2009/03/08
SHIZA旅(黒海の南3)
SHIZA旅(黒海の南3) 2009.03.08 00:46作成:日本 2009.03.08 01:37貼付:日本 2009.03.08 02:00配信予定(日本時間):時差0時間 まぐまぐ:320部 melma!:433部 -------------------------------------------------------------- 【このメールマガジンについて】 これは、2003年4月から2006年8月まで旅をした経験などを元に 旅の思い出などを中心に語るメールマガジンです。 現在は、日本で再就職をしていますので、 お間違いないようにお願い致します。 -------------------------------------------------------------- 【重要なお知らせ】 melma!でのご登録の方から 「メルマガが届かない」とのご指摘を多く受けています。 万一メルマガが届かない場合は、 こちらで登録をして頂きます様お願いいたします。 「まぐまぐ」の方が安定しているようです。 (まぐまぐ) http://archive.mag2.com/0000206271/index.html 内容は同じです。 -------------------------------------------------------------- 【目次】 1.ロビー 2.新年号 3.歴史 4.黒海 5.編集後記 -------------------------------------------------------------- 【1.ロビー】 (前回の続き。トルコのトラブゾンにて) 中級ホテルのロビーは寒々としている。 私が腰をかけているソファから見回しても、辺りに客はいない。 帳場の向こうに従業員が立ち何かの作業をしているだけだ。 それにしても、この宿の設備は決して豪華ではない。 日本でファミリーレストランを経営していたということは、 財産も相当なものだろう。 トラブゾンには、当然高級ホテルはいくつもある。 それなのに、安宿街にある中級ホテルにわざわざ泊まるとは。 もちろん、このホテルは、 この界隈ではマシな施設を持っているはずだ。 しかし、良い部屋でも100ドル程度ではないか? それに、魚を食べた先ほどの店。 私のような旅行者が行くような庶民的な食堂だ。 値段が高いだけで、 たいして美味くない料理を出す食堂を選ぶよりは良いが、 もう少し他に選択肢もあっただろうに。 しかしもちろん、そういう面で私は紳士に好感を持っていた。 私のような人間に対し、丁寧に話をしてくれるのは、 そういう、気取らないメンタリティーのためなのかもしれなかった。 -------------------------------------------------------------- 【2.新年号】 「待たせましたね」 戻ってきた時に手にしたものが、何かのパンフレットだった。 「これは私の会社で出していた社内報だ」 そこには、**年 新年号と書かれ、紳士の顔写真が印刷されていた。 「社長からのメッセージ」そう題された文章が載っている。 日本のある地方に展開しているファミリーレストラン。 その地方に馴染みの無い私にとっては、 会社の名前は初めて聴くものだったが、やはり大きい企業のようだ。 「ところで、この旅はどこから始めたんです?」 紳士は私に水を向ける。 「韓国に船で渡って、そこからまた船で中国へ。 中国から陸路でここまでやってきました」 「韓国か・・・韓国にはよく行った」 「お仕事ですか?」 「そう。仕事で。50回は行ったかな」 「50回も?」 「韓国に、これだけ何度も足を運んだのは、 レストラン経営を教えるためだった。 日本は、敗戦後にアメリカに技術を学んだ。 さらに明治の頃は、欧米各国から多くのことを学んでいる。 これはやはり認めなくちゃならないと思う。 今度は、日本が、韓国や中国に技術を提供する番なんだと思うよ。 でも、歴史問題で韓国や中国に譲歩する必要は無い。 お互いに学んで主張することは主張するべきなんだ。 それが本当の相互理解を生むことになると思っている」 「謝罪するのは簡単なんだ。相手のことを知らなくてもできる。 しかし相手の歴史文化を知り、理解しようとするのはとても難しい。 多くの労力が居る。だが、そういう労力を惜しんでいたら、 相互理解は難しいんじゃないかな」 -------------------------------------------------------------- 【3.歴史】 紳士の話は続く。 「韓国人と歴史の論争になると、私は具体例を用いて反論したよ。 【それは違います。こういう文献に、こう書いてあります】 と具体的に反論したんだ。 そうすると彼らは、関心するわけ。 【***さんは、韓国のことを本当に良く知っていますね。 そんな文献のことは、私も知りませんでした】と。 何も知らずに言い合いをするだけではダメなんだ。 感情は大切だけれど、感情だけでは解決しない。 理解には、相手を知ろうとする姿勢。 そして、労力を厭わず調べ続けること。 そういうことが必要なのかもしれない」 話は尽きなかった。 夜は更け、いつしか時計は23時を回っていた。 ホテルのロビーも肌寒く感じられてくる。 「もう、遅いので、そろそろお暇します」 私はソファから立ち上がる。 -------------------------------------------------------------- 【4.黒海】 屋根裏部屋に戻り、私はバルコニーに立った。 黒海が見える。 今は海面は闇に消えており、港のささやかな灯が映ると、 そこだけが銀のように仄かに輝いている。 「私は、土曜日も日曜日も休まずに働いてきた。 自分の信じた道をとにかく突き進んで来たんだ。 あなたもそうすればいい。 自分の信じた道をどこまでも行ってみればいい」 紳士はそう私に語ったのだった。 天井の低い部屋に戻り、電気を消した。 外からの灯りがうっすらと部屋に陰を作り出している。 冷たいベッドにもぐりこんだ。 清潔なシーツは心地よかった。 この部屋は、いつだって海の匂いで溢れている。 クリックすると写真が表示されるはずです。 (飛べない場合はコピペして下さい) 私たちが魚を食べた界隈 http://www.geocities.jp/shizatabi/top/turkey12.jpg -------------------------------------------------------------- 【5.編集後記】 普段は殆どテレビを観ないが、今夜(3月7日)WBCの試合を観た。 前回大会は、2006年だったということで、私は旅の途中だった。 WBCというものの存在自体も知らず、ウズベキスタンのテレビで、 (NHKの7時のニュース) 「今、WBCに出場した日本人選手がアメリカから帰国したところです」 という報道に接し、一体それは何なのか? 全くワケが分らなかった思い出がある。 その4年後。 こうやって、日本に居てテレビを観られるというのは不思議なことだ。 -------------------------------------------------------------- もしよかったら推薦してください。「読者さんの本棚」(まぐまぐ) (melma!と「まぐまぐ」ではIDが異なりますのでご注意ください) http://www.mag2.com/wmag/osusume/toukou.html 【「SHIZA旅」3年4ヶ月 世界一周ひとり旅】ID:0000206271 -------------------------------------------------------------- ・SHIZA旅のページ(発行者サイト) http://www.geocities.jp/shizatabi/ ・メルマガ登録・解除は過去ログ内からいつでも無料でできます。 (まぐまぐの方はこちらから) http://archive.mag2.com/0000206271/index.html



