2007/10/09
【木材の情報源】 日本経済の再生と木材業界の活性化
今回のトピック 【1】 日本経済の再生と木材業界の活性化 〜国産材を生かしていくにはどうすればいいのか〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●菅野kaz−木材の情報源 (2007年10月9日) 木材業界に入って35年。主に木の知識と情報を発信するサイトです。 日本・カナダ・その他各国の木のアドバイスをします。 木造住宅の良い点、悪い点など住いに関する情報も満載。 ---------------------------------------------------------------- □ 発行者 : 菅野一夫 □ サイト: http://trees.rulez.jp/component/option,com_frontpage/Itemid,1/tckg,kanno/ □ プライバシーポリシー: http://trees.rulez.jp/content/view/26/30/ □ メルマガ解除 :http://www.mag2.com/m/0000205529.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。木材の情報源 http://trees.rulez.jp/ @菅野一夫です。 戸建て住宅、マンション、アパートなどの「住い」というハードを建築・販売 している不動産業、設計業、建設業などに関連して働いている人たちに、よく よく考えて頂きたいことの一つに、社員皆がそれらのハードを提供しながら、 社会的な貢献をして、自分達の進歩になっていると感じながら働いているか どうかということがある。 いささかなりとも、そんなちょっとが自分たちの「住い」に大きくなる気が する。 世帯数を上回る住宅戸数の充足が長年の間、続いてきて、人口がピークに 達して、人口減とともに新築住宅着工戸数の減少も始まっている中で、将来に 向けてどういう政策や経営の展開を進めて行くかは、公民を問わず、現在 を生きると同時に、喫緊に解決しなければならないの重要な問題の一つ であると思う。 住宅業界が、良い「住い」を求めている(た)人々に向かって、きちんとした (証明された)性能、構造的に充足させる「住い」を供給して来なかった( 出来なかった)ことを、各分野、特に居住性能を高めることへの研究・投資 をして貰いたい。 これは、人口増、右肩上がりの成長経済、土地神話、スクラップ&ビルト式 住宅などなどの状況下で、量の充足を満たすことを優先するほうが各方面の 利益になっていた理由も大きかったためだと思うが、それらの流れが、1988年 頃から変わってきた。 しかし、「住宅政策、林政」に関しては、その変化にあわせての変化は見られ て来なかった。良かったときの元(バブル期)に戻るという期待感が、官民 合わせて支配していたので止むを得なかったのも知れない。 木材も好調な住宅建設需要に支えられて、海外からの輸入を増やしてきたが、 1988年頃を境に、総輸入量そのものが減り始める転換点となった。 同時に、ENGINEERING WOOD が無垢の木材に換わって花盛りとなり、海上輸送 だけで一ヶ月前後必要なヨーロッパからも木材の輸入が始まり、輸入業者から KD 材や集成材が紹介されて、円高もあって彼の地からの輸入量が増え始めた。 合板の使用量の伸び率も際立つようにってきて、無垢木材製材品の使用量が 大きく減りこむ結果になってきた。 日本のバブル経済が弾けて以来、木材業界、特に国産材で食ってきた山林家、 山林不在地主、製材業、流通業、それらの職に携わってきた労働者のほとんど もオーナーや経営者同様にひどい影響を受けた。 その当時、北米の SUPPLIER が、日本の木材輸入に関して、日本の山のスギ ・ヒノキの蓄積量が多いことから、日本の山の経営に関して、大きな興味を 持っていて、そのことをよく話題にしていた。 「日本は、人工の立木蓄積量が多いのに、何故、多くの量を諸外国から輸入 するのか?」という質問が多かった。海外から木材が買えなくなったら、 日本国内の木材にスウィッチするのではないだろうかという疑問を呈していた。 僕は、木材輸入専門商社に勤めていたこともあって、日本の林業そのものが 自分たちの商売に半ば、相反していたこともあり、よくわからなかったことも あったので、彼らの質問に対して良い加減に答えていた。 しかし、日本の林業が毎年巨大な赤字を垂れ流していること、その巨額赤字を 一般会計で賄うようになっていること、伐採期を迎えている、戦後植林されて きた多くの立木が、荒廃寸前にあること、治山治水を考慮せずに出鱈目な造・ 植林を続けてきたことなどを考えると、従来通りの林業政策を続けてこれから 100年後の自然更新を漫然と待つということであってはならないと思う。 国産材を生かす方策を考えながら、日本の山、製材を立て直して山の神が怒り 狂うのを抑えて昔の山を取り戻していかなければならないと強く思う。林業政策 について諸先達、仲間が言ってきたそのことの意味がようやくのことわかり 始めている。何よりも、皆が食べていける状況を作り出す必要がある。 木材界も、もっと有効に造・植林木のスギ・ヒノキを有効に活用する新基軸を 編み出すー例えば、伝統的な柱・桁の軸組工法から新たな製材規格を作り出すー ことなどの必要性も出てきているのかも知れない。僕の尊敬している知り合 いが、それらのことを構想していることをちょっと耳にはさんたが、ぜひ成功 させて貰いたいと願っている。 国民の「住い」を通じた生活水準の向上、日本経済の再生と今後の道筋、林業 ・山村の活性化、国産材・製材業界の生まれ変わりなどの点でも救いの道になる ような気がしている。 政治も木材業界から集票できることは不可能になっていることを先般の国政 選挙と宮崎県知事選挙の結果が如実に物語っているので、政治・行政の大きな 転換点であることは、間違いのないところだ。「補助金行政」をやめて、ムラ の活性化と将来につながる金の使い方をして貰いたいと思っている。 第一歩として「森林組合制度をやめること」がまず先決のような気がする。 ところで、スギは、分布を見ても、北は本州の北から南は屋久島まで生育して おり、木材の性質も、違う。ヤング係数の高低、比重の高低などは各地域の 気候、土壌などによって違っている。 一般的に言って、スギの比重は平均 0.38 とされていて、他の樹種に比べて 柔らかい。また、強度も低いので、木材を構造材として使用する場合は曲げ 強さとヤング係数の最低限を決める必要もあるだろうし、その測定結果の強度 表示をして、構造使用に問題のないことを、特に設計に携わる人たちや住宅 建設業界、しいては消費者に安心を与えて、信任・信頼を得て置く必要がある。 スギは、古来から建設に多く使用されてきた樹種で、地方の古民家では、スギが 多く使われてきたのを証明する家も多く残っているのを見かける。今でも地方 によっては、スギが一番良いと言っている。 天然秋田杉、吉野杉、屋久縄文杉などの有名ブランドもあり、装飾、意匠も かねることが出来るスギも多いが、なんといっても戦後植えられた人口造林 スギが、量も圧倒的に多く、早急に手をつけなければならない対象である。 最近では、合板の原材料としても注目を浴びていて、実際合板や LVL にも 使われたり、集成平角にも D.FIR とあわせて使っているようだ。構造材に 向いているか造作材その他に向いているかは、産地によって大きな差がある ので、産地によって決めて貰いたいと思う。 昭和30年代の木・製材業界の人たちは、儲かったら、山林に投資するように 言い伝えられていたと聞いているが、いつの間にか、その話も消え、金融業界 が、山林に対して、担保価値を見なくなっていた時期があった。 本当に、程々ということは、つくづく難しいと思う。 ■■ 編 集 後 記 ■■ -------------------------------------- 読書の秋であると同時に、スポーツの秋でもあり、野球が大詰めを向か えそうだ」。日米のプロ野球で外国部隊が活躍して国際色豊かになってきて、 グローバルになっている。国際政治と同じように、利権争いの具にならない ようにして貰いたいと思っているが。。。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― □ 編集・発行 : 菅野kaz−木材の情報源 □ サイト : http://trees.rulez.jp/ □ メール : info@trees.rulez.jp □ メルマガ解除 :http://www.mag2.com/m/0000205529.html ―――――――――――――――――――――――――――――――――― Copyright(c) Kanno Kaz. All rights reserved.


