2006/10/23
目指せ!小説家
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 狸合戦 VOL.7 発行日:2006/10/25 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。能須諸亜です。 皆さんはお酒好きですか?僕は好きで、最近はワインにはまっています。と 言っても何を飲んでも大体美味しく感じてしまいます。でもお勧めの品種があ ったら是非、ご一報お願いします。 それでは「狸合戦 VOL.7」です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「話を続けよう。そんなわけで親父は一切嫌がらせや、脅しに屈しなかったわ けだけれど、どんどん仕事がなくなっていったんだよ。わかるだろ?よくある 話さ、取引先に圧力をかけて工場に仕事を回さなくしていったんだ。親父の工 場みたいに、小さくて地元密着型の工場は取引先や、昔から付き合いのある企 業にソッポ向かれたそれまでだ。工場閉鎖のカウントダウンが始まってしまっ たってことさ」 女は納得いかない顔で中野を見ていた。それに中野も気づいていた。 「私と、父親は何の関係が?っていう顔しているな」 「ええ」 「まさか市長がそんな嫌がらせをさせるはずないだろう。つまり地元の権力者 であり、仕事を引き受けることになったあんたの父親が全て指示したことなん だよ。まぁ、市長は知ってか知らずか分からないけどな」 女は俯きながら肩を揺らしていた。中野は泣いているのだろうと思った。誰 でもそうだが自分の父親が悪事を働いているとは思わない。絶対的な正義、そ れが父親像なのだから。それにそんな父親の元で悠々自適で何不自由ない生活 を送ってきた自分。やりきれなく理由も分かった。 「くだらないわね!」 だが女顔を上げた女の口から意外な言葉が飛び出した。顔には涙を流した形 跡などもちろんなかった。肩が揺れていた。きっと笑っていたのだ。さすがあ のクソ野郎の娘だ。―中野はすこしでも同情したことを後悔しながら、ジーン ズの後ろのポケットに入っているバタフライナイフに手を伸ばした。本当は殺 すつもりはなかった。だがここまで堕ちているとは思わなかった。もう余地は ない。 だが女は中野の素振り気にする様子もなく口を開いた。 「でもあなたのお父さんもお金を貰っているでしょ?」 中野は手を止めた。強気な女に戻っていた。 「あんたやっぱり知っていたんだな。とんだ猿芝居をしやがって!」 「確か工場閉鎖の時に三億円受け取っているはずよね?」 「あんたそこまで…」 「それなのによくそんな偉そうなことが言えたわね。ふざけんじゃないわよ! あなたのお父さんも賄賂を貰ったくせに、おいしい思いもしたくせに何言って んのよ!こっちは証拠だってあるのよ!」 中野は女の思いもよらない反撃に呆気に取られ意味を理解することができな かった。 「証拠?」 中野の口から思わず言葉が漏れた。女はバックに手を入れ一枚の封筒を取り 出した。女はその封筒を中野の前に放り投げた。 続く −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆発行者:能須諸亜 ☆メール:chafilter@yahoo.co.jp



