場違いな程に。

再びバスのシートに身を委ねると、
バスは大儀そうに身を震わせながら走り出した。

目指すはブルガリアの首都ソフィアだ。
街灯も少なくなった道を私は眺めている。

いよいよ本格的にヨーロッパに入るのだ。
イスラームの匂いの濃いヨーロッパでなく、
キリスト教(と言ってもギリシャ正教系)文化圏に。

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【2.ビキ】

体の芯がずきずきするように感じられる。
バスのエンジンの振動が体の奥で唸っているようだ。

夜行バスの朝は体が重い。
緩慢な動作でバスを降りると、私はソフィアの中心部を目指す。

ライオン像がある橋を渡り、ソフィアの街へと入る。
左手にKFC(ケンタッキーフライドチキン)があり、
その角を左に曲がり、小さな郵便局を通り過ぎて右に折れた。

「ビキ」

キリル文字でこう書かれている。

キリル文字・・・こういう文字を見ると
外国に来たんだなという気分になるから不思議だ。

「ビキ」と書かれた看板の家に入り込んでいく。
ここが、イスタンブール「コンヤペンション」の
情報ノートに書いてあった安宿だろう。

一泊、10レバ(当時のレートで5ユーロ=650円)だという。

ギシギシと音を立てながら
レンガ色に塗られた木製の階段を登っていく。

呼び鈴を鳴らししばらくするとすっと扉が開いた。
婦人が立っている。

この女性がビキという名なのだろう。
もう60歳は越えていそうな気がする。

「こっちへ来な」

そいうしぐさをしながら私を呼び寄せる。

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【3.情報ノート】

扉を入ったところが広い空間になっており、
その両脇にいくつも部屋が並んでいるようだ。
その部屋がドミトリー(大部屋)になっているのだろう。

扉は今は全て閉まっている。
私は広間の長椅子に腰を下ろした。

「これ!」

ビキが指す方向に書棚があり、そこには日本語の本が並んでいる。
そして情報ノートも置かれていた。

まだ時間は、朝7時台だ。
宿泊者はみな休んでいるのだろう。

私は洗面台を借り洗顔を済ませると、
銀行が開く9時まで情報ノートを読んでいた。

まだブルガリアのカネを持っていないのだ。
とにかく、両替をしないことには活動ができない。

この情報ノートには旅行者が多くの情報を記している。
レートの良い両替所、安くて美味い食堂。
バスや列車の料金。スーパーの位置まで書いてある。

そして、ソフィアで有益なのは両替所の情報だ。
この街には多数の両替所があるが、レートが悪いものも多い。

それだけではない。

「No Commission」(手数料なし)

と明記しておきながら、
高い手数料を取るような詐欺同然の両替所もあるという。

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【4.刹那の旅】

マリア・ルイザ通りと呼ばれる大通りを歩く。

朝の風は冷たかったが、
この時間は爽やかな秋の風が吹いている。

2003年の4月に日本を発ち、今は10月。
6ヶ月でアジアを横断してきたことになる。
季節は巡っていく。もう秋なのだ。

バーニャ・バーフ・モスクの脇を過ぎ、
「ツム」と呼ばれる国営商店の前を通り、
「聖ペトカ地下教会」に向かう。

何もかもが懐かしい。
ここには、1998年の夏にも来たことがあるのだ。

当時は、ブルガリア入国にビザも必要で、
ビザを取るのに難儀をした覚えがあった。

それにしても、風景は変わっている。
当時よりも明るく、近代化されているように感じられる。

日本がこの5年間で変わったように、ブルガリアも変わっていくのだ。
そして、恐らくその後も変わっていくのだろう。

私が知らないうちに。

もしかしたらその変わっていく姿を
もう見ることができないかもしれない。

そんな思いが込み上げて、この街がとても愛おしく感じられた。
いま、この風景を見ている刹那がとても大切なもののような気がして。

この瞬間に私がこの街にいて、この風景を眺めている。
それはもう二度と取り戻せない一瞬なのだ。

そして、そういう一瞬一瞬を積み重ねて、
私は旅を続けているのだ。

(次回に続く)

クリックすると写真が表示されるはずです。
(飛べない場合はコピペして下さい)

聖ペトカ地下教会
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/bulgaria01.jpg

国立歴史博物館
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/bulgaria02.jpg

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【5.編集後記】

「大型連休」期間。旅に出たかった。
しかし今年はどこにも行かないことにした。

例年以上に混雑しておりチケットも取りにくい。


だがこうして日本に滞在していて感じるのは、
やはり日本以外のどこかを訪問しておけばよかったという後悔。

そして、私は何よりも旅が好きなのだという込み上げてくる感情だ。

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