2009/03/01
SHIZA旅(黒海の南2)
SHIZA旅(黒海の南2) 2009.02.28 22:34作成:日本 2009.03.01 00:07貼付:日本 2009.03.01 02:00配信予定(日本時間):時差0時間 まぐまぐ:322部 melma!:430部 -------------------------------------------------------------- 【このメールマガジンについて】 これは、2003年4月から2006年8月まで旅をした経験などを元に 旅の思い出などを中心に語るメールマガジンです。 現在は、日本で再就職をしていますので、 お間違いないようにお願い致します。 -------------------------------------------------------------- 【重要なお知らせ】 melma!でのご登録の方から 「メルマガが届かない」とのご指摘を多く受けています。 万一メルマガが届かない場合は、 こちらで登録をして頂きます様お願いいたします。 「まぐまぐ」の方が安定しているようです。 (まぐまぐ) http://archive.mag2.com/0000206271/index.html 内容は同じです。 -------------------------------------------------------------- 【目次】 1.会社 2.紳士 3.銀行 4.坂道 5.編集後記 -------------------------------------------------------------- 【1.会社】 (前回からの続き) 「に、日本人ですか??」 私は驚いて日本語でそう叫んだ。 「そう、日本人ですよ」と男性は言う。 私は改めて目の前に座っている人を見つめた。 年齢は70歳近いだろうか。落ち着いた雰囲気だ。 そして、何かエネルギーのようなものを感じさせられる。 「お仕事なんですか?」 「いや、もう引退したんだよ」 紳士は、仕事の引退を契機にトルコを一人で旅していると言う。 「日本では働き尽くめだったから、こういうのもたまにはいい」 「日本人は、確かによく働きますよね」 「私は会社を作ったんだ」 「会社を?」 紳士は日本で会社を経営していたというのだ。 -------------------------------------------------------------- 【2.紳士】 「私はねファミリーレストランを創業したんだ。 地方都市で事業展開して、店は50店舗ぐらいに増やした。 それでももう今は引退。 大手のレストランチェーンに売却したんだよ」 「それで今は、こうやって旅をなさっていると?」 「そうだよ。 引退したら海外を旅してみようと思ったんだ。 現役時代は、私は一日も休まず働いたよ。一日もね。 だからこうやって自分の人生を少しは楽しみたくてね。 でもね、体力が落ちているから、 いやー、ゆっくりと温泉にでも浸かりたい気分だよ」 意外な人に出会った驚きで言葉が上手く出てこない。 もしも、これが日本であったら、 このような人と話す機会などないだろう。 恐らく、紳士はしばらくの間、 日本語を話していなかったに違いない。 だからこそ、私のような人間を相手に上機嫌で話をしているのだ。 私も、紳士に対して強い興味を持った。強い興味を。 「借金がたくさんあった」 「そ、そうなんですか・・・」 「最初は銀行もなかなかカネを貸してくれなくてねえ。 かなり苦労したんだよ。銀行がカネを貸さない理由が何か分る?」 「さあ、見当もつきません」 -------------------------------------------------------------- 【3.銀行】 「私が結婚していないから」 「はあ・・・」 「結婚してないやつにカネを貸すことはできない。 そう言うんだよ。銀行の担当者がね。 今では違うかもしれないが。 少なくとも当時はそうだった」 「・・・」 「分りますか? つまり、銀行は経営者を判断する能力が無いんだ。 だから、結婚しているかどうかで融資の可否を決めようとする。 他に判断する基準が無いんだろうね。 そういう担当者を説得するために、書いた書いた。 経営計画書を何回も何回も。何回も! 何度も書き直しを命じられた」 「そうだったんですか」 「やるしかないんだよ。やるしか。 相手を納得するために事業の計画を説明するしか。 結局、相手は納得してくれた。 私にカネを貸してくれることになったんだ。 そして、この年まで結婚しないで、ひたすら働き続けた。 土曜も日曜も休まず働いた。 借金一億円、きっちり返済したんだよ」 「い、一億円?」 「そう。一億円。事業を始めるのに借金したのが一億円」 -------------------------------------------------------------- 【4.坂道】 紳士の話は続いている。 アングロサクソンや日本の寿司屋、アジアの政治的な話。 東チモールやタイのチェンマイ。 イスタンブール、ベトナム、アメリカ、シンガポール。 今まで旅をしてきた話も織り交ぜ、豊富な話題は尽きることが無い。 私は、相手の口から出る多くの話に圧倒されていた。 人間の格が違いすぎる。そのときはそう思った。 私にはとても真似のできないようなことを 長い時間かけてやってきたのだ。 「やっぱり」 私は、会話の合間に、ぼそりと言う。 「ん、何ですか?」 紳士はそう言って私を見る。 「企業を創業し、それを発展させていく人は、 何か自分にないようなものを持っているような気がするのです」 私たちは食事を終えた。 「どこにお泊りなんです?」 私の宿の近くにある、中型ホテルだった。 港から、ロシア語の看板のある通りを抜け、急な坂道を上がっていく。 その坂道の途中だった。 紳士と私は、ゆっくりゆっくりと、急な坂道を歩いていく。 「ちょっと寄って行かないか?見せたいものがあるんだ」 紳士に誘われて私は、中型ホテルのロビーに足を踏み入れた。 私が泊まっている安宿と比べると、もちろん格は違ったが、 高級ホテルという程のものではない。 「少し待っていて下さい」 紳士はそう言うと、部屋に上がっていく。 私はホテルのロビーにあったソファに腰を下ろした。 クリックすると写真が表示されるはずです。 (飛べない場合はコピペして下さい) 紳士と一緒に食べた鯖料理(2百万リラ:約200円) http://www.geocities.jp/shizatabi/top/turkey13.jpg -------------------------------------------------------------- 【5.編集後記】 円安に振れている。 一カ月前は、90円前後だったのが、2月27日(金)には98円台をつけた。 正直に言って、あまりの変化に付いて行くことが出来ない。 この先もどう推移していくか予断をゆるさない。 -------------------------------------------------------------- もしよかったら推薦してください。「読者さんの本棚」(まぐまぐ) (melma!と「まぐまぐ」ではIDが異なりますのでご注意ください) http://www.mag2.com/wmag/osusume/toukou.html 【「SHIZA旅」3年4ヶ月 世界一周ひとり旅】ID:0000206271 -------------------------------------------------------------- ・SHIZA旅のページ(発行者サイト) http://www.geocities.jp/shizatabi/ ・メルマガ登録・解除は過去ログ内からいつでも無料でできます。 (まぐまぐの方はこちらから) http://archive.mag2.com/0000206271/index.html


