起業家支援エンジェルIAIJがベンチャー道奥義伝授  RSSを登録する

私たちは、起業家とエンジェルの発掘・支援および育成を通して、日本の将来づくりを手作りで目指すユニークな団体です。グループ活動・支援企業・VCなどのインタビューや、ベンチャーの陥りやすい罠などを紹介し、ベンチャー道の奥義を伝授します。

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2009/09/29

「ベンチャーを起業して」■IAIジャパン会員 (株)ライステック 代表取締役 飯沼一元

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         IAIジャパンメールマガジン
  ■ 起業家支援エンジェルIAIJがベンチャー道奥義伝授 (第92号)■

              「ベンチャーを起業して」
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こんにちは!   NPO法人IAIジャパンです!

私たちは、企業を起こそうとする人、それを支援する人のための団体です。
起業家とエンジェルの発掘・支援および育成を通して、日本の将来づくりを手作りで
目指すユニークな団体です。

社会に貢献する意欲あるあなたの参加大歓迎です。
あなたの熱意、発想、知見、経験が日本の産業を育成し、開花させます。

さあ、IAIジャパンのホームページをご覧になって、一緒に活動、活躍しましょう!
            → http://www.iai-j.com/

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IAIジャパン会員による寄稿文シリーズ4
                        
               「ベンチャーを起業して」

                         IAIジャパン会員
                    (株)ライステック http://www.ricetech.jp/
                             代表取締役 飯沼 一元

 私の手元にIAIジャパン会報創刊号があります。2000年6月発行。シリコンバレーの
ベンチャーが次々と新しいIT市場を開拓していました。八幡会長の巻頭言に続いて、二スリー
IAI(International Angel Investors)本部会長がベンチャー特に起業家の重要性を説いて
いました。

 私は当時NEC本社理事でインターネット事業戦略室のNo.2でした。この組織の任務は、インタ
ーネット時代の事業戦略を社長に提言することでした。私の専門は元々はメディア処理でデジ
タルテレビや音声自動通訳などでしたが、この時は半導体や通信事業の抜本的な見直しを担当
しました。シリコンバレーを中心にマイクロソフト、アップル、シスコ、オラクル、インテル
などという新興企業がIBMやAT&Tといった巨大な老舗企業を脅かし始めていたのです。
国内では、NTT御三家(NEC,Fujitsu,Oki)も形骸化し、本来、御三家が得意とするはずのルー
ターでシスコに先行されても危機感が無く、巨大な変革の波が押し寄せているのに、有効な対
策が出ず売上の伸びが止まっていました。

 私が入社した1970年のNEC売上は700億円、これが30年後に5兆円、数年前までは
毎年3000億円の増収が当たり前でした。これはおかしい。小手先の変革などで解決できる
問題ではない。IAIジャパンに出会ったのは、こんな時期でした。
2000年1月29日にIAIジャパン設立準備セミナーに参加して、この疑問を八幡会長にぶつけ
たところ、(この15年前にNECを飛び出した)会長からは「NECがこうなることは前々から分
かっていた」と一笑に付されました。

 「ベンチャー」という存在を抜きには大企業の変革はできないのではないか?

 こう考えた私は、シリコンバレーにNECのスピンオフベンチャーを設立し、現地で黒澤さんに
お会いするなどして、ベンチャーについての体験型研究を実施しました。当時は富士ゼロック
スの上谷さんも同じような取り組みをされていたと記憶しています。

 その後、国内でもベンチャーキャピタルから資金を調達して同様のベンチャーを設立し、
その経営に当りました。しかし、NECではこのような活動はごく少数の人を除いて、殆ど誰にも
理解してもらえませんでした。しかし、ベンチャースタイルの一部だけは社内に取り入れられ
ました。それはストックオプションでした。2000年7月に会社幹部に権利行使価格3,400円
のストックオプションが交付されたのです。あれから、8年NECは低迷を続け、売上は30%減
少し、株価は当時の1/10のところまで落ちぶれました。

 私はIAIJに参画する傍ら、定年後に自分でベンチャーを起業するためのネタを探していまし
た。本気で20年間没頭しても飽きないテーマを探しました。そして、「米ぬか」に出会いま
した。

「何故米ぬかか?」と必ず聞かれますが、答えは「やりがいがあるから」としか言いようがあ
りません。皆さんは白米を食べていますが、「白米」は米偏に白と書くので「粕(かす)」な
のです。玄米から白米を取り除いた「糠(ぬか)」は米偏に健康の康、つまり、健康の基なの
です。これは、4000年前に漢字を造った中国人の常識でした。現代人に不足がちな栄養成
分の大部分は米ぬかに含まれているので、米ぬかを食べれば健康を保つことが出来るのです。
しかも、米は唯一の国産主食材です。でも、米ぬかを食べる人は殆どいません。世界の米ぬか
の90%は廃棄されています。シリコンバレーで30年間に亘って、この矛盾に挑戦している
ベンチャーがありました。その会社を訪ね、「一緒にやらせてもらえないか」と持ちかけまし
たが、全く相手にしてもらえませんでした。

 そこで、「米ぬかを食卓へ」というロマンを掲げ会社を設立しました。日本人の長寿化が進
行する一方、糖尿病、心臓病、脳疾患などの生活習慣病が蔓延し、国民医療費が止め処も無く
増大しています。その一因は玄米を食べず、白米を食べるようになったからです。アメリカで
はダイエット食と健康を国民に教育するためのDSHEA法(The Dietary Supplement Health 
and Education Act)が施行され、国民の健康維持と医療費削減を両立させる方針が打ち出され
ていました。

 「米ぬかは日本人の健康を守るのに最もふさわしい食材になれる」

 こう思い込んだ私は、無謀にもこれまでの経験とは無縁の世界に飛び込んだのです。
そして、早速、意気揚々と知り合いのベンチャーキャピタルを訪ねました。
「土地感の無い貴方には無理です。勿論、投資などできまません」
という答えが返ってきました。私の考えを理解してくれたのはIAIJの方とこの分野の技術に
詳しい一部の友人でした。
 
(必ず成功させて見せる!)
 こうして、IAIJの方には監査役・法務関係の支援をお願いし、会社機構を整え、当初から
IPOを目標としました。そして、東京農業大学の先生に相談し、米ぬかの有効成分を引き出して、
且つ、おいしく食べるための技術開発に取り組みました。2年で食べる米ぬか粉末「カーナの
約束(*)」(http://www.ricetech.jp/carna/)を製品化するのに成功し、牛乳などに混ぜて
飲むと便通が良くなると評判になりました。 
 更に、食品級の米ぬか原料を安価に製造するための技術開発に公的助成金4件を獲得して、
3000万円を投入しました。IAIJからは会計、WEB、技術開発に関して追加の支援者を得ま
した。
(*)カーナ(Carna)はローマ神話に登場する健康を守る女神の名前です。

 しかし、問題は販売でした。製品はできても販路が開拓できないのです。健康食品は薬事法
が壁になって、その効能・効果を謳えないのです。日本にはDSHEA法のように、健康維持のた
めに、「自分の責任で食品を選択できる」ように国民をガイドするという発想は無いのです。
「効能を謳いたいなら、医薬品としての承認を取りなさい」というのが厚生労働省の言い分です。

私は「薬」ではなく「食品」を提供したいのです。消費者は効能・効果が不明な「健康食品」
にお金を払ってまで買うことはしないのです。健康食品の約50%はいわゆるねずみ講まがい
のMLM(Multi Level Marketing)販売です。アムウェイ、ミキプルーンなどは強固な個人ネッ
トワークを構築して莫大な利益を計上していますが、株式公開はしていません。おそらく不透
明さ故に出来ないのでしょう。

 会社の財務状態はあっという間に悪化しました。急遽、経営監査委員会を設置して、会社を
閉鎖する条件を答申してもらうことにしました。この場面でも、IAIJからの支援者には大いに
貢献していただきました。リストラを断行する傍ら、研究開発を一旦中止し、米ぬかを使った
温熱パッドなど、売りやすい新商品も投入し、苦手の販売に注力しました。手探りの状態が続
きました。販路開拓はさすがのIAIJの皆さんにとっても手ごわかったようです。一番苦しい時
期でしたが、IAIJの方は黙々と耐え、支援を継続し、決して見離しませんでした。「継続は力
なり」とはよく言ったものです。少しずつ売上が増えてきました。そして、創業6年目にして、
やっと単年度黒字になりました。今後、どうなるかはまだ予断を許しませんか、経営監査委員
会は開店休業のままになっています。苦しい時に、「親身になってサポートしていただける」
ことが危機を乗り越える原動力になるのです。

 会社の目標は、初志通り「米ぬかを食卓へ」を合言葉に上場を目指します。大風呂敷を広げて、
「可能性はあるのか?」ですって。勿論あります。モデルは青汁一本で成功した「キュウサイ」
です。テレビで悪役俳優を起用して、青汁を飲んで「まずい!」と言わせ、まずいから「体に
効く」という先入観を植え付け、年商100億円を達成した九州の会社です。この会社の青汁
の原料は「ケール」というキャベツの一種です。ビタミンAやCが豊富なのですが、栄養成分を
調べてみると、小松菜の方が優れています。様々な生活習慣病予防対策としては、「米ぬか」
の方が断然優れ、国産で安全性も抜群なので、素材ポテンシャルでは負けるはずはありません。

 最近、米ぬかに認知症予防成分が多量に含まれていることが医者の手で証明され、医学誌に
掲載されました。 (http://www.ricetech.jp/ronbun/ronbun3_1ninchi.htm)

 要はやり方次第です。カーナの製造方法は毎年完成度を高め、ほぼ確立したと言える段階に
来ています。「どうやって売るか」というテーマに集中して挑戦し、これを解決すれば先は見
えてくるはずです。これまでにも5指を越えるVC(ベンチャーキャピタル)が、「来ても無駄」
と言うのに、「話だけでも聞かせてくれ」と言って押しかけてきました。未だ、VCを必要とす
る時期ではありませんが、販売モデルが見つかった時には、無駄足で帰っていただいたVCに
声をかけてみようと考えています。

 振り返ってみると、NECにベンチャーを持ち込むことなど、初めから無理だったのです。
大企業にとって必要なのは、ベンチャーではなく「ベンチャースピリット」です。しかし、
ベンチャースピリットはベンチャー企業では育ちますが、大企業で育てるのは至難の業です。
大企業も、創業時はベンチャーです。そして、創業者はベンチャースピリットに溢れています。
成功すれば規模の拡大を求め、大企業化していくと共に、大企業病に侵されるようになるのが
宿命なのです。

 これは、豊かさの代償として生活習慣病が蔓延するのと良く似ています。皆さんも健康を害
して家族や病院の世話になり、社会のお荷物にならないよう心がけてください。そのためには、
「米ぬか」が一番です。

 最後に、今後とも、一層のご支援をよろしくお願い申し上げる次第です。


          --会員による寄稿文つづく--

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第9回IAIジャパン創業ゼミナール http://www.iai-j.com/Shiryo/AT/index910.htm
は、10月3日(土)からスタートします。ご期待ください。
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IAIジャパン、あるいはメルマガ全般にご意見ご質問がありましたら
     http://www.iai-j.com/index41_NPO.htm にどうぞ。
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「投資できる起業できない起業」IAIジャパン理事長八幡恵介著光文社出版1000円
         http://iai-japan.at.webry.info/200809/article_3.html
         http://iai-japan.at.webry.info/200809/article_4.html
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   エンジェルはこんな人: http://www.iai-j.com/citemap/indexSodan2_NPO.htm
IAIジャパン理事長ブログ: http://iai-japan.at.webry.info/
          最新号: 2009年8月24日号 「昆虫採集の是非」
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