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実際の「民事訴訟」を題材に、裁判所の見解を明らかにしながら、法律的な問題点を検証します。テーマは、親子や男女関係・お金にまつわるトラブルなど。人生の「ドラマ」が見えてきます。法的スキルアップにも、おすすめです。

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2008/07/21

樋口正登の「民事紛争・Catch up!」第29号

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☆☆☆樋口正登の「民事紛争・Catch up!」第29号☆☆☆
                           2008.07.21発行

 皆さん、今日は。
 最近は、景気が悪いせいか、振り込め詐欺の件数が増加しているようです。
広い意味で「振り込め詐欺」とは言われますが、その手口は巧妙化! 民事
訴訟に発展したケースは、残念ながら、ほとんどありません。今後、模倣犯
も含めて、詐欺もどき?が横行するかもしれません。
 第29号は、「プロを相手取った詐欺」に関する事案です。

★★★虚偽の申立によるローンカードの交付★★★

最高裁平14.2.8、平13(あ)1341号ほか

■事件の概要■
 本事例は、資金繰りに困った者が、消費者金融会社の係員を欺いてローン
カードを交付させたうえ、これを利用して同社の現金自動入出機から現金を
引き出したものです。振り込め詐欺の被害者は一般人ですが、今回は、プロ
が相手というところに特性があります。
 以前、テレビドラマで、クロサギというのがありましたが、プロも騙され
るときは騙されるのですね。

■考察■
 通常、クレジットカードを作ると、キャッシング枠やローン枠が設定され
ます。また、最近は、ローン専用のカードも数多く発行されています。一般
的に、金融機関やカード会社では、しっかりとした審査がなされ、消費者金
融においては、審査は多少緩い?とも言われています。
 クレジットカードなどのローン枠を使い切ると、消費者金融から融資を受
けることを考える場合があるのでしょうが、融資額が少額であると、慎重審
査は行なわれず(本社の審査ではなく営業所単位の判断)、虚偽の申立がう
っかり!?通ってしまうこともあるようです。

■判決■
 今回の事件では、消費者金融会社の係員を欺いてローンカードを交付させ
た点につき「詐欺」の成立を認めています。もし、カードを使って、現金を
引き出せば(=融資を受ければ)、刑法上の窃盗罪にも該当する事案です。

■編集後記■
 「詐欺」というと、民事責任と刑事責任とが競合する場合が多いのですが、
民事については、詐欺者に支払能力がないのが通常で、被害者側が泣き寝入
りをせざるを得ないことが多いのは残念です。
 法的には、詐欺による意思表示に対しては、それが他人の違法な行為によ
って動機付けられたという事実を考慮して、その拘束力から脱却する手段を
与えていると言われます。つまり、民法96条1項の取消権によって、被害
者側の利益を守るとされてはいますが、なかなか現実は厳しいようですね。

■2010年向けの司法書士受験講座■
 10年の司法書士試験を目指す、15か月合格コース(秋生)が順次開講
します。今回は、まずは第1弾ということで、各講師のコメントをご紹介し
ておきます。どうぞ、ご覧下さい。

 http://www.lec-jp.com/shoshi/kouza/beginner/guidance/index.shtml

■お知らせ■
 著作権法に基づき、発行号数を問わず、無断転載はお断りをしております。
このメルマガに関するご意見などがございましたら、お聞かせ下さい。配信
画面から、返信が可能となっております。

■発行者プロフィール■
 90年司法書士試験合格。資格の学校(LEC)で、法律科目(憲法・民
法・刑法・民事訴訟法など)を教えております。

 発行者サイト  http://blog.goo.ne.jp/goo747-400dom/

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